[Top] > [Records February, 2002]

Platitudinous Records February, 2002

【<旧日記】【一覧】【新日記>】

● Jan. 1, 2002 (Tue.)

_あけましておめでとうございます.

_さてどういうわけか元旦にハリー・ポッターと賢者の石なる映画を見に行く.私はあまり乗り気ではなかったのだけど,私を除く四人が総出で見に行くというものだから,まあこの際ハーマイオニーを見ておくのも悪くないだろうということでついて行くことにする.最寄りの映画館では何故か吹き替え版しかやっておらず,一度目で吹き替え版を観る価値無し,とかなんとか咲嬢と一致団結し,少々遠くの映画館まで出る.というか,まあ咲嬢がその遠目の映画館まで連れて行って欲しいとねだっていたから,家族で見に行こうかという話になっていたのだけれど.で,まあ出来としては...

_ハーマイオニーが可愛い.

_...じゃなくて,大体悪くない出来.原作どおりと聞いていたが全くもってその通りで,実に原作に忠実だった.アニメ化された小説だのなんだのがあまりにも原作と違うことに辟易していた私としては非常に嬉しい限り.CGを駆使しようがなんだろうが文字を追って想像する内容にはどうしても追いつかない部分はあるものの,かなり頑張っているほうだろうと思う.逆に映像化されて分かりやすい部分というのはかなりあるし,むしろその利点において細かい部分に文句を言うこともない気がする.ストーリー展開に関しては多少削られた部分はあるものの原作通りであるからにして,特に何も言うことは無いのかも.ただ,やっぱり時間の関係上それなりに削られているシーンというのがあって,一応フォローはあるものの原作知らないと因果関係が分かり辛いのではないだろうかという部分はあったかもしれない.

_さて,まあ本気でこの調子で七本も映画を作るつもりなのなら,それはそれで楽しみである.ハーマイオニーの成長過程が追えるわけで,実際七年後のハーマイオニーは実に美人に育っていることだろう.ってそれ違うだろ.だけどまあ,俳優も作品内時間と同じくして年をとるわけであるから,その点丁度いいだろうと思う.このまま原作に忠実に作ってくれるのなら,また来年も見に行ってもいいかもしれない.

_だけどな.私一つだけ言いたいことがあるんだ.そりゃ時間の関係で削らざるを得なかったことは理解しよう.でもな,削っちゃいけないシーンっていうのはやっぱあるんだよ! 声を大にして言いたいぞ!(地団駄)

_ハーマイオニーの晴れ舞台を一体どこへやった!?

_結局それかよ.

● Jan. 2, 2002 (Wed.)

_先ほど棚からCDをばたばた落としてしまってかなり悲しい.幸いCDはどれも無事のようだったけど,破損したCDケースが五枚.予備を引っ張り出してきてCDを入れ替えたけど,そのうち一枚は予備が一枚しかないという貴重な形のCDケースだったのだ.他四枚は予備すらなかったんだけど,こちらの中身はバックアップCD-RWだったので,ケースにこだわることもないかということで類似ケースに保存.それにしても,予備が一枚しかないケースを破損してこんな時に使うことになろうとは.不覚だ.もちろんCDケース自体はそれほど高いものでもないのだが,そもそも同型のケースが売っていないというのが問題なのである.よしんば売っていたとしても五枚組だったり十枚組だったりして,置き場所に困ることになる.CDケースはCDを入れて無くても場所取るし.まあ,中身は入っていないから多少取り出しにくいところに片付けても大丈夫なのだけれど.とりあえず予備があっただけでもマシと思うか.でも一番の破損は何かというと床についた傷だと思う.ケースは探して買えば何とかなるけど,床の張り替えなんて気軽に出来るもんじゃないしねえ...

● Jan. 2, 2002 (Wed.) (2)

_個人的には後の末利化反対かな.もちろん私が反対したからといって強制力があるわけでもないんですけども.もしやるなら,やっぱりそのレベルでのインパクトに出会うたびにころころ変わるサイト名を伝統にした方がむしろいいような気もします.管理人がインパクトを受ける度にサイト名が変わるサイト.それはそれで素敵なような.ただ分かりにくくなることは事実なので,一つ汎用的な名前を掲げておいて,サブタイトル的な部分をインパクトごとに変更していく,とかするほうが悪くないかもしれません.それにしてもいいセンスだよな後の末利って.

_ところでそれって結局どうだったんです? KISAさん編集長の携帯を預かっていたとかいう事実は無いんですよね? 電話越しだったし,なにせあの場所ですから結構雑音も多かったんで分かりづらかったことは確かなんですけど,本気で口調とか声がKISAさん調だと思ったんですよ.やはり兄弟似ているということですか.むむむ.

_それにしても確かに全然お話しませんでしたね.KISAさん途中参加でしたし.いつ喋ったかなと思ったら紙袋の時に二言くらい喋っただけじゃないですか実は.席離れてましたしね.それにしても紙袋は水夏ですか.なるほどそうだったかも.確かに知っている絵柄だったということは思ったんですけど,それで満足したのやらなんなのやら,そこが完璧に抜け落ちているというホントに嫌らしい記憶でありました.なもんで,私が知っている範囲の絵柄で嘘を言うとホントにそれになります.ていうか今水夏になったので.ていうかいいのかなそれで.

_あと咲嬢はよろしくもなにもKISAさんのサイト探し当ててた気がします.もっとも全然見てないと思いますけど.空嬢が見つけてたなら多分毎日読んでることでしょうが,まあ,姉妹とはいえその辺大分性格が違うようです.ま,いずれにせよ本人達はそりゃ変わらないはずもないでしょうが,やっぱり兄にとって妹というのはいつまでも妹であり続けることでしょう.親にとって子がいつまでも子であり続けるように.関係を示す言葉だから,義とかつかない限りそうそう変化しないんでしょうけど,そういう言葉だけの問題ではなくて,ね.

● Jan. 3, 2002 (Thu.)

_昨晩あたりから雪が止まない.寒いわけである.ここでこれだけ積もるっていうのは結構珍しい.雪は音を吸い込むというが,言われてみればそんな気がする.外が静かだ.そして雨なら匂いで分かる.

_で,雪とは何の関係もないんですけど,末利ではなくて末莉なのだそうで.どうもこれは失礼,末莉さん.私も家族計画のキャラの中で誰か一人に転ぶのだとしたらあなただと思います.なに言ってんだおい.あと,携帯電話の件了解です.確かにKISAさんだと思ったんですけど違いましたか.まあ確かに四ヶ月ほど間もありますしアレですけど.ま,それはともかく,サイト名は家族計画特設ページが後の末莉になっているだけで十分絶大な効果があるのではないでしょうか.何に対しての効果なんやら良く分かりませんが,目から鱗的なバランスの取れ方は絶妙だと思います.

● Jan. 3, 2002 (Thu.) (2)

_いわれるまで気づかないようなことだけど,雪の日というのは本当に静かなようだ.人が外に出ないというのもあるかもしれないし,正月というのもあるのかもしれない.だが雪が音を吸い込むというのはあながち嘘ではないのではないか.日も落ちてから外を見てみると妙に明るいことに違和感を覚え,顔を出して見るとどうやら街灯の明かりが雪に反射してほのかな明かりとなっているようだ.悪くない,幻想的な光景である.

_今日は新しいツールを入れてみる.というのも,文月さんところでタブブラウザが紹介されていたからで,今まではずっとDonutを愛用していたのだけど,お薦めと聞いてなんとなく乗り換えてみる気になったのこと.まあ,実際はどれもこれもIEコンポーネントは使用しているので,重い処理,セキュリティホールだなんてものは根本的解決にはならないのだけど,ローカルで一部機能を抑制したり不要な機能を使わなかったりすることで,ある程度処理を軽くしたりセキュリティホールを塞げたりするのは事実.根本的解決になっていないというのは,例えばいつぞやの,とはいえ今もまだ多少回っているらしいウィルスメールの話.OutlookExpressからだけかと思ったらBecky!からも来てたってやつのことで,あれは結局IEコンポーネントを使用するオプションをつけておくと感染しやすくなるという話なのだ.おっと,私がわざわざこんなこと言わなくても,公式ページにはちゃんとそのことが書いてあるようである.

