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Platitudinous Records June, 2002

【<旧日記】【一覧】【新日記>】

● Jun. 1, 2002 (Sat.)

_結局のところ,プログラマの仕事を全うするより前に物書きとしての仕事を全うせよという話もあるような気がするのだが.それでもどっちかっていうと物書きよりもソフト屋よね私は.物書けてないのに物書きってどうなのっていう.だからといってプログラムが書けてるかどうかははた怪しいわけだけど,それでもまあ,物書きちうよりはマシだとな,思うわけで.ところで関係ないんだが,なんていうか,私はソフト屋であってハード屋じゃないのん.何でそんなにハードに近いところに呼びますか.かと言ってハードから遠いところは遠いところで大変なんだけど.実は向いてるところって,ハードに近いソフト屋なのかもねと,思ってしまったりもするのだけど.それはただの弱気かしら.

_これでも随分プログラムって言ったら書いてるんだけどね.ポインタにも随分慣れたつもりなのだけどね.ポインタ系の初歩的なミスを二度ほどやらかしてお前ホントに大丈夫なんだろうなという勢いで.落ちる落ちる.初期化されてないポインタのアクセスが原因でありました.SSHでひっ繋いだFreeBSD上での開発だったんだけど,なんか落ちるとログに残って恥ずかしいのよね.signal 11って何かなと思ったらsegmentation violationだってさ.でも落ちるだけマシなのかもしんないと,Windowsな私はちょっと思ったりしたり.落ちないでそのまま実行されてあとで不安定とかと比べたらどんなにかいいことか.そんなの比較にならねえ.まあ,要するに何か悪いところがあるならコンパイル通すなっていうのと似たようなもん.

_ところで,printf()って実は%s書式指定にNULLポインタ渡してもちゃんと(null)って表示してくれるんだね.知らなかった.実は結構便利なんじゃないのこれ.なんていうか実はWinAPI漬けでWindows癖が物凄くて,Cの標準ライブラリって実はあんまり使った事がないのだ.だから,実はCの文字列操作関数が結構便利だったなんて事も,知らなかったりするのだ.今まで自前でやってたのが馬鹿みたいである.しかしそれでもやっぱり時々ふとPerlの正規表現を書いてみたくもなる.まあ,仕方のないことか.

_デバッグとは恥ずかしいものだという文月さんの言に恐ろしい勢いで納得してしまったのことでありました.

● Jun. 2, 2002 (Sun.)

NOTE:連載(16,17,18,ALL)

 しばらく岩の周囲を歩いて見つけた洞穴はかなり大きかった.しかし入り口も同時に大きかったし,日の光が丁度入ってきていたから,明かりは特に用意しなくともかなり明るい状態だった.
 もしかしたらここにお父さんが居るかもしれない.
 はやる気持ちを抑えて進んでいくと,何か大きく透き通った水晶のようなものが見えてきた.それが何なのか,遠目ではあまり良く分からなかったが,近づくにつれてその中には人影が見えることに気付いた.さらにしばらくすると,その人影は杖を持っていることが分かった.しかも,かなり派手な装飾の杖.そうだ.そんな無駄もほどほどにして欲しい杖は世界に一本しか存在しない.
「お父さん!」
 そう,あれは父親の持つ魔道士の杖だ.そこに居るのが父親だと確信してリーはそこに向かって駆け出した.やっぱりここに居たのだ.世界に近しいところ.もう少しだ.もう少し.あと,もう少し.
 なのに.
 どこからか分からない.だが自分の行方を阻むかのように現れた大きな蜥蜴は二枚の翼を背に携えていた.
「竜……」
 やはり阻まれるのか.竜に.世界の代理能力を与えられたというこの種族に.
「何用か」
 竜の声が聞こえた.聞いたこともない声.人の言葉と分かるのに,しかしどこか違和感のぬぐえない声.これが竜という種族なのか.その大きさもさることながら,その能力は計り知れなかったように思った.殆どの魔法が無効化され,そもそも物理的な衝撃は試すまでもなくこの種族には効力を成さない.そんな世界による保護に隙間があるとしたら,それは世界の気まぐれか,竜本人か,それこそ世界自身しかない.しかしまた逆に,それが故に竜それ自身が何かを成す事もない.
 とはいえ,これらの知識は文献によるものでしかない.どこまで正確なのかすら,わからないのだ.
「お父さんを返して!」
 無駄と知りつつ竜を見上げてそう叫んだ.
「確認をしよう.オーヴェルの魔道士の杖を継ぐ予定の存在.名はリヴィア」
 確かに.
「そうよ」
「ならば知り得ているはず.義務を全うしなかったオーヴェルは世界より千年の時を凍らされた.解放されるのは千年の時が過ぎる以外に有り得ない」
「そんなの知らないわ.返して.私のお父さんよ,それ以外の誰でもないわ!」
 無駄か.全ての言は無駄なのか.
「それは主にとってででしかない.世界はそう見ない」
 しかし,言が無駄なれば別の手段を考えるのみ.強制的に相手を排除する.
 一つだけ.一つだけだが,自分にも扱える.禁術に指定された魔法だ.
「どうして…….どうして返してくれないの?」
 その禁術.それが何故禁術に指定されたのか.
 理由は簡単だった.
「誰も返さないとは言っておらぬ.ただ千年の時を待て」
 それは,世界の代理能力を与えられれたという,
「何を言っているのか分かってるの!? 人の身に千年の時が何を意味するか分かっているの!? 返して! 返してよ!」
 竜への,
「我には何も出来ぬ.それに父親と言えど主のモノではないぞ」
 対抗手段となり得るからだった.
「返してよぉっ!!」
 ――竜に向かって雷が落ちた.

● Jun. 3, 2002 (Mon.)

_数年前の感覚がふと戻ってくる.この感覚だ.どうして忘れていたのか.何か新しいことが始まりそうな予感が心地いい.ずっと忘れたくない感覚が,でも,長続きしないこともまた知っている.そして,今は,とても残念だがそういったことをしていられる状態ではないのだ.全てを無視して,私を地へ縛ろうとする重力を無効化して,あの大空へ,どうか.飛び立てたなら.だけど,それもまた,錯覚でしかないことを知ってしまった.そうやって,知ってしまったと馬鹿げた縛りをかけなければいいのに.それを知らなかったあの頃のように,錯覚でいいからもう一度飛んでみたい.

_話は全然関係ないが.IRCトークシミュレーション.楽しい.いやもう,なんだかんだ言って楽しい.そもそもボードゲームのルールをそのままIRCで出来るように持ってきただけなので,実際にボードでプレイするより遥かに面倒だし,やりにくいのだが,というか,それ以前に私がプログラムしたので大した出来でもないのだが,それでも根っから私はこういうゲームが好きらしい.相手が人間であることもまた,そう,心持たぬコンピュータではないというそのことが,否応無くゲームを盛り立てる.

_二つの楽しみ方がある.一つは少人数でシミュレーションゲームとして楽しむ方法だ.出来れば一人で一つの軍を扱えるといい.自軍の全てのユニットを自分で動かす.ユニットの連携,先読み,計算.いわゆる将棋やチェスのような楽しみ方になる.相手との腹の探り合い.あくまでコマはコマとして扱い,時にはコマを捨ててでも,自軍を勝利に導こうとするその狡猾な計算を楽しむ仕方だ.

_もう一つは,多人数でロールプレイングゲームとして楽しむ方法だ.出来れば一人が一つのユニットを担当できるといい.たとえ自軍内でも,ユニットひとつひとつがそれぞれの意思を持ちばらばらに行動する.そして,そうでありながらも統一した目的である自らの軍の勝利へと向かい行動する.考えているのは一つの脳ではない.ユニット間の連携,作戦は直接の会話により練られることになり,いかに連携が取れるかが勝利の鍵となる.ピンチの時に助けに来てくれる仲間,時には身代わりになって散っていく仲間.自分をひとつのユニットに投影し,仲間と協力して,自軍を勝利に導くその綿密な連携を楽しむ仕方だ.

_人が少ない時には前者の,人が多い時には後者の遊び方が出来るといいだろう.そしてまた,別の楽しみ方があったっていい.沢山の可能性が残ったなら,そのつもりでプログラムを書いた私としても本望である.

_そんなわけでってどんなわけだがアレだが,シミュレーションつながりで久しぶりにFalcomのVantage Master V2を引っ張り出してきてみた.相手はまあコンピュータだが,やっぱ楽しい.先ほどの話なら前者のゲーム.しかも敵の思考ルーチン以外に乱数要素が一切ないので,殆ど将棋やチェスに近い.そう,いつかの私はずっとこれを見ていたのだ.かなり久しぶりだったのであまり戦えないかと思っていたが,Normal序盤で数レベル差くらいならいくらでもあしらえる程度の勘は残っていたようだ.が,中盤であっさり詰まった.まあ,勘もなにも,そもそも下手なんだが.

_ところで,いつぞや月陽炎を勧めた人にもう一度,今度はこれを勧めたい.もっともそれなりに古いゲームになってしまったし,そろそろこれを基礎にした新しいVM Japanなるものが発売されるようなので,そちらがいいだろうと思う.私はあの和風は好きではないどころかむしろ嫌いな部類なのだが,それでも,ゲームとしての出来を信じて買う気になっている.常套句の貧乳とかもうそんな話ではない.純粋にシミュレーションゲームとして,ひとつ,どうだろうか.

_ついでだからうたわれるものも追加しとく.数キャラは貧乳などと常套句で釣る作戦.あ,でもその前に電話代は払ってくださいね.妹さんに心配かけないように.

● Jun. 4, 2002 (Tue.)

_ダメだな.まあ全部自業自得だしどうしようもないのだけど.決意したと思ったのに.半日の後にそれをあっさりと翻してしまうなんて.馬鹿もいいところだ.もちろん条件が変わったからに他ならないのだけど,馬鹿は馬鹿だよ全く.それと,にわかに忙しくなるのはもう少し後.なんていうかどこぞの原稿の締め切りときっかり同じなところが,もう,なんとも.原稿書くだけだったら丁度よかったのだけれど.でもまあ,忙しいうちが幸せに違いない.もうどうにでもなれってことだ.やらねばならぬこと全て放置しておきながらもただ逃避して時間を潰すだけなのなら,やらねばならぬこと全て放置しないとやっていけないくらい忙しい方がいいんだきっと.一見矛盾してるような気もするけど,とりあえずはこれで正しい.大空を飛べたらいい.でも,どこに行っていいのかわからないよ.

_しゃべりたいことはたくさんあったはずなんだけどなあ.ああ,でも.なんかもうぼこぼこで何喋ってんのか怪しげな状態の私の話に今朝遅くまで付き合ってくださった文月さんに感謝を.そして始めのうちしばらく居てくださったらむださん二世さんにも.なんだかとても嬉しかったです.何で礼を言われてるのか分かんないかもしれませんけど,状態が状態だったので,誰かが話を聞いてくれるというのはとてもありがたかったのです.結局のところ,したかったのは話の内容についてではなくて,話そのものだったのですから.

_無駄に焦りたがってる.焦ることが楽しいのかね.ああ,いや.本当にそうなのかもしれない.ねえ? 楽しいじゃないか,こうやって焦ってみるのも.別に珍しいから面白がっているわけでもないけどね.純に何かに被るんじゃないか.分かりやすく言ってみせれば,セイギノミカタはピンチに陥らなきゃ盛り上がらないんだよ.そういうこと.そして残念なことに,そこから這い出せないのが,セイギノミカタとやらでない自分だね.そゆとこね.馬鹿げてんのはさ.

_色々物凄い違うんだけどもうキニシナイよ! 日付変わるまでにあと何分もないしね.

● Jun. 5, 2002 (Wed.)

_きゃっほう! などともうなんだかハイテンション.でもでも,そもそもの英単語tensionって緊張とか電圧とかそういう意味じゃなかったかしら.high tensionで高電圧かな? わお.なんだかもうどうでもいいねっ.

_自分にやれることがあるならやらなくっちゃ.やれるだけのことはやらなくっちゃ.別に意味なんて無くてもいいけどさ,あったらあったで嬉しいもん.別に目的なんか無くてもいいけどさ.あったらあったでやりやすいじゃない.別に理由なんかなくてもいいけどさ.あったほうが分かりやすいよ.ねえ.

_ふと思ったんだ.読んでてつまらないよねっていうのは言い訳なんだよきっと.もう,こんな雑記だとか日記だとかそんなのを読みに来てくれてる人なんてね.大抵はその人の書く文が読みたいだけで,内容なんてどうでもいいんだよ.そうじゃない? どうでもいいなんて言ったら言い過ぎかもしれないけどさ,それが本質だと思うんだ.それでも読者に対してどうこう言うのは,自分が書きたいのか書きたくないのか,つまりそういうことなの.書きたくないこともあるよ.人に喋りたくないことだってある.でもそんなことばっかり考えてて,何か書こうと思ったらそんなことばっかりになっちゃって,だけどそんなこと書きたくないから悩むんだ.何書こうかなって.だから自分が書きたくないことに対して,そんなの書いてもみんな面白くないよねって.もっといつもの調子で書いて欲しいよねって.そうやって思って自分に書かない理由を与えるわけだよ.誰だって不調な時くらいあるんじゃないの.そんなのみんな分かってる.時々変な話題があったって誰も怒らないよ.気をつけなきゃいけないことは,やってはいけないことをやらないようにするってことだけ!

_書く人には書く人の都合があるさ.そして読む人には読む人の都合がある.そういうもんだ.仕方ない.

● Jun. 6, 2002 (Thu.)

_追い詰められると何しだすかわかんないって言うか.オマエ最近あんまり寝てないだろう的な気分も.微妙.実は寝らんないから寝てないんじゃなくて寝たくないから寝てないというそれはどうなんだ.別に今時寝るのが怖いとかは言わないがね.起きていたいの間違いかも.似たようなもんか.

_そいえば,どうやらFalcomからVM Japanのデモムービーが配布され始めたらしい.見てみてたがこれではどんなゲームかイマイチ分からないわい.分からないけど,まあ,Vantage Masterそのものは知っているので,見てればそれなりに遊べそうという具合には.画面解像度は少々心配かなあ.SXGAでは少々手狭だとかいう話だけれど,いくらなんでもそれはFalcomにしては随分な高スペック要求な気が.液晶ディスプレイだからUXGAは用意できないんよ.もっともCRTだからってそう簡単には用意できないけどさ.あと,何気に初回版は特典を売ってるんだか本編を売ってるんだか分からない具合な雰囲気も相変わらずというところか.

● Jun. 7, 2002 (Fri.)

_はいはい.寝てないので色々気分が大変なことに.さっき風呂で意識が跳んだ気もしないでもないのですけど.生きててよかった.のかどうかはまあともかくとしても.あと目が痛いです.寝てないとだめですね.色々.

_そういえば,ONE卒編集長入院されるのだそうで,こういうとき一体何を言えばいいのやらよく分からないのですが.ともあれ,お大事に.

_体がどっか悪いって言うのは色々大変そうです.現実問題私入院なんぞしたことないものな.点滴経験もないし.医者嫌いで逃げ回ってる節もなきにしもあらずで一度医者に捕まったら大変なことにとかありかねんけど.大丈夫だろ多分.逃げ回れてる間は.それどうなんだ.まあでも,そういう意味では恵まれた人生送ってきてるのかも.遥か昔には入院して学校休みっていうその単純な理由とか,そのほか色々で入院とやらに憧れてみたこともあったけどね.でもそれ,なんていうか,無意味.確かに学校からは開放されても,病院では学校よりも厳しい時間制約が掛かるのだから.入院なんてせんですむのならしたくないもんです.そうだ,彼はなんと言ったのだったか.

忙しい時間がなけりゃ、ひまは自由時間にはなりえないからな。

_全く.そうなのだろうな.

_とにかく,本当にお大事にしてくださいまし.

● Jun. 8, 2002 (Sat.)

_馬鹿なことやってると間に合うものも間に合わなくなっちまうぞ.なんかどっちも焦り風味.片方は楽しげに焦り片方はヤバげに焦りだ.なんつってると意味不明だぞ.ていうか,もう少し余裕持ったれ.な.頼むから.

_せっかくだからみんなを探してみるぞっ.

_で,そんなことやってると結局間に合わなくなるんだな.はぁ.呆れたもんだ.でもでも.せっかくなのに.せっかくなんだよぅ.いいじゃないかよぅ.そう,とりあえず願って.

● Jun. 9, 2002 (Sun.)

NOTE:連載(17,18,19,ALL)