_ところで,私がそれまでに愛用していたツール群は,テキストエディタにTeraPad,ブラウザは前述の通りオリジナルDonut,ブックマークも兼ねたWWWC,ランチャはMagic Spellでホットキー設定はCtrl+1.Magic Spellはホットキーを押すと小さな一行ウィンドウが現れるので,そこにコマンドを打ち込むと設定アプリケーションが立ち上がるという,キーボード派にはお薦めのランチャである.例えば私の設定だとCtrl+1,"google"+Enterで標準ブラウザが立ち上がりGoogleが表示される.WWWCは,フォルダごとチェックしないアイコンにしておくと,ツリー状のブックマークを兼ねた更新チェックソフトになり,少なくともIE標準のお気に入りなんぞというものよりかは便利だろうと思う.もっとも,最近のブラウザはもっと強力なブックマーク機能を備えているようだが.

_で,今回の変更はDonutからMDIBrowserである.Donut RaptやTaBrowserも試してみたが,Donutシリーズは結局Ctrl+Cで本文テキストをコピーするためにスクリプトによる貼り付け機能を使っているようで,それはどうやらちょっとした危険が存在するそうで気分が悪いのだ.マウスのショートカットメニューからはいけるのにねえ.ところで前述リンク先はそのスクリプトによる貼り付け機能の危険性のデモンストレーションだが,インターネットオプションで「スクリプトによる貼り付け処理」のオプションを「ダイアログ表示」にしておくと延々60回一分間にわたってダイアログが表示され続けるので,オンかオフどちらかの設定にして飛んだほうが良い.え,もう遅い? TaBrowserも非常にコンパクトでよさそうではあるが,タブが下にあることと,ちょっとこじんまりしすぎていることから止めておくことに.解像度の低いノートパソコンなどでの使用なら考えると良いかもしれない.

_で,まずやるべきことははやりカスタマイズである.病み付きになるんだこれが.なにかしら新しいツールを入れるとどうしてもカスタマイズをしたくなるという.それはともあれ,とりあえずツールバーのアイコンをごっそり削除して,戻る,進むの二つだけにする.マウスとキーボードの使用率が大体半々な私はこれくらいが丁度良い.そして,アドレスバーの移動ボタンなどを非表示にして,そのツールバーと同じ行にまとめる.これで一行になる.あとはタブの文字色を好みに変更し,どうせ使わない履歴やブックマークのウィンドウ,リンクバーなどを非表示にする.それからDonut時代に集めた宣伝抑止URLやタイトルを引っ張り込んでおく.新規タブ追加位置を最後尾に,それから新規タブをアクティブにしないようにする.さらにスクロールバーをフラット表示に.これで大体使い慣れたDonutに準じた設定になったはずだ.

_結局使い慣れたものの設定に類似するようにカスタマイズしているところがなんともいえないが,まあ慣れたものはなかなか手放せないもんである.ウィンドウ上部はタイトルバーで一行,メニューバーで一行,ツールバーとアドレスバーを同じ行に並べて一行,それからタブに一行という状態で私のカスタマイズDonutと同じ設定になっているのだが,これがなんともはやメニューバーとタブバーがDonutより太いらしく,10ドット近くクライアント領域が狭くなってしまった.なんとなく気に食わないが,タブバーはタブっぽくなってかっこいいのでまあいいだろう.

_さてマニュアルを読んでみたり使ってみたりする.前回終了時のスナップシュートや,直前に閉じたタブを開くとかいうのは,それほど多く使う機能ではないかもしれないが時に便利そうだ.リンク抽出機能も面白い.ステータスバーのワンクリックでBGMやJavaScriptなどをオフに出来るのも痒いところに手が届くといった感じか.何よりも便利なのはタブをダブルクリックで閉じるように設定できることかもしれない.今までは右クリック,マウスを少しずらす,左クリック,という動作だったのがダブルクリックとなるわけで,これ一つでかなり快適になる.そいや,戻るボタンの履歴にタイトルが保存されるようになったのも,小さくみえて大きな利点だ.DonutシリーズはDonutPにのみついているようだが,使っていたのはオリジナルである.ただのIEでもその機能はあるわけで,欲しい機能の一つといえる.

_不満点はやっぱりメニューバーが太くなったことだが,まあ別にうだうだいうことでも無いか.あとは,編集ファイル名にスペースが入っていると,TeraPadからF11で開けなくなったりとかするが,こちらはTeraPadのツール設定の方でF10にMDIBrowserを割り当てることで解決.キーの位置が変わるが我慢できないほどではない.というわけでこれから愛用させてもらうことにしよう.

● Jan. 4, 2002 (Fri.)

_雪はまだ断続的に降っている模様.日中日が照ってある程度溶けたようだが.もしかすると床が冷たいのが一番の問題点なのかもしれない.雪といえば,などと思い出話があってもよさそうなもんだが,実際どうなんだろうな.まあ,年に数度は見ているわけで,人生一回だけとかいうイベントに比べたらなんら大した事は無いのかもしれない.今のところぱっと思いつくようなことは無いか.

_ところで,冬オフの時に買ってきたHyperHyde Exrougeについて.断続的に使用していたら,丁度今日に電池が切れてしまった.そして手元に単四電池がない.使用時間を計っていなかったのは色々問題があるが,大体10時間程度だっただろうと思う.こういうものにしてはそれなりな再生時間ではないだろうか.ちなみにカタログスペックは省電力モードにして連続19時間だと謳っている.通常モードで適当な使い方をして10時間程度ならそんなもんかもしれない.それに初期付属の電池はあくまで動作確認用だといっているしね.

_まず液晶.パソコン本体から色々カスタマイズできるが,とりあえず数字が大きく表示されるものを選んでそれ以外試していない.標準状態だとイコライザの種類とかも表示されるようだが,個人的に必要はなかったので数字を大きく表示するものにしてそのまま.他は試していないけれど,色々アニメーションする奴とかあるようだ.そういうのが好きな人にはいいかもしれない.もっとも,プリセットの中から選ぶという形式なので,さすがに自分で自由にカスタマイズ,とかいうわけにはいかないようだ.ま,こんなものにそこまでの機能があっても使わないけど.ちなみに,日本語表示はちゃんと漢字でされる.日本語タグもそのままでいい.

_サイズに関しては他のものを使ったことが無いのでよく分からないが,こんなもんではないかな.あまり小さすぎても操作しづらいだろうし,今まで12cmのポータブルCDプレイヤーだった私にしてみれば十分すぎるくらい十分である.手探りでもわかる大きめのボタンは好感度高し.カタログで謳う「シャツの上からでも操作」は嘘ではない.ポケットに突っ込んでおいても手探りで操作できるので,まあリモコン付属には敵わないかもしれないが,それなりに便利だろうと思う.

_あと音質に関しては,パソコンで聞いてるのと大差ないような,まあ移動しながら聞く分には十分だろうと思うけども,あまり耳の肥えていない私のを参考にするのはあまり意味は無さそう.どこかで視聴できるならするとか,もっと耳の肥えた人に尋ねるとかがよろしいかと.個人的にはBGMとして流してる分には全然違和感ないが,そのへんどうなのだろう.

_色に関しては色々思う人があるかもしれない.ポケットに突っ込んでしまえば特に色は気にならないのでいいのだけど.ただ,そもそもからして名前がHyperHyde Exrougeというくらいであるから,やっぱりこのルージュは外せないってことなのだろう.そのうちHyperHyde ExazureとかいってMMC付属なしの廉価版とか,HyperHyde Exvioletとかいって128MB SDメモリカード標準付属とか発売されたらそれはそれで楽しいかもしれない.いやなんか悔しいぞ私.

_形式はMP3のみ.今のところ不満はないが,将来WMAなど別の形式が再生できないことに不満を感じ始めることもあるかもしれない.拡張子がMP3だったので間違ってMP2を入れてしまったこともあるが,曲順には表示されるもののただのノイズしか聞こえなかった.とりあえずMP3にしとけ,ということらしい.