 なんと言ってよいのか良く分からなかったが,とにかくその巨大な岩に空いた洞穴は,これまた結構な大きさだった.明かりも用意せずずんずん進んでいくリーの後ろをアランはずっと追いかけていたが,ふと,先に大きく透き通った水晶のようなものを見つけた.
「人?」
 しかも,中には人が居るように見える.黒く長い髪をうなじあたりで纏め,白いローブを纏い左手にはかなり派手な装飾のなされた杖を持った女の人のようだ.何でまたこんなところに居るのか,しかもなんで水晶みたいなものに閉じ込められているのかさっぱり分からないが,あの装飾の多い杖はどこかで見たような,とにかく何か記憶に引っかかっていた.
「お父さん!」
 が,リーがそう言って走り出したのにアランはぶったまげた.
「ええっ!? お母さんの間違っ……!?」
 慌てて口を塞いだが,遅かったというよりはその必要も無かった.リーは全然聞こえてないようで,どんどん先に行ってしまう.
 しかしリーがその場所にたどりつく前に.まるでリーの行方を阻むかのように無機質な翼を持った大きな蜥蜴が現れた.世界の代弁能力を与えられたといわれる種族.竜だ.
 ――竜!?
 そういえばリーの話の中にそんな名前が出てきたような気もする.が,まさか本当に目の当たりにするとは思っていなかった.リーを信用していなかっただとかそういう問題ではなくて,単にあまりにも現実味がなかっただけだ.
「何用か」
 不思議な違和感を感じる声が聞こえた.どこが変なのかはあまり分からない.だが人間のそれとはまた異質の声だった.
「お父さんを返して!」
 目の前に立ちはだかった竜を見上げ,リーはそう告げた.全く無茶をする.それとも何か考えがあるのだろうか? でなければこんなところへ来たりはしないか.しかし彼女はどうにも父親のこととなると無茶をしすぎるような気がしないでもない.もちろんそんなに知っているわけでもないのだが,図書館の地下の時もそんなではなかったか.
「確認をしよう.オーヴェルの魔道士の杖を継ぐ予定の存在.名はリヴィア」
「そうよ」
 リヴィア? リーというのではなかったのか.いやそんなことより,魔道士とはまた,何で.
 と,そこでアランは気付いた.そういえば何か言っていた気がする.彼女の父親は世界に近いところにいた,と.そうか,魔道士のことか.詳しくはアランとて知らないが,世界に七名しか存在しないという,確か,強大な魔力を持った魔法使いのことだったか.
「ならば知り得ているはず.義務を全うしなかったオーヴェルは世界より千年の時を凍らされた.解放されるのは千年の時が過ぎる以外に有り得ない」
「そんなの知らないわ.返して.私のお父さんよ,それ以外の誰でもないわ!」
 もう一つ気付いた.杖だ.水晶のようなものの中に閉じ込められていた人が持っている杖.あの派手な装飾,どこかで見たと思えば,もしかして魔道士の杖か.本で図を見ただけで記憶はおぼろげだし,むしろ全然違う気もするのだが,それでもどこか雰囲気がそう思わせる.
「それは主にとってででしかない.世界はそう見ない」
「どうして…….どうして返してくれないの?」
 リーの声が震え始めた.それが何によるものなのかはよく分からない.恐怖ならば初めからそうであってよかったはずなのに.
「誰も返さないとは言っておらぬ.ただ千年の時を待て」
「何を言っているのか分かってるの!? 人の身に千年の時が何を意味するか分かっているの!? 返して! 返してよ!」
 いや.声が震えていることの理由は怒り,か.父親を返してもらえぬことに対しての.もうただ悲鳴としかいいようのない叫び声が洞穴の中に響き渡った.しかし,彼女の父親が囚われている理由については良く分からないが,いずれにせよ相手が世界や竜なのではリーの方が分が悪いような気がするのだ.ひとまず無茶なことはしないでほしいが.
「我には何も出来ぬ.それに父親と言えど主のモノではないぞ」
 と思った矢先,結局リーは思いもよらぬ無茶をしたようだ.
「返してよぉっ!!」
 ――瞬間,視界が白に染まりきった.
 何の呪文も,予備動作すらもなしに彼女は魔法を発動させたらしいのだと,しばらくして気付いた.ぜんぜんそんなそぶりを見せなかったから,まさかこんな無茶をするとは思いもしなかったのだ.この魔法はもしや,禁術ではないか.竜への対抗手段となり得るが故禁術とされた魔法.名はただの自然現象と同じ名が付けられている.
 雷,と.
 だが使う者が使えば馬鹿にならない威力を発揮する.真偽の程は定かではないがしかし遥か昔には国一つを吹き飛ばしたという逸話が残るくらいだ.並大抵ではないはずである.術者の身だって危ないし,良く考えたら自分だって危ない.
 慌てふためいてる暇すらなかった.とにかく無茶苦茶な爆風でアランはそのまま洞穴の外へ向かって思い切り吹き飛ばされた.もし吹き飛ばされた先が洞穴の入り口でなく壁だったら,命があるかとかそういう話ですらなくなっていたところだ.体まるごと吹き飛んでいたっておかしいものか.
 アランは随分と長い時間飛ばされているような気がしてならなかった.いや,むしろ意識があっただけ奇跡みたいなものだ.このままではいずれ砂の上に叩きつけられる.だがもう,今更制御できるような状態でもなく,アランはただ,叩きつけられた時に変な風に引っかかってしまうのを避けるために杖だけなんとか手放した.あとはもう出来ることもなくて,ぶつかるのが突き出た岩でないことを祈るだけだった.いやむしろ砂の上だってごめんだ.こんな状態ではどうなることか.しかし永遠にぶつからないわけにもいかないわけで,もうなるようにしかならない.
 アランは結局かなり浅い角度で砂の上に叩きつけられ,そのまま跳ね上がりもう一回叩きつけられた.何度かそんなことを繰り返すうちに勢いが殺がれてごろごろと派手に転がるようになり,ようやく酷い姿勢のまま止まったのだが,そもそも初回に叩きつけられた時に本人の意識なんぞ雲の上まで跳んでいたので本人はそんなこと知る由もなかった.

● Jun. 10, 2002 (Mon.)

_書くつもりは無いんだが,とか言っておきながら結局やりたくなったりする.のでやる.下手なのにやらんでええのにとは思えどしかしせっかくなのだ.何のためなのRPGかと問うてみれば自ずと答えの一つに出てくると思わないか.いや思わないなら別に良いですほっといてください.そんなわけで先日のティアさん.

_ようやくリュミ姉さんに会うことが出来たティアさん.リュミ姉さんは,アチャさんと相性良いらしいから,ということでバッタ海岸でバッタ狩り.記念撮影はしたけど,出来上がりの写真はリュミ姉さんの待ち.

「まだ私,バッタ倒せないの」
「横殴りしていいよ?」

 手伝ってくれるというので,それに甘えるティア.リュミ姉さんが矢をカッコよく放つと同時に,ティアも呪文を唱え始める.んだけど,リュミ姉さんの早撃ちが二本目三本目とバッタに突き刺さり,呪文が完成した頃にはバッタの亡骸だけ.失敗失敗,気を取り直してもう一度.でもまたおんなじ結果に.いやいやもう一回.と思ったけどやっぱりダメ.

「うーん.難しいよ……」
「難しいね……」
「私が先にやればいいのかな?」
「それだとティアに経験値入らないから」
「うーん……」
「一撃目で止めれば良いのかな?」

 そんなわけで今度は一本だけ弓を放ち攻撃を止めるリュミ姉さん.怒り狂ったバッタはリュミ姉さんを狙って突っ込んでゆく.リュミ姉さんは腕でバッタの攻撃を耐えながらティアの呪文が完成するのを待ってくれている.そこに慌てて呪文を叩き込むティア.でも一度じゃ仕留められないのでもう一回.やった,成功! でも,この調子でどんどん,と思った矢先のこと.

「くっ……」

 ティアが二度目の呪文を唱えている頃,リュミ姉さんの額に汗が光るのが見えた.もしかしてリュミ姉さん無理してるんじゃ…….急がなきゃ,呪文が間に合わない!

「あ……!!」

 ついに目の前でリュミ姉さんが倒れた…….それは殆ど呪文の完成と同時で,降り注いだ氷の矢がバッタに止めを刺しはしたものの,リュミ姉さんは動かない.倒れたリュミ姉さんを前にティアの頭は真っ白かつ真っ黒になって,言葉を無くしたまましばらく何も出来ずにそこに立ち尽くした.ようやく事態が少しずつティアの心の中に浸透してきたけれど,そこで彼女に出来たのはただひたすら叫ぶことだけだった.

「……っっ!! っきゃあーーーっ!?」

 慌てて駆け寄ってリュミ姉さんの体をゆすり始めるティア.

「だ,大丈夫リュミ姉さん!? ねえ,返事して! ごめんね私のせいで.私の呪文が遅かったから……」
「ダメかも…….血がどぱどぱ流れてる……」
「し,しっかりして! しっかりしてよリュミ姉さん! やだよう,死んじゃ嫌だよう!!」
「ごめんね,ティア……ちゃんと部屋の掃除はしてね.私の服とかは,捨てて良いから……」
「ダメ! ダメだよ! リュミ姉さん,やっと会えたのに,そんなっ! そんなっ……!」
「強くなってね,ティア……」
「うん,うん! 私強くなるよ.だから置いていかないで! 一緒に頑張ろうよ! これからなのに!」
「ああ,お花畑が見えるよ……」
「ああ! 姉さんそっちはダメ! そっち行っちゃダメだよ!」
「綺麗…….こんな綺麗なお花畑,始めて見たよ……凄い綺麗……」
「えええぇっ! ……私も見たい……」

 幸いリュミ姉さんは警備員の方に見つけてもらえて,担架に乗せられて首都プロンテアまで運ばれていった.脱力して付いていく気も起こらなかったティアは,そのあとしばらくそこで泣き崩れていた.でもしばらくして,強くなってね,というリュミ姉さんの言葉を思い出して,涙を拭きながらもティアは立ち上がったのだった.

 しばらくしてレベルアップ.少しは賢くなったかな.魔法使いだもの,魔法を使うにはいっぱい勉強しなくっちゃね.あと,そうそう.きょうびレディの必須能力,運.運も実力のうち.ねえ,そうだよね,姉さん.

「姉さん,私,また少し強くなったよ……」
「私,頑張るからね…….もっともっと頑張って,姉さんみたいに強……く……うっ.うう……」
「……うわぁーん!」

 で,結局涙を拭きながら赤ポーションの買出しにプロンテアに戻ったら,ぴんぴんしたリュミ姉さんが中央広場で琴真さんと楽しそうに話していましたとさ.

_とりあえず最低あと一回は続く.

_って,もしかして私がコレ書いちゃったらダメなんでしたっけ? ていうか,私がこれ書いちゃってせいるさんのが読めなくなったら私嫌だよう.せいるさんの上がってからにすれば良かったかしら.ところで会話の内容は殆どノンフィクションだったりするあたりはプレイの仕方的に凄い気もします.もちろん修正かかってますけど.ていうかRPGってこうやって遊ぶものじゃないんですか.違いますか.そうでしたか済みません.

● Jun. 11, 2002 (Tue.)

_こう気温が高くって湿度も高くってというのは色々手におえん.まあそろそろいい加減にして欲しい気がするんだけどそれってこれからだよな.毎年日本最高気温をたたき出したとか面白くもなんともないニュースを聞くんだけどあれ本当なのかしら.誰かうっそぴょーんとか言ってくれるとたとえホントでも少しばかり幸せになれるかもしれない.前もやったっけこのネタ.まあいいか.どこで何やったかとか誰に何言ったかとか分かんなくなるんだよ.行動パターンが少ないので同じことを別の場所で繰り返すからそういうことが起こるんだが,まあ勘弁して欲しいのだその辺は.で,こんなこともよく言うわけだ.変わんねぇな全く.