_今のところ,唯一不満点は転送速度だろうか.100KB/sがいいところなので,64MB転送するにも10分以上かかる.128MB転送で25分弱といったところなので,やっぱりMP3を転送するにしてはゆっくりな気がする.USBの転送速度限界かというとそうでもなさそうだし,何がボトルネックなのやらよくわからないが,曲の入れ替えを少々渋りかねないといったところか.あと,何故かUSB HUBを通すと途中で接続が切れる.本体に直接接続すれば大丈夫のようだが,本体には背面に,しかも2ポートしかない私の環境だとちょっと辛さを感じる.なんとかならないものか.これもまた曲の入れ替えを渋る原因になりそうだ.

● Jan. 5, 2002 (Sat.)

_割と長く続く雪だ.止んで日が照って溶けて,だがまた降ってくる.雨やみぞれで一度溶けてまた凍り,滑りやすくなるもまた雪であるが,何度も外に出ようとして失敗した私にはあまり関係ない.ここ数日溶けずに積もったままの雪が,もしかしたらどこかにあるだろうか.雪は意外と,重い.だから夏にしよう,馬鹿みたいな私の北海道幻想.

_ところでKISAさん,いつのまになゆき堂閉鎖しちゃったんですか.まあ別にネタサイトだったしどうでもいいんですど.とか思ってたら自然消滅だったんですか.そんなあなたにこそ是非にうさばを.とか宣伝する意味はあまりないのだろうなあ.どうせテキスト主体のサイトじゃ10MBもあればかなりの量だし.今私の日記とかもろもろHTMLファイルのサイズがいくらかってと,2Mにも満たないし.あと五年くらいしたら考えないといけないのかも.とか言いつつも,このサイトは結局にうさばに乗っかっているのでその辺の心配は無かったり.というか,せっかくCGI/SSIが使えるのにせいぜいカウンタくらいなのが勿体無いともいう.何か使おうかなあ.

_あとExrouge.ホントに似たような時間に買ってるみたいですねえ.ちなみに私は11時前あたりの秋葉で.ていうか秋葉原のお目覚めの時間は11時とかいいつつも,結局目的のものが見つかり次第店を回って値段確認することなく本格お目覚め前に撤退してるところがなんとも言えず.まあそんなですんで,知らずの間にすれ違ってましたとかいうことは多分ないかと.いや,あったらあったで面白いんですが確認できませんしね.

_128MBのSDメモリカードも買うつもりだったんですけど結局買わずじまいでした.そのうち大須で買うことにします.それにしても,ストラップホールが付いていることに先ほどはじめて気付きました.そのうち携帯電話用の地味なストラップでも買ってきて付けようかしらん.というかポケットに突っ込むなら不要という話もありますけど.ときに,バックライトについてコメントして無かったですけど,あまり明るくはありませんが必要十分,とコメントしときます.むしろ携帯電話のバックライト明るすぎ.あの明かりで文字読めるもの.

● Jan. 6, 2002 (Sun.)

_Happy Birthday,早瀬さん.今日が日曜日であることが悔やまれてなりません.なんでだよおい.まあ,他人どころか自分の誕生日を覚えることすら苦手な私ですが,何故か早瀬さんのだけは覚えてました.家族分の誕生日すらあやふやな私が何故覚えたのやら怪しげですが,そんなこんなで多分来年には忘れていることでしょう.いや,もしかしたら違ってたりして.違ってたら嫌だねー...

_それから,10000Hitありがとう.ところでキリ番9999踏みはWayneさんです.誰か何か下さい.とか言ってたらというか言わなくてもEruさんから二枚も絵が届きました.やっほう! ありがとっ.あと,10000踏みはやまさんだそうです.おめでとー.いや,いいんです.はい.複数人いる可能性のあるキリ番でどうしようもないカウンタですが,事情察するに多分やまさんだけですんで.いやいずれにせよ何も出ませんが.むしろなんか下さい.

● Jan. 6, 2002 (Sun.) (2)

 NOTE:一応連載(18,19,20,ALL)

「黙れ,リチャード」
 明らかに怒気を含んだ少年の声が飛び,辺りから音が消えた.そしてまた少年が口を開いて,だがその口から漏れてくるのは結局ただの嗚咽でしかなかった.リチャードは,言葉が続かない少年を複雑な表情で見て,続いてスタンリーに目を移す.
「……スタンリー,と言ったか」
 リチャードの声がスタンリーに向かう.スタンリーは驚いて顔をあげ,はいと返事をした.
「白の民の身内か」
「クレアのことでしょうか.はい,私の妹です……」
「そうか.クレアと言ったか.悪いことをしたな.謝ろう」
 そういうとリチャードは王座から立ち上がって,スタンリーに向けて深く頭を下げた.
 慌てふためいたのはスタンリーの方で,まったくもってどうして良いのか分からずただうろたえるばかり.今更謝ってもらったところでどうしようもないと反論したい気持ちと,だが国王に頭を下げられ畏れ多い気持ちも混じって,結局何も出来なかった.
「君の妹,クレアの殺害を,エドとその母親のヴィアに命じたのは私だ.理由は呪われている言われる白の民の消去.ずっと村の中に居てくれれば良かったのだが,誰かが連れ出したようだ.瞬く間に噂は広がり,各地で暴動が起こった.最も被害の少ない対処法は,白の民を消去することであると私は考えたのだ」
 静かにリチャードの言葉が続く.
「そこで私は,当時私の元に居た魔道士を使い消去させた.そのときの魔道士が,そこのエドの母親ヴィアだ.もっとも血の繋がりに関しては,我々とは違うようで魔道士の言うことはよく分からないが.いずれにせよ直接手を下したのはヴィアではなくエドのようだな.そして,帰ってきたときはエドが魔道士の杖を携え,後継者たるリーを腕に抱えていた.だがそのリーも問題の白の民で――」
 ようやく,少年が袖で涙を拭いて立ち上がった.
「リチャード.詳しいことは君も知らないだろう.僕が話す」
 そしてスタンリーの方を向く.
「直接手を下したのは僕だ,スタンリー.君の妹クレアを殺したのはね.だから妹の仇だと言ったことは間違っていない.だけど,彼女は全部分かってたみたいだ.村を出た理由は知らないけど,それがどういうことかは分かっていたみたいで,僕らが到着した時には既に覚悟が出来ていたように見えた.だからかどうか分からないけど,母さんは僕に,やらせたんだ.あの時あったのは使命感と罪悪感で――,ただほんの少しだけ使命感の方が強かったかもしれない.戸惑う僕の杖を,彼女は自ら受け入れるように――」
 そこで少年は,嫌な思い出を振り払うかのように思い切り首を振った.
「我ながら強力な魔法だったと思うよ.もう二度と使いたくない嫌な魔法だったけど.彼女は苦しまずに死ねたんじゃないかな.だけど死に際に一言,こう言ったんだ」
 少年は傍に居たリーを引き寄せた.
「娘を,と」
 はじめ不思議そうに少年を見上げたリーだったが,少年が微笑み返すと腰にしがみついて顔をローブにうずめた.少年はリーを包み込むように手を回して,続ける.
「だから僕は,この子を引き取ることに決めた.だけどどこに居るのか分からなくて,探して見つかったのは随分後だった.どこか倉庫みたいなところだったと思うけど,この子は衰弱してて.だから僕は,僕の血を与えた.魔道士としての使命だなんて馬鹿馬鹿しいこと伝えたくなかったけど.だけど身を守る手段が必要だと.それになにより,魔法でも回復できるような状態じゃなかったから.だから僕は,僕の血を与えたんだよ」
「……魔道士の使命?」
 そんなものがあるとはつゆ知らず,スタンリーは思わず聞き返していた.少年が言いづらそうにしていると,代わりにリチャードが答えた.
「世界を支えること,だそうだ,スタンリー.彼らは強力な魔力の存在で世界の支柱となり支えていると言われている.世界にはそこのエドを含めて七名の魔道士が居て,今エドがその使命を放棄しているが為に不安定になっているらしい.もっとも,事実かどうかは知らない.私は魔道士ではないからな」
 少年はまた何かを振り払うように首を振って,続けた.
「……ま,そうらしいってことさ.とにかく,リーを連れて帰ってきた僕は大変なことになった.白の民を消去するよう命じられたのに,その白の民を腕に抱えて帰ってきたんだからね.だけど僕はクレアに誓った.リーを引き取って,自らの身を守れるようになるまで育てると.だから,この国から逃げたんだ.そしてリーが白の民であることを隠す為の魔法を研究した」
 少年は抱き寄せていたリーを放して,スタンリーの目の前に移動した.
「さあ,これが全てだ.僕はリーを守ると誓ったけど――でも君が代わりに彼女を守るのなら,僕に生きている価値は無いよね.魔道士として世界を支える役にも立たない.リーを守りきることだって,できるかどうか分からない.だから,スタンリー.さあ――」
 少年は手に持った杖を遠くに放り投げて,両腕を横に広げた.そして今にもまた泣き出しそうな顔をしながら,静かに,しかしはっきりと告げる.
「仇を討て.僕を殺すといい」

● Jan. 7, 2002 (Mon.)