_てか,そういや台風とか来てたのよね.でも全然知らなかったし.あまり来てもらう意味はないんだけど,来たら来たで楽しいこともあるかもしれん.なんかもう台風程度では危機感ないよなあ.せいぜい雷が電子機器を破壊しないことを祈るくらいなもんかな.非電源で出来ることを考えておけってことか.非電源でもやらなきゃならんことはいくらでもある気がしてきた.しかしそれでも手書き文字があまりにも面倒なのが物凄い嫌だったりするので,やっぱし来ないなら来ないでいいぞ.電子機器も使えるならそれに越したことはないし.台風程度では大きな危機感は感じないにしろ,迷惑は結局迷惑だな.外出るにも鬱陶しいし.ところで今回の台風ってどうなの? 危機感感じないとダメ? 何にも情報仕入れてない時点で危機感の無さが伺えすぎだ.

_かなり失敗して落ち込み気味.不貞寝してやる.大したことじゃないはずなんだがなあ.

_追記.不貞寝してやろうかと思っていたらタイミング的に悪かったのでなんぞ体験版を始めたら雪村とやらに笑い転げた.オマエそれはダメだろう.もちろんこの場合は褒めてる褒めてる.主人公が浩平の二番煎じなのは如何ともしがたいが.何の話かって言うとcherry petals fall like teardrops,それは舞い散る桜のように.そのうちまる一日分使って体験版について言及しよう.ただ落ち込んだ気分が戻らんのも如何ともしがたいのだが.大したことじゃなかろうよ.しかし思い出すだに腹が痛くなる.最近そんなことばっかりな気がするよな.勘弁して欲しいよなって自分のことなんだけどさ.そんなわけなのでもう一度現実逃避をしてくることにする.ダメすぎ.もちろんこの場合はけなしているのだ.

● Jun. 12, 2002 (Wed.)

_また変な時間に寝たらあまり面白い夢でもなかった.むしろ私が夢を覚えていることすら珍しいのだけれど.そしてどうせすぐに忘れる.遥か昔,小学生になったあたりくらいに見た悪夢は今でも覚えているのに.もっとも,それが今でも悪夢であるかどうかはもう分からない.後に夢自身を書き換えてしまった気がするから.でも怖かったんだ.あの時は.痛みも,恐怖も,喜びも楽しみも悲しみも,そういう感情があったと覚えているのに,やっぱりそれは,今は分からない.

_やっぱり朝起きないと.

● Jun. 13, 2002 (Thu.)

_あんまりいい状態じゃないねえ.でも結局のところ私はこんなところでそんな話を出来る人間じゃないのだ.なんか悔しいけれど,どこまでそんなこと.礼のひとつ,詫びのひとつも言えぬ人間になりたくなかろうが,既にそうなってしまっている事実は認めなければならないのか.

_全部当初から心配されたことだった.もしかしてアレも失敗だったのかもしれないと今更に思った.いやこっちだって失敗だったのかもしれない.思い始めたら全部失敗だったのかもしれないと思えてくる.成功したことなんて何ひとつないんだって.だけど欲しかったんだ.欲しかったんだよ.欲しかったんだよっ!

_馬鹿なことを言っていてはいけない.手に入れたのなら代償を支払うがいい.支払われぬのなら所持権は失せる.当然のことだ.

_……違う! 悲しいよ.そんなものすら代償を支払うという手段でしか手に入れられない自分が.なんで? どうして.本来そうやって手に入れるべきものではないのに.もっと自然に形成されていくもののはずなのに.そして今,たった今この文自身がそれを阻害しているのかもしれないと心配もして.

● Jun. 14, 2002 (Fri.)

_何やってんだろうねえ私は.馬鹿やってるねえ.何よ愚痴るんなら思い切り愚痴ればいいのにさあ.意味不明なことつらつら並べてさあ.ああそうそう,愚痴聞きたくない人は今回の分は読まない方がいいかもしれませんはい.別に読むなとか強制したりはしないけどさ.てか忠告自体もう遅いのかもね.

_いやね,昨日日付のだけどね.冒頭に書いたことと全然反対なことしてるなとか思わなくもないんだけどさ.結局のところでも完全に反対なわけでもなくて,こう,なんか妙に何言ってんのか良くわかんないって言うかね.そもそも何のことかわかんないのよ.しかも困ったことにこれ一年後の自分もわかんないの.さっきもそう愚痴るならめいっぱい愚痴ればいいのにって話だったんだけどさ.結局愚痴るって言ったらそれが何の話なのか分かっちゃうんだよ.で,それが分かってもらうと困るのかどうかっていうと良くわかんないんだけど,ずっとずっと今までやってきたみたいに,多分分かってもらいたくはないんだと思うわけなのだ.で,なんてか,そゆとき日本語って便利なの.主語とか目的語が省略できるから.大抵の場合は明確な場合に省略するんだけど,そうでないときに省略しても文法的には一応変じゃないような気がするんだな.気がするだけかもしれないけどさ日本語文法詳しくないから.でまあ,そゆ省略されたのていうのははっきり補えないといかようにも解釈できるようになるわけなのね.というかいかようにも解釈できるように省略する場合だってあるんだけどともかくだよ.だからまたいらん誤解を招くわけなのだ.でそのいらん誤解を解こうかとか思って色々言いはじめるとまた悪循環でしかないんだけどほらいつぞやもそうだったじゃない.いや覚えてないよなむしろ覚えてて欲しくない.全くもって意味ないんだけど,や,むしろ意味があるのってば書いてる自分しかもそのときオンリーなんだけど.ほらも少しみんなみたいに分かりやすく書けばさ.なんかもうすこしマシかもしれないじゃない.マシかもしれないんだけど結局前とやってることおんなじ.いつまでたってもおんなじ.出来ないんだ.怖くて.誰に読まれてるかも分からなくて.そんなわけないしそもそも読んですらいるはずもなかろうけど.いやね,今ね,ここでね,こっそりね,愚痴ってくれようかと思ったわけなんだけどね.だけどそれすら出来んのだよ.怖いから.何が? ほらみろ,既に目的語省略してやがる.分かるように喋ってもいないのに分かってもらえるはずねえんだよ馬鹿.分かってもらいたいならそのように喋れよ馬鹿.ああもう分かってる.分かってるさンなことは.分かってもらいたくないから分かってもらえないように喋ってんだ要するにさ.つかさ,だったらしゃべんなよもう.黙れよいいかげん! 鬱陶しい.だからだろ.だからさ.原因分かってんなら解決しようとしろよ.あーもうホントに腹立ってきたな.さっきからっていうかもう既に月単位くらいで呆れっぱなしだけどさ自分にさ.で,ここまで書いてアンタアップロードできる? Webという公開された場所に置くことが出来るわけ? できるわけねぇよな.多分ばさばさ切り込みいれるよな.わかんねえように.切り込みなんかいれなくったってわかんないのにね.もう既に色んな誤解を招きまくってるのにね.馬鹿だねホントに.せめてこれくらい公開しときなよせっかく書いたんなら.ほれ一歩だよ.改善への.千里の道も一歩からだっけ? 違う? 違ってもいいわ.後ろ向きの一歩だっていいわ.千里もいかにゃならんのなら一歩くらい下がったって大差ないわ.やってみろこの大馬鹿!

_追記.やってみた.自分に呆れた.そんなもんかも.

● Jun. 14, 2002 (Fri.) (2)

_ん? いや悔しいんだよ私は.まあそれと羨ましいって言うかね.まあ要するになんちうかよっぽど何も知らなかっただけってことなんだけど.ひとつくらい欲しいじゃないねえ? あれ,また目的語ないねぇ.目的語なしで同意求めちゃいかんよ? うんうん.

● Jun. 15, 2002 (Sat.)

_Cherry petals fall like teardrops. それは舞い散る桜のように.体験版.というよりもまあむしろこいつの歌なんだけど.どうやら視聴できるということなので落として聞いてみたらなんか凄く気に入ったというか,もうこれは凄い.毎度いいわけのように言ってるけど技術に関して上手いかどうかとかは判断できないけど.でも好きか嫌いかという点で言うなら大好き.いやもう一度聞いてみてよ? え,そんなに凄くないって? 趣味の問題かなやっぱり.いつぞや店で流れててどこかで聞いた曲だなと思ったらちゃっかりとコレのデモムービーが流れてたりとかして,デモが二週するくらいずっとデモの前で固まっちゃったりとか.で,まあ要するに歌が気に入ったんで本体も気になってということで,PUSH!だかなんだか,体験版が付属とやらの雑誌を買ってきてみたところなかなか楽しげというわけなのだ.色々考えて書くのも面倒なのでなんとなく人物を書き連ねてみる.

_桜井舞人.主人公らしい.どこまでも浩平の二番煎じ.もしくは晴臣の.合わないとあんまり面白くないかもしれないなと思いつつも,どちらかというと主人公本人よりも掛け合いの相手がいい気がする.あいや,そゆこと言ったら秋桜の方が上かな.そいや秋桜の小説ってそろそろ発売だったようなって話ずれた.いずれにせよ結構根性の座った奴で素敵.てか母親凄い.

_星崎希望.長い黒髪にリボンに,茶色っぽいような赤っぽいような目.プリンセス.らしいんだけどそれはどうなのかなあ.絵的には可愛いがジト目はいかんと思う.個人的な趣味だけどさ.リボンは色々ポイントのはずなんだが長らく気付いていなかったようだ.気付いていなかったって言うか無意識的に除外されていたというか.どこまでストーリーで引っ張れるかがポイントだ.ホントかそれ?