_ごめんなさいごめんなさいごめんなさい.PlayStation2本体持ってないのにICO買っちゃいました.てか何で謝ってますか私.とりあえずマニュアルが約3000円,パッケージが約1000円,ラベル付きDVDが約1000円ってことで.よし.ってそれどこかが間違ってます絶対.しかし居なさそうでそれなりに居そうな気がするんですけどどうでしょう.ハード持ってないのにソフト買う人.同士よ手を上げてくれ.

_それ証拠.もしかしてWeb上での早瀬さんの誕生日なのかなとか思わなくも無かったですけど,別の質問でインターネット環境を入手された日はその日より後ですからありえないと判断.まだインターネットなんぞ無かった頃な気もしますし,正確なインターネットの歴史を知っていればそちらでも判断できたかも.以上ネタばらしでした.何のだよおい.

_オフに乱入しただけで勇者になれるのかどうかはよく分かんないんですがそれはともあれ,我々は新たなる勇者を歓迎致します.ところで勇者様はご自分のサイトをお持ちではないのですか.ああ,なんたること.それはいけません.勇者様は魔王を倒して頂くべく,手早くサイトをお立ち上げ頂き,魔王に対抗する手段を整え下さいませ.ちなみに手ごろなサーバーとして豆満江開発機構のサーバーがございまして,年額6000円で容量無制限,CGI/SSI許可のWebスペースが頂けるそうです...ていうか勇者も大変やね.これ嫌がらせ以外の何でも無い気が.しかも追加して勧誘? それはともかく,残念なことに私はよく事態を把握していないので,もしかしたら凄く馬鹿げた事をしているのかも.悲しいなあ.

● Jan. 8, 2002 (Tue.)

_記憶上書ですって? うむむ.確かあのとき紙袋は三袋あったような気がするのですよ私は.とりあえず覗き込んだ月陽炎の紙袋は良いとして,思い出せない反対側,それからその両脇の紙袋に挟まれて見えなかったものがひとつ.しかしこの辺も思い違いな気がしなくもないところがちょっと困りどころ.知っている絵柄だったことは間違いないのですが,そこですっかり何の絵だったのか忘れているのはもしかしたらそれを知らなかったからじゃないか,とかいう話は結構信憑性があるわけで,だとするとそのMilkyway2とやらである可能性は高いような低いような.どっちだよ.その前に日本語がおかしい気がするけど気にするな大丈夫だ.ともあれ水夏だったらゲームごと知ってますが,Milkyway2とやらはゲーム知らないんですが絵は知ってるので,微妙なところです.ていうかだんだん記憶が混乱してきました.いいや,もう.どうでも.とりあえず記憶は修正されました.

_勇者様はサイトを用意されていた模様.さすがです勇者様,と嫌がらせを続けるのは止めにしておいて.間借り生活を脱したい貴女には豆満江開発機構鯖を.と営業だけに.それでも営業はするのかよ.でも結局のところ紺瀬さんはここを知ってはいらっしゃるまい.というわけで無意味.以上.

_PlayStation2が欲しいです.要するにICOがやりたいです.

● Jan. 9, 2002 (Wed.)

_この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから。

_ICOは"素敵"だ.確かに,プレイしていても"楽しい"という表現を割り当てるには少々違和感がある.だが,よく出来ている.素晴らしい.良い.もちろん,謎が解けたときなどはパズルゲームとして"楽しく"はあるだろうが,むしろこれはそういう部分を"楽しむ"ものではあるまい."感じる"ものだ.空気の存在,光と影が織り成す世界,見上げる空は眩しく見下ろす奈落はまさに恐怖.それ以外には何もないが,しかしそれだけあれば必要十分,臨場感とはまさにこれ."静寂の"脱出アドベンチャー.そうだ,"静寂"をこれほど見事に表現したものはそうそうあるまい.

_ま,そんなこんなでPS2本体ごと買ってしまった形になるICOだが,というか正確には本体より先に買ったんだが,気に入った.懐の寒さは如何ともしがたいが.とりあえずのところ正門まで行ってようやく少女の名前が分かったところで中断してあるが,素敵だ.いやもう分かったって.

_それにしてもこのゲーム怖い.非常に怖い.怖いところも素敵.いや何が怖いって舞台が高いんだよ落ちたら死ぬんだってばよ.もちろんゲームだしそう簡単に落ちはしないのだが,そもそもプレステコントローラに慣れてないので何度も落ちそうになるのである.そして"落ちそうに"がまた怖いんだこれが.さらに絶妙なカメラワークに引きずられる操作感がなんとも.追加して先が見えなかったりして怖い.そして少女,基本的に自発的な行動はしないとかいう話ではあるが,実は結構好奇心旺盛である.ちょっと目を離した隙に居なくなってるんだから困る.影は強いし少女連れ去られちゃって怖いし.でも主人公イコが影に突き飛ばされて倒れると,庇うような行動にでる少女はなんともいじらしい.それで連れ去られてちゃ何にもならないんだけどな.

_しっかしホントよく出来てるなあ.手を繋いで走り出すとこの少女ってば随分強引に引っ張られているような感じでついてくるのだが,いつ倒れるかと見てて危なっかしい.もちろんゲームシステム上倒れたりはしないんだが,それでもつい手を繋いでいる時はゆっくり歩こうとしてしまう.むしろプレイヤーにそうさせてしまう雰囲気がいいと思うのだな,私は.困ったことにこれのキャッチコピーは第一段落で引用した,この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから。であるが,なかなかどうして上手い具合である.直接的にはもちろん主人公イコ視点の言葉であろうが,むしろプレイヤーさえもコントローラと一緒に魂を離してしまうかのようで,ホント,よく出来ている.

_ところで,PS2は地味にやかましい.高速ドライブや高速プロセッサの宿命か.ただ,縦置き用と称してDVD/CDドライブについているエンブレムが回転するのには笑った.

● Jan. 10, 2002 (Thu.)

_この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから。

_いやもういいから.分かったから.

_今朝は結局ICOのしわ寄せにより色々締め切りとか苦労したが素敵なギリギリ感をもってして切り抜けたような.ICOのしわよせというか,らむちゃに遊び人から転職した勇者様もしくは賢者様とも呼ばれる人もいらっしゃいましてつい.あと雲の上の方とかもいらっしゃいましてつい.ついなんだよ.いや,IRC出ながら作業してると進まない罠って話が.もっとも作業の種類にもよって,意外とIRCと共存できそう,というか,まあ有効に時間を使えそうというか,そういうのもあるかなきか.どうでもいいって.

_で,いつの間にか時間が.

● Jan. 11, 2002 (Fri.)

_この人の手を離さな...いやしつこいから.分かったから.いい加減にしときなさい.

_まあそんなこんなで次のソファに辿り着く前にゲームオーバーとかでなかなか進まないICOですが.セーブデータに表示されてる時間は五時間半くらいだと思うけど既にそれの二倍近くプレイしてるので.ていうかむずいので.誰や操作が下手なんやとか言ってるんは.済みませんその通りです.誰や頭悪うて謎が解けんのやろとか言ってるんは! ごめんなさいその通りです.ていうかこの城狭いくせにひろいから.ちょっとヤバイから.じゃなくて.まあ,よく出来てます.

_ところで雪駄さんはPS2を持っていらしたですよね.なら後はICO買うだけですネ! ちなみに実売価格は五千円程度でした.ていうか,問題なのはお金ではなくて時間ですか.でもまあ,そこらのゲームよりか早く終わるでしょうきっと.いや終わってないんで分かんないんですけど.あ,そだ.あとcomment te dire adieuもプレイしてください.別にプレイしてみてお薦めとか言ってるわけじゃなくてなんとなく悔しいので.いや,私も終わってないんですけどね.まあ,賢者様もプレイされてたようでなんとなく思い出したので.

● Jan. 12, 2002 (Sat.)

_日記に何書いていいか分からなくなってくる.いや,ほぼICOやってたんだからそれ以外の話題は無いってだけなのだが,さすがに連続でICO話題でもあまりよろしくあるまい.KISAさんに,毎日更新はモチベーションが下がった時に辛いですが云々ということを言われたような気がするが,実はその当時はそんなことあるかい,とか分不相応に強気なこと思ってた.始めたばかりの時で,モチベーションが下がるなんぞという経験もなく,順調に書いていた時だった.と思うのだけど,実際はもう忘れた.だけどさすがに一年以上もこうやって毎日やってると,やっぱりどれだけか書きたくない日も出てくる.どこにも毎日更新にこだわる意味は無く,そんなもの降ろしてしまえばいいのだが,もし降ろしたら私は多分何も出来なくなってしまう.日記を書くに当たってやっぱり励みになるのは読んでくれている人の存在で,私は好き勝手に自分の思ったことを書いているだけだと何度となく主張してきたけど,でも,それが出来るのは読者という存在のおかげであることを忘れてはいけないのだろう.重要なことのはずなのに,いつも忘れている.

_ICOは一週目終了.凄い.

● Jan. 13, 2002 (Sun.)

 NOTE:一応連載(19,20,21,ALL)

「仇を討て.僕を殺すといい」
 少年のはっきりとした声が耳に届いた.
「ようやく全てを吐いたか」
 一歩前へ進み,少年の前に立つ.
「この……」
 静かにナイフを振り上げる.
「馬鹿者がっ!!」
 叫ぶと同時にナイフが振り下ろされ,驚いたリーが駆け寄り,少年は目を瞑った.
 ――ガキン!
 ナイフは少年の頭の上を通り越して,壁に突き刺さった.
「……お前は責任逃れをするつもりか? 自分の決めたこともできないか? リーを引き取って育てると決めたのだろう? クレアが言ったのだろう? 魔道士としての役目があるのだろう!?」
 パン! と音がしたかと思うと,少年はスタンリーに頬を叩かれていた.
「ンなに簡単に死のうとするんじゃねえ! 魔道士としての役目とやらはどうした! 自分の決めたことはどうした!? 全部責任とってリーを育てやがれってんだ!!」
 思い切り大声で怒鳴って,そしてスタンリーは謁見の間から駆け出していった.
 リーがそれを追って謁見の間の入り口まで行くが,ふと振り向いて父親がまだ頬を抑えてしゃがんでいるのを見てまた戻ってきた.
「……スタンリーとやらに深く感謝するのだな.エヴァンス」
 リチャードの声が少年の耳に届く.
 リーは少年の杖が遠くに転がっているのを見つけると,それを取りに走って,戻ってきた.
「……はい,お父さん
 ようやく意味を理解したであろうその呼び方に,少年は泣き笑いのような表情を作って杖を受け取った.
「ありがとう,リー」
 そして立ち上がってリチャードの方を向いて,頭を下げた.
「ありがとう,リチャード」
 くるりと体の向きを回転させて入り口の方を向くと,また深く頭を下げた.
「ありがとう,クレア.ありがとう,スタンリー……」
 杖を持ち直し,リーの手を握る.
「……さあ,帰ろうか,リー」
 そして二人は歩き始めた.

END.

● Jan. 14, 2002 (Mon.)

「ねえ,お父さん.あれは?」
「ああ……空母ってやつらしい」
「くうぼ……?」
「それにしてもまた馬鹿でかいものを会場のために用意したんだな.彼らは.全く無茶をする.だがまあ……彼らにとっては造作の無いことなのかもしれないが」
「みんな,楽しそう」
「……そうだな」
「行こう?」
「無理だよ,リー.僕らは住む世界が違うんだ.唯一の接点はWayne氏……彼だけさ.だけど僕は,彼と連絡を取ることはできない」
「どうして?」
「……」
「ねえ,どうしてなの?」
「……何度も言うよ,住む世界が違うんだ,リー.もっとも,空母の上にいる彼らと僕らはとてもよく似た世界にいるとも言えるはずだけれど.でもその接続を彼が許さない限り,やはり違うものは違う」
「彼って……Wayne氏?」
「そうだな」
「どうして許してくれないの?」
「さあ……僕には分からないけど」
「じゃあ,何で,みんなが見えてるの?」
「……ふふ.そうか,ならばそれはWayne氏のサービスかな? 感謝しよう.少しばかりの干渉なら許してくれるかもしれない.リー,せっかくだから少しばかり飾り付けを綺麗にしといで.でもやれることはそこまでだよ」
「うん」

「誰にも気付かれなかっただろうね……いや,世界が違うのなら見つかるはずも無いか」
「……ううん.多分……」
「そう…….まあ,あとは僕らが何か出来ることじゃない.残念だけど.行こうか……」

● Jan. 15, 2002 (Tue.)

_なんじゃ,一体いつの間にこんな時間であるか.

_ICOは二週目まで終わった.エンディングを既に四回くらい見ている私.サウンドトラックは買おう.いい曲だ.ゲーム中殆ど曲流れないけどな.だけど鳥の声や風の音火の音水の音足音息遣いという見事なまでのBGM.静寂の脱出アドベンチャー.PS2持ってるならそれほど敷居は高くないと思うのだが,どうか.

_それにしても,惜しいこともした.まあ,いいが.

● Jan. 16, 2002 (Wed.)

_もう何がなんだか.楽しいことではないが,必ずあることで,むしろ歓迎すべきことであるのかもしれない.それが文化であり流行か.世はどのように変わってゆくのかは知らないが,無情だろうがなんだろうが時は流れていくのである.もしかしたら彼も同じように思ったのかもしれないが,私たちの力が及ぶ範囲ではないのだろう.それに,仮に力が及んでしまったとしたら,それもまたそれで面白くない.常に変わり続ける状況の中,自分がどのように動けるのか,動くのか,動くべきなのか,動かなければならないのか,いやそれとも動いてはいけないのか,という話かもしれず,なるほど,ならば人生は全てにおいてある意味ゲームだというのも頷けない事はないか.

_なんだか本当に微妙.私の足場はどこにあるんだろうという疑問が,ひどく強い.自分はどこに立てるのか,立つのか,立つべきか,立っていいのか,立たなくてはならないのか,立ったほうがいいのか,それとも足を踏み外して落ちてしまえとでも言うのか.足場がしっかりしているのかどうか確かめる手段もなく,そこが底なしの沼なのか,体重のかけ具合で割れてしまう薄い硝子なのか,それとも飛び上がっても崩れない頑丈な地面なのか,いやむしろ上げた足を下ろす場所など既にないのか.などといったところで意味不明なので無意味.そもそもこんなこと書いたって,あとで自分が読んだって何のことかわかりゃしないのに.でも書くことでそれなりに落ち着くのなら,むしろ書かせてくださいと断ってでも書きたい.疲れてるんだきっと.この際そういうことにして自分を納得させておこう.