_雪村小町.金髪に髪留め,エメラルドグリーンの目.緑ですよ緑.エメラルドですよ.綺麗ですよいやホントに.君のその瞳に惚れたぜ.いや色々なんか違う気がするんだが.とりあえず幼馴染という位置づけのようだがまあそんなものはどうでもいい.おそばにまいったのだ.ジェットコースターのような賢い馬鹿.基本的に馬鹿キャラなんだが雪村は馬鹿ですからなんだが正直こいつは賢いと思う.賢くないとあれほど即座に適切な馬鹿が出来るとは到底思えないのだ.面白い.学業的に設定がどうなってるのかどうかってところだが,まあ賢いっていうのはそういうのじゃなくて囲碁とか将棋とかやらせたら強いかも知れぬとかそんなあたりの意味だ.顔的に徹底的に似合わねぇけどな.時々さびしそうなあたりも色々凄い.何が凄いのかが良く分からんが凄い.あとは服装をもうちと頑張ってくれ.な.体験版パッケージみたいに.

_八重樫つばさ.跳ねてる緑髪.目は青系のようだけどこれはどういうあたりの色なのかな.位置付け的にどのあたりなのかは知らんがどうでもいい.ひとまず楽しげなキャラだが色々どうなんだろうなこの人.何気に学業優秀他色々のパーフェクト少女らしいんだが賢さにかけては雪村びいきと見たいや極めて個人的な視点で.至ってクール,まあ可愛いというよりは余程カッコいい.

_里見こだま.青髪というか水色に近い髪にちょっと紫がかった茶色っぽい目.ちんまい先輩.説教癖あたりはどうにかして欲しいあたりだけど時々得な性格らしい.カレーうどん.私服姿はそれなりに許すけど良く考えたらみたことないな私服姿.体験版の癖にちゃんと分岐するのか.後で見ておこう.とりあえず髪は綺麗だぞ髪は.何の話だ.いや絵的にな.

_森青葉.桃色髪に必ずリボン.黄色系の目.妹系キャラらしい.主人公を呼ぶときの呼称より.らしいのだがあんまどうでもいい.シゲさんあたりがポイントかと.こう本人出てこないあたりがポイントだ.本編で本人出てきたらそれはそれで興ざめかもしれないくらいにはだ.要するに刑事コロンボにおけるうちのカミさんが,ってやつだ.いや別に本編で出てくるなら出てくるで素敵かもしれんので別にいいんだが.ところでリボン.リボンである.必ず付いてるぞリボン.色とか合わせて違うぞ.あとそういえば学校違うらしくて制服が違う.ストライプより余程マシに見えるのだが私の気のせいかそれは.

_かぐらちゃんは薄亜麻髪赤目で赤面症でメモだ.ひかりん先輩は亜麻髪藤目で三編みで眼鏡だ.ここはむしろかぐらちゃんだ.何がだ.

_相楽山彦.男.よくよく見たらこいつシルバーに緑目じゃないか.何故オマエが.友人キャラ的に悪くはないが良くもない.なんていうか麦兵衛の方がカッコいいじゃないか.名前が.麦兵衛だ.麦兵衛.赤髪の金目.いやオマエそんなだったのか.色配分間違ってるだろうそれ.まあいいか.難儀な性格だしな.

_佐伯和人.黒髪赤目.黒髪赤目.黒髪赤目だ.いや分かったから.そして強い.体験版的にはどうであれ重要人物だ重要人物.理由は秘密だ.敢えて言えば赤目.

_ところで色々急いでいるので多分素敵な意味不明具合が見られると思うがそのあたりは是非体験版でもプレイして確認していただくか無視していただくあたりが現実的ではないかと僭越ながら提言させていただいちゃったりしちゃった.で,結局のところここまで色々言っておきながら製品版を買うかどうかというあたりについては恐ろしい勢いで多分買わないと思う.何がっていつぞやと同じ匂いがするのである.はっきり何がってわけではない.ないのだが,もう三度目くらいの失敗はしたくない.二度目ならず三度目はやっぱり人としてどうかってところがあるに違いないのだ.もちろんただそういう感じがするという至って主観的な根拠の無い理由なのでむしろ製作者様に対して失礼極まりない態度なのであり,ちゃんと期待して待って発売日には買うべきなのだろうと思うのだが,それでも人間失敗からは学ばねばならぬと思うわけなのである.ところで勢い余って買ってしまったらその時のいいわけは既に考えてあるのでもし発売日後数日の間に以下の文が発見された場合にはまたしても間違って買ってしまったのだと笑ってやっていただきたく思う次第なのである.いやむしろ嘲っていただきたく思う次第なのだ.ったりはしたくないがまあいいや.というわけなので以下の一文を是非覚えておいて欲しいとか思ったりはやっぱりしないでおくことにするので忘れておいてくれて結構.で,その言い訳は以下の通りだ.

_ごめんなさい絵が可愛かったんです.

_いやもちろん和人用と思しきヒロインが可愛いなあとかそういうことでは決してないのであしからずご了承いただきたいわけで.いやもう断じてそんなことはありませんので誤解なきよう.いやホントだって.ねえ信じてよほら.ダメ? ダメですか.わかりましたもういいです.時々の誤解は避けられないですよね.ええ.仕方ないです.あと雪村が可愛いなあとか青葉ちゃんが可愛いなあとかそういうのはあったりするかもしれませんがあったとしても極めて小さな理由に違いないと信じて欲しいと思う次第にございます.ところで最大の理由,歌が気に入った,ってやつは,この調子でエンドレスループでBGMにしてると発売日くらいには既に飽きててくれると思うんだけどそのあたりどうだろう.ダメですかそんなのは.

● Jun. 16, 2002 (Sun.)

NOTE:連載(18,19,20,ALL)

「痛い……」
 ちょっと色々ありえない方向に曲がっていそうな勢いな体勢でアランは呟いた.もっとも,あの状況で生きてただけマシ,というのは往々にしてあるわけで,結局のところ,幸運というか受身が上手いというか,いやもうむしろただの奇跡だと言ったほうが余程信じられそうだった.叩きつけられた時点で死んでいたかもしれない上,気を失ったまま夜になって凍死とかいう可能性だって往々にしてあったのだから.
「うっわー.生きてるよ僕」
 気が付いた体勢がこんなでは受身も何もあったものじゃなかったのかもしれない.というか,一度目以外は完全に気を失っていたわけで,その時点で受身も何もなかったのか.体の節々が痛むというかどうなっているのかあんまり確認したくない気分でありながらも,アランは少しずつ体勢を戻していった.
 それにしてもリーは無茶をしすぎだと思った.まさか術者本人が自分みたいに吹き飛ばされているとは思いたくないが,しかし得てして威力の大きな魔法というのは術者にも危険が降りかかることが多かったはずだ.なぜなら往々にしてそういった魔法は制御しづらいからだ.もっとも大きな魔法でなくとも制御に失敗すれば被害は降りかかるが,そう滅多に失敗はしないし,そもそも効果が小さければ失敗もそれほどの被害ではないからあまり問題になることはない.
 が.いずれにせよ彼女が使った魔法は禁術指定だ.しかも理由はその過ぎた効果が理由だったはず.そう簡単に制御を失敗する人ではなさそうだったし,そんなんだったらそもそも使用しないだろうが……
 ……いや,どうも父親のこととなるとムキになりすぎる気配はあるか.
 とりあえずあまりにも妙な体勢からはなんとか戻って,今は痛くて起き上がれないところだ.さてどうしようかと思えば杖も放り投げてしまったし,やれることなんて無い.いや魔方陣は指でも描けないわけではないのだが,さすがに傷の治療が出来るような魔方陣なんて知らない.杖があれば多少治癒魔法が使えないわけではないのだが.
 と,そこで荷物を思い出した.杖は確かに放り投げてしまったが,荷物を解いている余裕は無かったので運がよければ残っているはずである.もしあれば,一時的に杖の代わりになるようなものが.確か.入って.
「……無いような気もする」
 喋ると痛い.ので喋るのは止めた.手探りで腰の辺りを探ってみるとどうやら荷物はあったらしい.なんとか手を突っ込んでごそごそ袋の中を掻き回してみると,白金貨が何枚かと,金貨が何枚かと,銀貨が何枚かと,水筒と,保存食と,とまあ,そんなものが出てきた.
 あればあるだけマシ.やっぱり使えるものはなさそうだが一応銀製のものがあったではないか.お金は粗末にしてはいけないとは思うがこの場合は自分の命が先決だとアランは思った.ここで銀貨を媒体にして魔法を使ったって誰も文句言わないだろう.確かに媒体にされた銀貨は通貨としては役に立たなくなってしまうかもしれないが,それでもこんな時にこんな風につかうなら決して粗末にしたなんて誰も思わないに違いない.
 と,一応適当な言い訳をしてから銀貨を持ち出し,それを媒体にして治癒魔法を使用する.我ながら効き目抜群だなと自画自賛というよりはむしろ半ば呆れつつも,ひとまずのところ痛みは引いてくれたのでよしとする.効き目抜群というか怪我そのものは放置だ.単に痛みを潰していっただけ.
 とりあえず起き上がった.痛みは無くなったが右手が動かない.僅かでも力を入れてしまうと泣きそうに痛かった右手はどうやらというかやっぱり骨折.もしかしたら二箇所以上かもしれないなと思いつつ生きていた左手に感謝する.あと両足その他.
 で.やっぱり杖がないと色々不便なので,右手をぶらぶらとぶら下げたままアランは杖探しに出かけることにした.またしても硬貨には申し訳ないが役に立ってもらうことにする.金貨を一枚取り出すとアランはそれを高く弾いて,その金貨が向かった方向へ歩き出した.もう自分がどれだけ飛ばされたやら分からないが,出来るだけ早く杖が見つかってくれると嬉しい.早く杖を見つけて簡単でもいいから怪我の治療をしておかないと後で大変なことになりそうだからだ.やはり銀貨では上手くいかないみたいだった.歩いていると体のあちこちが痛んだ.