_意味不明話はともかく,らむださん月陽炎開始の模様.とりあえずは悪くない評判のようでお薦めしたかいがあったというもの.というか,もっとも私が薦めるにあたって使用した判定基準はただ一つでしたけど.もちろん,自分でプレイしてよかったと思っていなければ多分お勧めしたりはしていないので,そういう意味では自分のプレイ感触も判定基準と言えなくもないですが,むしろこれは足切りの方面でしょう.全部終えてから"これは良かった"という感想をもたれるかは少々疑問ですが,少なくとも悪くなかったとまでは言わせます.ちうか言わせますってアンタそれ全然違う.いや済みません.ただ単にらむださんの日記読んでて多分気に入ってくれるだろうなと私が勝手に予想したに過ぎないってことです.感想は人それぞれだし,むしろどんな感想を持たれるのか楽しみですね.

● Jan. 17, 2002 (Thu.)

_やったっ.早瀬さんから10000Hit記念の壁紙貰っちゃいました.いつもいつも済まないねえ.ってなんか違う気もしますけども,2500の時にも貰いましたし,一周年の時も頂いちゃいましたし.最近トップ絵は早瀬さんから頂いたものばかり張ってますね.自分で何か描ければいいんですけど,世の中そんなに甘くないというか.いやこれでも幼稚園の頃はちったあマシな絵を.嘘ですウソ.ごめんなさい.そんなわけで今回もトップ絵にさせて頂きましたのことです.ホントありがとうです.

● Jan. 18, 2002 (Fri.)

_プロットを書こう.忘れてはいけないことは,そのプロットに沿って書くのは自分ではないということだ.

_複数人で何かを作るからには,お互いは補い合わねばなるまい.今回の特徴は人数が二人という点であって,ともあれその点を心にとめて有利に進めなければならない.自分が出来ることはどこまでなのか,パートナーは何が出来るのか.結局はどちらかがやらねばならいのだから,適宜適切な方がやるべきである.お互い足を引っ張り合うようでは二人でやる意味は無い.それに既にその失敗の経験がある.二度繰り返してはならない.重要なのはお互いの意見の擦り合わせである.たがそれは手間である.一人でやることの意義はその手間がゼロになることで,そのため無理に複数人で担当するより一人でやったほうが効率が良いこともありうる.今回もその部類に入りそうではあるが,お互いに不得手なものを補い合う関係に立てればそれを崩すことが出来なくはないだろう.それを崩す為には,お互いの意見の擦り合わせを効率よくやること,それから,お互いの出来ること出来ないことを良く見据えた上で,どう仕事を分配するかが鍵となる.意見の擦り合せには,メールやチャットといった手段が役に立ってくれることだろう.さて,私はパートナーの能力をどれだけ正確に把握できているのか.それにはどれだけ正確に欠点を見抜いているかも含まれる.また逆に,パートナーは私をどのようにみているのか.まだ出会ったばかりといって間違いないような私たちにそれが正確にできるだなどという幻想を抱くのはただの馬鹿でしかないが,努力は怠れない.

_それから.せっかくやるのだから楽しくやりたい.

_そんなこんなで,もう少し待ってください,一臣さん

● Jan. 19, 2002 (Sat.)

_キーは"押す"もんじゃねえ."叩く"もんなんでい.

_というのは単にキーリピートの効き具合の問題なような気もするが,それにしても一文字打つためにまるで壊れかけて効きの悪いテレビのリモコンのボタンのように思い切り押していてはやはりキーリピートは入るのである.指先で思い切り叩いたところでキーボードは壊れたりしないし,そんなことで壊れるようではキーボードたる資格は無い.私が初めて読んだ入門書にはそう書いてあったのだ.キーは"叩け"と.今でも適切な表現だったと信じている.

_まあ,"打鍵"とか言うからには"打つ"の方が適切な気もするのだが,そこはそれ微妙な言葉の違いである.少なくとも"押す"よりよほどいい.そもそもキーボードというやつ,これタイプライタから派生したものだったはずだ.私はタイプライタを触ったのは僅か数度でしかないが,それにしてもあれを使えば"叩く"という表現はかなり正しいことが分かるだろう.あれはかなりきつい.打つというより本気で"叩か"なければ印字されないのである.がしゃがしゃ音を立てる素敵な機械だったが,今の電子キーボードに慣れきった指には重労働だったもんだ.

_ところで,キーボードの打ち心地,というかむしろこの文脈だと叩き心地だが,これは結構好みの分かれる部分のようだが,個人的には軽めのキーが好きだ.ノートパソコンのキーなどは薄くて軽くなりがちだが,キーピッチさえ確保してあるならそれでも構わないと思うほうである.軽い方が楽で疲れないし,みたいなところだろう.ただ,キーを打ったのだという感触がないと辛いのも事実で,やっぱり微妙なところだ.何が言いたいんだ私よ.ちなみに打ち心地云々とは少々ずれるが,私は静かなキーボードの方がいい.今使っているHHK Lite2はかなり使いやすくていいキーボードだがどうにも打鍵時の音がうるさいのだけが気に食わない.聞いていればかっこいいのかもしれないが,よくミスタイプをしてリズムを崩してしまう私ではてんでダメである.

_で,結局軽めのキーが好きだとか言っているが,要するに叩かなくては入力できないような重いキーボードは疲れるからどうにもなあという話である.なんだ,冒頭の叩けっていう話はどうなったんだ.が,まあとりあえずキーリピートの問題なので,普段からキーボードを普通に使っている人間にとってはやっぱり打つくらいが丁度いい単語だろう.とにかく言いたいことはキーを"押す"のは止めれ,という程度の話である.ボタンは"押す"もんだがな.ぽちっとな.それはスイッチか.

● Jan. 20, 2002 (Sun.)

_そんなこんなで,とりあえずのところオーヴェルたちの話は一旦ENDの文字を置いた.主に自己満足,あとは少々習作の意味も兼ねて書いていたが,真面目に読んでいてくださった方には特に最後の方は辛かっただろうと思う.無理が祟ったとでも言うか,自己満足として書いていた本人すら辛かったのだから読んでいたらすぐわかったと思われる.実際らむちゃに出たらそのように言われ,やはりなと思ってしまったくらいである.読み返す気も起こらず読み返してすらいないからあまりすることに意味は無いのかもしれないが,多少なりと反省はすべきだ.

_途中から週連載という形にしたが,それはそうしなければ遅々として進まなかったし,また早く終わらせたかったなど,色々馬鹿馬鹿しげな思惑があったからである.それをしたことに関して自体は悪くは無かったのだと思っている.習作的な側面を出したいのなら,こうでもしないと私は書けないのだ.だが問題としては半ば義務感的なものが発生したことで,時間が無くなってろくに読みもせずアップロードしてしまうなどという事態が発生したことだ.完全に本末転倒である.これでは駄目だ.

_あと,文章力や構成力の問題は多々残っている.そもそも漫画的もしくはヴィジュアルノベル的に,視覚を頼ることを想定した間の取り方が多くて全然間が取れていない.普段から間が取れないから勢いも出ないし,また逆に普段に物足りなさがでてしまう.要するにそもそも描写が足りなすぎる.自分の頭の中でイメージが出来上がっていたとしても,それは文章という形で相手に伝える努力をしなければ伝わらない.当たり前のことだが肝に銘じるべきだ.語彙が少ないのも問題だが順次増やしていくより他仕方が無い.その場その場でいかに適切な語や表現が選べるのかは重要な能力である.世を知らな過ぎるのも馬鹿馬鹿しいが事実である.世間知らずっぷりは半ば開き直っている節があるが,少なくとも何か書きたいのなら弊害になろう.そして穴だらけの世界をなんとかする事だ.そもそも地理からして怪しげな世界などたかが知れているとも言う.地図すら描かずに適当に地名だけ並べていて何ができるというのだ.

_だが,終わらせない.プロになる気は無いが,多少なりとも何か書いてみたいという欲求はあるのだ.有り体に言えばやはり自己満足なのだろうが,それでも構うものか.

_叩けばぼこぼこと埃がたってどうしようもないものであるが,まだ続ける気はある.反省すべき点はそこらじゅうに見られるだろうがともかく少しずつでもいいからなんとかしていくべきだ.次は土曜書き日曜連載にしよう.そうすれば多少余裕を持てるだろう.あとは世界や描写,記号の使い方,その辺を気に留めて書けということになる.そんなこと言ったって所詮書いている人間は変わっていないのだから同じだろうが,やるだけはやってみろということだ.さあ,このヘタレにどこまでできるのか.