● Jun. 17, 2002 (Mon.)

_最低一回は続くと言ったからには続ける.そんなわけで先日どころか先週くらいのティアさん.先週というだけあって実時間的にはかなり前の話なんだけどティアさん本人の時間はそれほど進んでないはずなのでどうでもいいか.とはいえ,問題はプレイヤーが詳細を覚えてないことなんだが.

_「きのこっ! きのこー! 出て来いきのこー!」

 今日のティアは森できのこ狩りである.そう,ティアの低いレベルにもかかわらず,雷をLv3-Lv2で打つと,なんときのこが狩れてしまう事に気付いたのだ.きのこはどうやら水属性で電気をよく通すようである.そんなわけで調子よくばたばたときのこを狩って回るティアだったのだが.

「あ,きのこ!」

 素早く呪文の用意をして木の陰に隠れているきのこらしきものに向かって駆けていくと,

「……むーっ!!」

 ただの切り株だったりとか.

「あ,今度こそ!」

 もう一度呪文の用意をして木の陰に隠れているきのこらしきものに向かって駆けていくと,

「……むーっ! むーっ!!」

 危うく赤髪の剣士さんに雷を放つところだったりとか.

「む,今度は間違いない!」

 とまたも呪文の用意をして木の葉に隠れているきのこらしきものに向かって呪文を放つと,

「きゃーっ!? きゃーっ!? 痛いっ! 痛いもう突付くなこのっ!!」

 ……間違ってコンドルを攻撃していたりとかして,まあ要するに森の中では視界が悪く目に頼っているとどうも間違えるのである.もちろん魔法の照準は目に頼らざるを得ないのだが,きのこ探し自体は目でなくても出来ることにティアは気付いた.そう,耳だ.音を聴くのだ.

「そこだっ!!」

 今度こそ大当たりである.なかなか視界が通らないような場所でも音なら聞こえてくるのだ.びよんびよんという独特のきのこ音がである.

 まあ,それでも時々,

「あっ!! こらポリン! ゼリーのくせして生意気だぞっ! それ私んのだ! 食うなっ.吐けっ! 吐けーっ!!」

 ……アイテム食ったポリンを追い回して杖でぶん殴ったりだとか,しまいにはポリンには二倍掛けで効果が発揮されるはずの雷をSP消費も省みずLv3で落としちゃったりだとかも,したけれど.

 ところで,ティアがこれほどまで執念深くきのこを狩り続けるのには理由があるのだ.どうやらティアはパーティに憧れているようなのである.早く先輩たちのレベルに追いついてパーティに入れてもらいたい! 彼女の執念とも言えるきのこ狩りの理由はここにあった.

「パーティに入ったら……」

 ダンジョンに入ってアクティブモンスターに襲われ,身動きが取れなくなってるところにパーティの剣士さんが助けてくれるとか.そのあとでパーティのアコライトさんがヒールかけてくれたりとか.町では商売上手の商人さんが装備を値切ってくれたりとか.シーフさんが素早くアイテム確保してくれたりとか.周りに人も居なくて危機一髪! のときにアーチャーさんが遠くからバシッと! やってくれたりとか!

「……って,私助けられてばっかりじゃないのよ!!」

 ダメダメダメッ! そんなのダメである.パーティは助け合いだ.たすけあい.だから時にはこんな場面だってあったっていいはずのだ.

 剣士さんが戦ってるけど,どうにも分が悪いみたい.アコライトさんは遠くだし,アーチャーさんもシーフさんも商人さんも以下略.わ,私が助けなきゃ! そこでサンダーボルト! しかも属性効果で二倍ダメージ!

「いやん私ってばカッコいい!」

 そして助けた剣士さんにお礼を言われちゃったりするのだ.そんでもってもしかしたら,もしかしたら,あくまでもしかしたらなんだけど,そこに恋が芽生えちゃったりとか,するかもしれないのだ.

「あうっ.ちょっと恥ずかしいかもっ」

 ……と,そこまで妄想しつつもちょっと考えてみればそんなのは無理なことに気付いて,ティアは大きく落胆した.レベルが低すぎるからそんな場面が訪れようもなく自分は足手まといだろうし,たとえそんな場面があったところで呪文の詠唱が間に合うだろうか? リュミ姉さんの時の悪夢がよみがえる.

「だ,ダメダメッ.そうならないように強くなるんだから!」

 とまあ,そんなわけでティアは執拗にきのこを狩り続けるのだった.だから,帰ってから宿で出されたきのこ料理につい雷を落としてしまったりとかしても,どうか許してやって欲しいのだ.決してきのこ料理が嫌いなわけではないのである.

_で.もうこれ以上は続くかどうかは分かりません.また気まぐれに書くかもしれませんが.ていうか,とりあえずなんだかんだなので是非どなたかパーティに加えてやってくださいまし.とはいえ,今後しばらくティアさんの時間は進まないのかもしれず.いや,とりあえずティアさんだの自分の原稿だの放り投げてでも編集はするんで安心してください.まあ大した編集じゃなかろうですが.

● Jun. 18, 2002 (Tue.)

_何やるにしても始めのうちは結構楽しいのう.色々分かってくることとかが多いとね.自分で発見することがあるとかだ.ただそのうち単純作業になっちゃうので,そうなっちゃうと面白くないと.とはいえ,単純作業も集中さえ出来ればそんなに辛いわけでもないかも.

_いやあ,まあ,なんだかんだってやってみりゃそれなりに楽しいですわ.そんなけ.後で辛くなりそう.

_ていうか時間が.

● Jun. 19, 2002 (Wed.)

_何故だ.何故秋桜の空にの小説が売っていないのだ.許さんぞ本屋め.二度と行ってやらない.なんて冷たいこと言うの止めるので是非次に行ったときには置いておいてください.よろしくお願いします.

_それちる.という略はあんまり好きではないなあ.舞桜のほうがカッコよさそうだ.それはともかくとして店に等身大ポップが置いてあったんだが.いや等身大というにはちょっと小さかったかもしれんがともかく,雪村さんちの小町嬢だった.あともう一人誰か居た気がするんだが忘れた.プリンセスだというならそうだった気もするし,実はつばさくんでしたとかなら納得しかねんしといったところだ.ああもしかしたら先輩だったかもしれんなあ.ここまで覚えてないあたり凄いどうでも良かったっぷりが見て取れそうだ.が,とりあえず青葉ちゃんではなかった.制服がストライプだったからな.で.何で制服を覚えているかというとだ.雪村嬢と服が違ったのである.そう,あの面白みの無いストライプではないのだ.白に緑のアレである! なにーっ.なんですとっ.オマエそれどこの服なんだよ.なあ! 体験版では一回もそんな服着てなかっただろっ.地味なストライプだったじゃないかっ.体験版ジャケットは白に緑のアレにも関わらず出てこなかったじゃないかっ.詐欺だっ! 誇大広告だっ!! おのれ許すまじBasiL.本編に登場しないことがわかったら買ってなどやるものか.

_して,それは本編に登場することが分かったら買うって意味なのカナ? いやそういうわけではないが.とりあえず基準のひとつだ.基準のひとつ.な.

● Jun. 20, 2002 (Thu.)

_秋桜の空に.小説発見.よくやったスカイの人! というか衣澄れいさん.そいえばスカイは文月さんだったからむださんだったかに薦められた直後に買ってきてたんだけど,良く考えたら途中までしか読んでないような気がする.凄い良いんだけど,良いだけに読んでしまうのが勿体ない感覚が.なんか馬鹿らしいけどさ.

_とりあえず中身はまだ読んでなくて挿絵ぱらぱら見ただけなんだけど.なんか凄い違う.違うんだけど可愛いぞ.スカイのときより違う気がするんだけど,というのは原作との離れ具合なんだけど,これがまた悪いわけでは決して無くて.ゲーム中の絵に負けず劣らず良い.いやゲーム中のより遥かにいいって話もないわけではなさそうだけど個人的には結構ゲーム中の絵も気に入ってるからなあ.そいや,ONEの小説もそうだったかな.みさき先輩に惚れたのはあの挿絵のせいみたいなもんだ.

_あと,さすがに書いてるのがシナリオ本人なだけあってノリがそのまんまなのは嬉しいところ.いや挿絵付近の文をちょっと読んだだけなんだけどさ.にしてもゲーム本編を思い出す.やはりどこをどう見ても山彦なんかより忠介の方がデキが良いと思わないか.人格は破綻しているが、人間的にはいいやつ。という紹介文はまさにそのものだ.

_にしても色んな意味で電車の中とかでは読めない本だよなァこれ.ところで小鹿が育ってる風味です.いや,そのように書いてある.

● Jun. 21, 2002 (Fri.)

_キーボードが欲しくなった.なんとなく.ファンクションキーの独立した奴が.とか言ってるとそのなんとなくの意味も分かりそうなもんだがそれはともかくだ.まあともあれ欲しくなったのだ.で,探してみる.要求は,ファンクションキーが独立していること,省スペースであること,でもキーのサイズが小さくないこと,USB接続で,できればUSB HUBが内蔵されていること,日本語配列であること,だ.なのだが,実際に探してみるとどうにも打ち心地とかも気になっていけないのかも.あとできればCtrlキーがAの隣にあって欲しいだとか,EscがTabの上1の左にあって欲しいだとか言いはじめると切りが無いのだが,これはまあ,ソフトウェア的にスキャンコードを入れ替えて使えばなんとかならないわけではないので優先順位は低めだ.

_で.結局今使っているHHK Lite2より良いキーボードなんて滅多に無いということを思い知っただけだった.テンキーが付いててやたら横に長かったりするのはそもそも置き場所が無いので論外で,それを除去するだけで一気に選択肢が減ってしまう.で,小さいのは小さいので,キーが変形していたり,何でか知らないけどShiftキーよりも外側に文字キーがあったり,と,省スペースにすべく頑張っているのは理解できるのだがやはりやってはいけないことっていうのはあると思うのだ.いくらなんでもその配列はまずい.割と良さそうなのもあったのだが,何気にファンクションキーよりも上に戻るキーだとか電源キーだとかメールキーだとか意味不明なキーが大量についていたりとかで,やっぱりダメだ.もちろん付いていようが別に使わなければ何の問題も無いわけなのだが,使わないくせに場所を取っていることが許せないわけである.まあそれと,実は結構便利で,慣れちゃったりすると他のキーボードが使えなくなったりしそうで嫌だというのもある.

_あと思ったのは,テンキーが付いていたとしても省スペースなら別に構わないのではないか,ということだった.最近の既製品に付属のキーボードには,InsertやDelete,PageUp/Downが纏まっているスペースがテンキーの上に移動して,テンキーがEnterのすぐ隣に来るようなキーボードがあるようだ.これだとテンキーがあってもそれなりに省スペースだし,ファンクションキーだって当然独立している.テンキーもあればあったで結構使うので問題は無いのだ.で,類似品を探したところLogitecあたりが結構沢山の種類を出していてその中にもあったようだが,しかし何か無駄にキーの付いていない部分が広かったりとかしてごつごつしているのがどうにもいけない.というか,多分置けない.品質に限ってなら,Logitecならそれなりに信用できるとは思うのだが,やはり置き場所の確認を改めてした方が良さそうだった.

_で.結局買ったのはこれだった.ファンクションキーは独立してないが他の要求は完璧に満たしているし,って説明してたらなんか悲しくなってきた.つうかそもそもファンクションキーが独立してるのが欲しかったんじゃないの? 今のはファンクションキーが独立してないのが不満なんじゃないの? それ以外の要求って全部今使ってるやつの類似品がいいからっていう意味なんじゃないの!? 今使ってるのとおんなじの買ったらそうなるのは当たり前じゃない! いやもちろん考えがあって買っているので別に無駄にする気はないのだけれど,本来ファンクションキー独立キーボードを探していたというのにそれを無視してしかもおんなじの買ってるあたりはどうしようもない気が.まあもっとも,今使ってて気に入っているので失敗しないという安心感だけはあったけど.

_仕方ないのでファンクションキーを移すことにした.というのはソフトウェア的にスキャンコードを書き換えるってことである.変換キーだとかカタカナひらがなキーだとか右Altだとか,要するにいわゆる使わないキーにファンクションキーを割り当ててしまえ,ということである.親指で連打できるしな.なんで連打する必要があるのかは察してくれ.して,結局右AltにはInsertが,カタカナひらがなにはF2が,変換にはF1が割り当てられた.なんでそんな割り当てなのかも察してくれ.ところで実はF2なんかはファイル名変更なんかにも使えて意外と便利なのかもしれないとか思ったりとかもした.ちなみに言うと無変換にはEnterキーが割り当てられていて,これでTabキーを使ったブラウジングが素敵に使いやすいのでお薦めだ.

_ちなみに,いや何の関係も無いが,等身大にしては少し小さいポップの相方はプリンセスだった.

● Jun. 22, 2002 (Sat.)

_またサーカスから何か届いた.CD在中二折厳禁とかありつつもCDなんて入ってないあたりはどうなんだろう.別に全然構わないけど.とりあえず中身は予想通りというか何と言うかD.C.のブックレットとやらだった.あら良いのかしらこんなの頂いちゃっても.いやまあ,いずれにせよただの宣伝なんだろうけども.まあしかし,ごめんなさいねサーカスさん.今回の購入は控えさせていただきますよとりあえず.これ買うくらいだったらひとまずそれ散るを気にした方が良さそうだし.jesの人に煽られたし.でもその前にVM Japanを普通に楽しみにしてるんだけどな.私は.

_ところで,右Altってばそんなに使わないかなと思ってInsetキーを割り当ててしまったけど,実はそれなりに使ってるみたいだった.気付いていないながら癖になっていたらしく右Altを抑えていたのだけど,いつもの反応じゃなかったので割と困ってみたりもした.どっかに使いやすそうな良いキーは残ってないものか.実はもしかしたらScroll Lockとか謎のキーって使うこと無いんじゃないか.これに割り当ててみようか.人差し指が届いて使いやすいし.隣にPrint Screenがあってこいつもファンクションキーに割り当てたら便利そうだけど,こっちはさすがに時々使うしなあ.どうしようかなあ.

● Jun. 23, 2002 (Sun.)

NOTE:連載(19,20,21,ALL)

 杖はなんとか見つかった.応急処置的に傷の治療はしておいたが気休め程度.それにしてもあの学長は杖に何か細工をしてくれていたのかもしれなかった.そうでなければこんなに早くは見つからない.探索魔法の正確さがあまりにも違いすぎる.金貨ごときの気休め探索でこんなに手早く見つかるのなら世の中失せ物に困ることも少なそうな気がする.あの学長のことだから研究中の魔法の実験台にでもしたのだろう.帰ったら問い詰めてやる.
 しかしとりあえずの問題はそんなことではなかった.たとえ実験台だったとしても杖が早く見つかったことに関して文句は無いのだ.それよりもリーである.吹き飛ばされた時に変な風に頭でも打ったか,なんか吹っ切れてしまった.今までうじうじ考えていたのが馬鹿みたいに思えてきた.どんなに気恥ずかしさが感じられようが全部ひとことで説明できるんじゃないかと思ったのだ.リーと一緒にいたいというその気持ちの説明のことだ.そうだ.簡単だ.簡単だよ.何かって? そりゃ,恋って言うんじゃねえのか.人を好きになることに理由なんかあってどうする.もう何にも関係ない.好きなんだ.あの銀髪の女の子が.好きなんだ.リーが.もう何も要らない気がした.君を追う理由? 君を心配する理由? そんなの決まってる.君が好きだから.こんなに万能な言葉があるとは思ってもいなかった.
 その後のことは,知らない.
 アランはリーを探して歩き続けた.幸い目的地は目立つので迷うことは無い.いくら禁術魔法で吹き飛ばされたとはいえ,さすがに陽が回ってしまわないと辿りつけないほど遠くへ飛ばされたわけではないのだ.目的地は今でも目の前に巨大な岩影として見えている.あのあとどうなったのかはよく分からない.竜を倒してしまって,無事父親との再会を果たしているのかもしれなかったし,あんまり考えたくなかったが,術の制御に失敗してリーは既にこの世から居なくなってしまっているかもしれない.
 もし,既に死んでいたら?
 相手が禁術では可能性が低くない.考えたくなかったがどうしてもそういう考えに囚われてしまう.もし,死んでしまっていたら,どうするのか.ようやく気付いた言葉を伝えずして,全ては終わるのだろうか.だったら.そんなだったら,自分も吹き飛ばされた時に死んでいればよかった.ぶらぶらと制御のない腕を残して生きていて欲しくなんかなかった.なんで,こんな奇跡みたいなこと.そして奇跡っていうのは,どうして,こんな,残酷な――
 アランは勢い良く首を振った.さすがに応急処置的な魔法ではどうしようもないようで,そんなことをしたら酷く痛かったけれど,今はその痛みが,悪い考えを攻撃してくれるみたいで良いとも思えた.馬鹿なことを考えてはいけない.リーは生きているに決まっているさ.こんなことであっさりと死んでしまうような女の子なのだったら.僕はそんな娘を好きになったりなんかしない.しないよ.しないんだから!
 アランは自分に言い聞かせるようにしてリーの生存を祈った.自然と歩調も早くなって,なんだか怪我の痛みもどうでもよくなった気がした.早くリーの無事を確認したい.無事に父親との感動の再会を果たしているのを確認したい.もしそんな場面だったら,安心して洞穴の外で待っていよう.感動の再会を邪魔しちゃいけないから.だったらどうやってそれを確認しようか.邪魔しないように確認するにはどうしようか.リーのことだから普通に近づいたら気付かれてしまいそう.何か,そう,そんなことができる魔方陣は無かったかな.
 アランの歩調はどんどん早くなって,ついには駆け出してしまった.足も走れるような状態ではなかったと思ったけれど,そんなのはどうでもいい.腕もぶらぶらしたままで勢いに流されてるけど,多分大丈夫だろう.今はリーの生存の確認が最優先.腕の一本や二本はくれてやる.だから,どうか.どうか,世界よ,リーを,助けて――
「!!」
 次の瞬間.アランが見たのは,砂の上に放り出されて倒れているリーの姿だった.

● Jun. 24, 2002 (Mon.)

_秋桜の空に.小説.これはいいものだ.

_と,jesの人にも煽られた気がする.もしかしたら煽った煽られないは舞桜よりも先だったのかもしれず,まあその辺はどうでもいいか.ちなみに確かにいいものだ.ていうか変わってねえなあ! お前ら! いやもう.ホントに.なんかもう凄い懐かしいしこんな幸せがずっと続けばとか,晴臣やすずねえが感じている哀愁というかなんというか,語彙が無くて困ったちゃんだけども,読んでる本人もそんな気になってくる.変わってねえ,本当に変わってねえ.この馬鹿メンバーが何年も経って今だ変わらずに居てくれたことが,涙が出るほどに嬉しい.本当に嬉しいのだ.原作者が書くというのは結構珍しいのかもしれないけれど,これほどまでに変わらずに居てくれたのはそれが故であろうと思う.もちろん別の人が書けば別の魅力があったに違いないのだけれど,私は,この懐かしさと喜びに浸っていることが出来るそのことが嬉しくてたまらなくて,原作者が書いてくれて良かったと本気で思うのだ.