● Jan. 21, 2002 (Mon.)

_どもども.早瀬さん10000Hitおめでとう.ところでなんていうか早瀬さんとこのカウンタ読めないんですよ私.最近視力落ちてきたかなあ(そういう問題じゃない).ところで名前ありがと.勝手に載せて云々て話でしたけど素直に嬉しかったです.ちなみにKISAさんは全k...いやなんでもないです.なんでもないですってば.

_全然関係ないが得尊さんより推敲(押叩)という故事成語はこうして出来た(誤認).「キーは"押す"もんじゃねえ."叩く"もんなんでい」「プログラマは叩く,月下のキーボード」なんのこっちゃい.いや笑ったけど.

● Jan. 22, 2002 (Tue.)

_ICO,エンディング既に七回目か八回目.既に数えて無いのでよくわかんなくなったのだが.ラストセーブからエンディングまでそれなりの時間があるのだが,ようやく大分早くなった.操作ミスって落ちると戻されたり色々するので,いかにミスしないかがポイントになる.それを越えたら今度は効率の良い仕掛けの解き方.もちろん仕掛けの内容は全部知っているのでそれに迷うことはないのだが,どうすれば効率よく進めるのかはやっぱり別問題である.オフィシャルの掲示板でタイムアタックに挑戦してた方がいらっしゃったけれど,一体どうやったらあんなタイムが出せるのか不思議で仕方がない.私はラストセーブからエンディングなのに,タイムアタックの方ははじめからエンディングまでである.上手くすれば映画になるんじゃないか.もっとも,失敗がないとあんまり面白くない映画になりそうだけどな.それと,自分でプレイしないと分からない感動があるってもんだが.

_それにしても,どうしてまたこう何度もエンディング見ているのかと思えば,要するに私はYou were thereが聞きたいのだ.デモムービーとか色々聞けるところあるんだけど,最初から最後まで全部聞けるのはやっぱり今のところエンディングだけなのな.多分.早くサウンドトラック発売すれ.

● Jan. 23, 2002 (Wed.)

_そういえばExrougeってシリコンプレイヤーだから長さじゃなくてサイズなのよね.てことは,ファイルのビットレート下げてやれば音質は悪くなるけど記録時間は延びるわけじゃん.なるほど.ということに数日前に気付いたりした.移動中ならそれほど音質が気になるわけでもないし,せっかくだから沢山詰めて置きたいってことで,ビットレート落としてエンコードするのはいいのかもしんない.とは言うものの,そもそもこれに気付いたのは檻歌のBGMを入れようと思った時の話で,そもそもが22kHzだったもんであんまり高ビットレートでエンコードする意味もなかっただけなんだけどね.今度魔女のBGMも選曲するか.でも雫(Falcom)の曲はよく考えると全然覚えていないことに気付く.勿体無い.改めて聞いてみるといいかもしれない.

_ところで色々眠い.起きた時に頭痛がするってのはそれはそれでヤバめな感じがするのだが,まだなんとかなってはいるようだ.多分土日あたりに倒れるんじゃないかな.明日の朝起きられない可能性も考慮に入れなければならん気もするが,明日と明後日は起きないと致命的な気がするのだ.土曜日に倒れるのもそれはそれで嫌なのだが,明日明後日よりマシと信じよう.逆に意外と土曜日には復活してたりしてな.むしろそうだといいなあ.

● Jan. 24, 2002 (Thu.)

_最近は絵本も動くらしい.曲も鳴るし.なるほど,マルチメディアなる言葉はこういうものを指すのですか.今後どうなっていくのか面白そうではあるところか.

_使ったこともないのにRuby語る.というか,本屋でぱらぱらとRubyの本を10分くらい眺めただけなのだが.なるほど,結構素敵な言語のようだ.というか,このオブジェクト指向っぷりは素敵である.大体"string".lengthとか使えるってところがなんとも.噂によるとif文まで値を持つらしい.Perlを見たときも色々驚いたが,これもそれはそれで驚ける.これからはRubyの時代だとかそういうことはともあれ,使えれば便利なのは間違いなさそうだ.

_見た感じ"プログラミング言語"というのならPerlよりRubyという感じはしないでもない.そもそも変数名に$をつけなくては使えない,というかそれこそが命のPerlと違って可読性はかなり向上しているように見える.正規表現も用意してあるようで,C/C++なんかよりもある意味高級言語だ.だけど"スクリプト言語"とかいうのならよほどPerlという気がする.まあ,スクリプト言語なんぞという単語使って何を思い浮かべるかは人それぞれかもしれないが,とりあえずシェルスクリプトのすんごい偉いやつ,という程度で考えてほしい.ていうか,そもそもからしてPerlはプログラミング言語なのかという疑問はもっともな気がする.むしろawkのすんごい偉いやつ,程度の認識の方が良いのではないか.だとすればRubyと比較するような位置にはいなさそうである.プログラミング言語として土俵に立たせるには少々可哀想だ.

_うーん.偏見ありまくりだろうなきっと.使ったこともないのに色々言われてRubyも迷惑してることだろう.だが,PerlもRubyも,プログラミング言語とスクリプト言語として中間の位置にいる上で,Perlはスクリプト言語寄り,Rubyはプログラミング言語寄りという印象を受けたのは正直なところだ.まあ,第一印象とでも言うと正しい.今のところ言いたいことは,使い分けようの一言である.

_...とか言いつつ,あとでRubyのオフィシャルを見に行ったらオブジェクト指向スクリプト言語とか書いてあって困ったのは秘密だ.やはりPerlと並べていい存在なのか? むしろ逆なのか? 疑問だ.やはり使わなくては分からん.そのうち使ってみよう.

● Jan. 25, 2002 (Fri.)

_うお.文月さんてば私の第一印象にそんな反応せんといてください(笑).むしろ第ゼロ印象とでも言うべきものを情報云々とか言われるとちょっと困っちゃいます.まあ,いずれにせよ面白そうなことは間違いないですけどね.ところで私はWindowsな人なんですがどーにかせめてDOS窓程度で動いてくれるRubyはないんでしょうか.cygwinなら動いてくれるみたいなんですけどあれどうにも使い辛いし.贅沢言うなってか.はう.

_あと気になっているのはニシキヘビ,Pythonですかね.この括弧なんかなくしちゃえっていうコンセプトなのかなんなのかよくわかんないけど実に素敵.エディタからデバッガまで開発環境が揃うなら面白そうですけど,私の肌には合わないのかも知れず.確かに読みやすいのかもしれないですけど,Cの括弧と文末記号に慣れすぎたというのもあって,私が見るとどうにもなあという気がとても.ニシキヘビ飼うくらいだったら真珠か紅玉の方が綺麗でいいかなという程度な気はします.そもそも生き物はねえ.ってそういう話じゃないでしょ.それにしても真珠ってPearlですから一字足りませんよね.紅玉もニシキヘビもそのまななのに.え,どうでもいいですか.そうですか.……ちょっと残念.

_ていうかコンパイラはないのかよコンパイラは!

● Jan. 26, 2002 (Sat.)

_今日はバックアップがいかに重要であるかをまた認識する日だった.損害率5%といったところか.良かった,ホントに.今後もバックアップを怠らないようにしよう.というわけで復旧作業に戻る.

● Jan. 27, 2002 (Sun.)

 NOTE:連載予定(ALL)

「はいっ,どなたでしょう?」
 スタンリーが扉を叩くと,中から元気のいい男の声が聞こえて,酷く記憶との不一致を覚えた.確かに14年も経っていれば記憶の齟齬は発生するだろうが,それにしても変な気がする.と思っていたら,中から現れたのは顔立ちのいい青年だった.まだ歳若く見える.恐らく20前後であろう.真っ黒のローブを纏い,少し長めの黒い髪をうなじあたりで束ねていたが,その瞳の色は濃い青で,肌は色白だった.
「おや.青の髪ということはザーヴィアの方ですね」
「ああ,まあ,そうだが.ところでリーは居るか?」
「ええと,リーのお知り合いさんですか.居ますけど,いや,その.ちょいと取り込み中でしてね」
「取り込み中? 何かやっているのか?」
「うん,多分授乳中」
「……は?」
 かなり間の抜けた返事をしつつ,授乳とは一体何を示すのかとしばらく考え込んでしまうスタンリーだった.そんな風に彼が考え込んでしまっているうちに,奥から声が聞こえてきた.
「アラン? お客さんなの?」
「あ,うん.君を尋ねて来てくれたみたいだけど,知り合いなの?」
 奥から乳飲み子を抱えた女性がやってくる.アランと呼ばれた青年が脇に退いてその女性の姿が良く見えるようになると,一瞬,自分は過去に戻ってしまったのではないかと思った.長い銀の髪,真っ白の肌.白くて足元まである長いローブを纏うその姿はまるで,今は亡き妹クレアそのものかと思えた.だが目の色だけがスタンリーを現実に引き戻す.それはクレアの持っていた赤ではなく,済んだ青だった.
「リー,か? リーなのか?」
 とても信じられずに尋ねてしまう.それに対して銀の髪の女性は頷いたが,怪訝そうにしていた.スタンリーの顔の記憶を必死に探しているのだろうが,果たして当時4歳だった彼女がどこまで覚えているだろうか.
「そうか.リーか.これではまるでクレアだな」
 苦笑して言うスタンリーに,驚いて目を開くリー.
「え……?」
「さすがに覚えてないか? スタンリーだ.クレアの兄,お前の伯父だ」
「あ……スタンリー? やっぱりスタンリーなのね? もちろん覚えてるわ.青い髪をしていたからもしかしたらとは思ったけど……あ,アラン,アヴェンお願い」
 リーはそう言って抱えていた乳飲み子をアランに渡し,スタンリーに近づいてお辞儀をした.
「お久しぶりです,スタンリー」
「なんだ,覚えているのか.当時四歳ではなかったか? ませすぎだそれは」
「あら,それは仕方ないのよ.魔道士の娘だもの」
「そうか.それにしてもリーよ,なんだ,アヴェンといったか,その赤子はお前の息子か?」
 今はアランの腕に抱えられているアヴェンを示して言う.
「そうよ」
 微笑んで即答するリー.なるほど,母親の顔か.
「エドよりは遅いのだな.まあ一般的にはまだ早い気もするが.それにしても,それではアランと言ったか,君は何者なのだ? 赤の他人に赤子を預けるとはとても思えんのだが」
「わっ.心外ですねスタンリーさん!」
 アランが抗議の声を上げた.
「まるで父親には息子を抱く権利が無いみたいじゃないですか.そんなの酷いですよ」
「は? 父親だと? それはどういうことだ?」
 さらに混乱して顔をしかめるスタンリーに対して,リーがくすくすと笑い始めた.
「あら,やだわスタンリーったら.子供っていうのは普通母親と父親が居るものではなくて?」
「それは,そうだが……」
 さらにしかめっ面をするスタンリー.
「もう,お父さんのせいね,まったく.言っておきますけど,アヴェンは私の実子よ,スタンリー?」
「むむ? ……まさか,お主ら,夫婦か?」
「そうさ! そしてアヴェンは僕らの愛の結晶……」
 アランが言い終える前に,リーが素早くアランの口を塞いだ.
「もう! どうしていつもいつもこう恥ずかしいこと言えるのかしらねこの口は!
 ……まあ,いずれにしても,そういうことですけどね」
 恥ずかしそうに苦笑しながら答えるリー.
「なんと……そりゃ,また……あ,いや.こういう時はなんと言うべきなのか良くわからぬぞ」
「いいわよ.別に何も言ってくれなくても.とりあえず中に入る? こんな時間ってことは泊まっていくのよね.アランいいわよね?」
「もちろんさ」
 そう言うとアランはアヴェンをリーに手渡して,家の中に入っていった.
「さ,スタンリーもどうぞ?」
 招き入れるリーに,スタンリーは少し躊躇した.
「いや,別に泊めてもらうつもりはなかったのだが」
「え,でもアランったら,もうあなたの分の寝床用意してるところよ?」
 笑って言うリー.
「……確信犯か」
 リーはそれには答えずスタンリーを招き入れ,そしてスタンリーは遠慮がちに入っていった.

● Jan. 28, 2002 (Mon.)

_Whileはbreak出来ないって話ですけど,VisualBasicはOldな(行番号付の)BASICよりもむしろQuickBasicの後継に当たるので,While文は「Do While (条件) ... Loop」か,「Do ... Loop While (条件)」が流儀だったように記憶してます.もっとも,条件全体にNot付けるのが面倒ならWhileの代わりにUntilとも書けますが.ていうかこれWhile文じゃなくてDo文っていうのかもしかして.いずれにせよこの4パターンならどれでもExit Doでbreakできたと思います.でも確かに,昔ながらのWhile Wendでも書けるのにこっちはbreakできないみたいですね.なんかとても謎.

● Jan. 29, 2002 (Mon.)

_驚いた.何気に突然住所を確認され,何かと思いつつもそうだと言うと,どうやら昔引っ越した知人が今の私の住所の近くだと言うのである.だが,私の世界はかなり狭いので,まさかその人を知っているはずもあるまいと思っていた.が.名前を聞いて驚いた.というかつい笑ってしまった.そりゃもう,それなりによく知っている人物である.まったく驚いたことで,人の繋がりとはまた妙なものだと実感した次第である.むしろ,そんなもん,なのだろうか.

_ただ,何気に悔しいのは,今回住所を確認してきた人が女性で,その引っ越したという人が男で,そんなこんなでつい二人が並んで歩いているところを想像したら何気にお似合いな気がしてしまったところである.あいつめ,10年の昔に彼女作っていたとは! というのは誤読だろうが,それでも「それなりに仲良かったと思うのよ」なんて言ってるところがまた微妙である.世の中にはそういうこともあるのか.今度冷やかしてやらねばならん.

● Jan. 30, 2002 (Wed.)

_なんともはや,文字の大きさがすべて語っていた.いや,もちろんうだうだ書いていた当時ここは知らなかったのであるが,こうやってしてみれば私がなにやら言うことでもなかったわけである.

_とりあえず色々プレッシャーをかけられたのでインストールはした.ちゃんと動いているようには見える.

● Jan. 31, 2002 (Thu.)

_まだ殆ど使ってもいないのに語るRuby.まあ既に私が何か言うようなことでもないのだけど.とりあえず,いい言語であることは間違いないと思う.Perlのように気楽にかけて,C++よりもオブジェクト指向を徹底してる.イテレータもよく分からんがちゃんと使えるようになれば便利に違いない.問題なのはインタプリタってことで,やはりコンパイラと比べたら実行速度でかなわないことだ.あとDOSだとちと一部の機能が動かないみたいな感じなことも.それでも,DOSで分割できるようにThreadが実装されているだけ凄い.

_いずれにしろ,Rubyは良くも悪くも若いといったところ.若いが故にPerlのように文献やTipsが揃っていないのは色々辛いところだが,それでも若いだけあって,新しいやりかたが取り入れられていたりして使いやすいのは間違いない.

_ところで,私にとってなによりも嬉しいのは,要するに国産であることである.母国語で1stドキュメントが読めるなんぞこんなに幸せなことがあっていいのか.むしろ英語読めないお前が悪い.すんません.いずれにせよ,Perlを勉強したことは無駄にならないし,C++である程度慣れているのでオブジェクト指向にも特に違和感が無い.こんなんだったら,とりあえず一冊適当に見繕ってくればすぐに使えるようになるだろうという感じだったが,よく考えたら1stマニュアルが母国語である利点を活かさないわけにはいくまい.確かに読んですぐ分かるようなものでもないかもしれないが,それでも読めないよりマシだ.しばらくはオフィシャルのマニュアルで頑張ってみよう.


【<旧日記】【一覧】【新日記>】
[Top] > [Records February, 2002]
管理者:Wayne mail address