_見かけたら是非買っておくように.秋桜を愛する栗っ子なら絶対に大丈夫だ.読んでいると思えてくる.秋桜の魅力は紛れも無くこいつらだ.晴臣は誰も足元に近づけない最高の主人公だし,どこの誰がひっくり帰ろうとも忠介には及ばないと思うのだ.そしてヒロインたちも,この馬鹿さ加減と最高の幸せと,本当に暖かい心にかけては,どこの誰にだって負けない.そう思うのだ.

_あと.原作に無い魅力とはかすがさんに他ならない.それから,ページをめくると不意に現れる魅力たっぷりの挿絵だ.原作と違う違和感が無いわけではないが,それを補う魅力は十分だ.この本からきっと,昔の私と同じ少年が現れるだろう.幸か不幸か分からない人生を歩むことになるかもしれないが,私から見ずに見れば,それもまた楽しい.

_ところで,表紙はきっとすずねえらしき人物が晴臣のコスプレに違いない! と信じていたのだが,どうやらみんなそう思うものらしい.さらに,なんと,カナ坊の方が晴臣のコスプレかもしれないなどという可能性も示唆されているとは.斬新だと思ったんだけどなあ.残念.

● Jun. 25, 2002 (Tue.)

_まあ,確かに私はあんまり喋らないしな.喋る時は喋るし喋らせるのに成功すれば喋るしなんだけど.いやむしろ,一人で喋り続けられる間は喋るかもだな.相手が喋ると喋らなくなるのは要するに,喋れないのではなくて会話が出来ないのだ.会話が.キャッチボールとはよく言ったものだ.相手からのボールを受け取れないし,投げるにしろとんでもない方向ばっかり.とんでもない方向で構わずボールを回収する必要が無いなら投げ続ける気もする.なんていうか,話術技能が必要かもしれないよ.話術技能.どこで訓練するんだっけ? 話術技能.もしかして職員室だっけ.うろ覚えだけど.GPMの話ね.一体なんでそんなところで話術が訓練できるのか不明だけど,まあそんなことはともあれだ.やっぱりゲームほどには話術を習得するのは簡単ではなさそうだ.もっともゲーム内時間では四時間ぶっ続けで訓練してるわけでそりゃそれで大変なわけだが,いずれにせよ私はコントローラー握って十数秒ってなわけだから.もっとも,現実と同じだけ苦労しないと成長しないゲームなんてこのネトゲーくらいかもしれないけれど.最高の名作にも最高の駄作にもなりそうだ.全てはプレイヤー次第ってやつか?

_話が妙な向きにねじれてるねじれてる.まあ,それでいいならそれなりには喋れるってことだ.そもそも喋れないならこんなことしてないかもだけどな.

● Jun. 26, 2002 (Wed.)

_よくよく考えるとメモリのアドレスが2バイトってことは,要するに64KBしか扱えないってことだ.64KBである.64KBもあれば色々出来そうだがさりとて64KBでは4bit/1dotのVGAですら格納できない.そしてこの雑記の過去ログも一か月分纏めると64KBには収まらない.結構少ないのだ.64KBっていうのは.MBクラスのメモリをばかすか確保するようなコードしか書いてなかったからそういうのはさすがにびっくりだ.一体何なんだfarポインタって! 32bit CPUの偉大さを知った気がした.

_逆にメモリアドレスが64bitになるとどうなるのか.Byte単位で扱うと16EBだ.Eって何だって向きがある気がするが,エクサである.エクサ.絵が臭いのかもしれないとかいう意味不明な話はさておきこいつはPなるペタのさらに1024倍だ.ペタもあんまり有名でないのでもうひとつ下げてみるとそいつはTでテラである.テラくらいになると大分有名かもしれないがあんまり見かけない.で,テラの前がようやくHDDとかで聞くGになる.ギガ.そう考えるととんでもねえ量だ.64bit CPUは偉いのである.とんでもない偉大なのである.なのでにんてんどーよくよんだかなんだか知らないがアレは偉いのだ.多分.良く知らないが.

_して現在ぱーそなるこんぴゅーたなるもので主流なのは32bitのCPUらしい.して,32bitでメモリアドレスを指定するとなるといくらか.4GBである.4GB.ギガだからHDDとかだと聞いたことのある単位だ.今となってはそれほどとんでもない数字というわけでもないが,メモリが4GBっていうとかなり大きい.が,もっとも数年の後にはそれくらいのメモリは積んでいそうだ.危ないぞ32bitポインタ君.君の手に負えなくなる日は近い.とはいえハードディスクとかの容量はByte単位で扱っていたんでは既に32bitは越えているのでまあそのようになのかもしれない.どのようになんだ.ちなみに言うとファイルサイズを求める関数の戻り値は32bitなので4GB以上のファイルサイズは正常に扱えない.もちろんそのような時のためにポインタ渡しで上位ビットを返してもらうような仕様になっているのであるが,よくよく考えると私そんなの真面目に受け取ったためしがない.なので4GBを越えるファイルを扱おうとすると多分大変なことになる.注意してくれ.いやしてくれって言われても.

● Jun. 27, 2002 (Thu.)

_体験版と違う,というのは得てして当たり前なような気がするが,結構残酷な気がした.体験版というのはまあ大概にして一足先に一部が遊べるものを言うが,ここでは別にデモムービーだろうがプレビューだろうがそのあたりは構わない.要するに製品が出る前にその作品を知る手段として提供される,製作者側からしてみればいわば宣伝である.しかしこれが,製品版と違う,というのは,それを見てずっと待っていた人にとってはしばしば残酷なのではないか.

_何の話やら分からんけどまあいいや.で,全然関係ない話なんだが予告どおりというかなんというかVM Japanを買ってきた.大分インターフェイスとかも変わっている模様で,ちょっと慣れるまでは色々間違え気味.しかしシミュレーションそれ自身はやはりVantage Masterを踏襲してるだけあってかなり遊べるみたい.ルールも多少違えど基本は同じだし.それにしても龍脈って,なあ.移動タイプ増えすぎ,みたいな.ていうか水が何気に陸上に進出し始めたね.しかも火が水中に進出してるし.いいのかなあ.まあもっとも,陸上で移動力が半分になる水属性は確かに使いづらかったかもしれないけど.それでもかなりバランスが取れてて良く作ったなあと思ってたもんだよ.

_で,あと画面がちょっと見づらい.ユニットがどうも,どっち向いてるのか分かりづらいしそれ以前に敵なのか味方なのかわかんなかったりしてちょっと困ってみたりとか.まあカッコいいんでそれはそれで構わないんだけども,ただちょっと,昔のドット絵ははっきりしてて良かったかなあとは思わなくもない.またユニット全種類覚え直しかぁ.シナリオモード一周もすれば大体おぼわるかな.今度はなんか全幻魔が術を使えるようなのでそれを覚えるでも大変だ.

_どこぞの人は家賃と電話代を払った上で買ってくるように.

● Jun. 28, 2002 (Fri.)

_えっ!? ええぇえっ!!? ちょちょちょちょっとそこのおにーさん!? その手に持ってるのはナンですか? ナンって言ったらインドの食い物の名前ですかじゃなくて,もしかしてその手に持ってるのはそれちるですかマジですかそうですか済みません.

_ていうかうわぁ.そうだったの.知らなかったよ.それちるってもっとマイナーだと思ってたよ私は.発売日だからってまさか手に持ってレジ並んでるのを目撃するほどメジャーとは知らなかったんだよ.いやもうなんか,まあ買うのはいいけどただでさえ無駄遣いっぽいしこりゃ1円でもとまでは言わずとも100円でも安く買わないとなあとか思ってたら初っ端入った店からそれちる持ってレジに並んでる人見かけてショック.でもって値段確認してからどこぞの三階に行ったらなんかよくわかんないけどひとがいっぱいなんですよ.なんでレジの最後尾はこちらですとか店員さん案内してますか? なんで列がうねってますか? ていうあなたたち今まで一体どこに隠れてたんですか? もしかして床下と天井に隠れてたんですかそれマジですかというよりむしろ忍者ですか違いますか済みません.それはともかくとしてその長蛇の列にもちらほらとそれちるを手にしてる人見かけてうわそんなに有名だったのかもしかしてと思いまくったりしたのだ.今とっても失礼な事言ってますかもしかして.もしかしなくてもそうかも.

_ところでどこぞの三階なんだが.その長蛇の列に並んでる人はそれちるを手にしてる人を見かけるのに,どの棚探してもそれちるなんて置いてないんだけど何で? ちょっとみんなそれどこから持ってきたわけ? いや100円でも安くってあたりで数件回る気で居たのは良いけど値段の確認もままならないんですけど.仕方ないので列の皆様が持っているやつを覗き込んで確認してみるものの,最上位桁が7ってくらいまではよしとしてそれからしたが良く見えない.しかしまあ長蛇の列が大変なことになってるので仕方なく値段の確認もままならないまま出て,まあもうこうなったら数百円がなんぼのもんじゃと覚悟を決めて初っ端に入った店で買おうかと思ったんだけど,なんか途中で寄った店が税抜きで最上位桁が6だったのでそこで買って満足.税込めると7になっちゃうんだけど.ところでもっと安いところで買ったよんうふふって言う人がいましたら,いいもんアレ以上探してたら時間が数百円分越えちゃうもんと精神的逃避に走りますので報告してくれなくて結構です.

_ううむ.なんか予定外の展開で書き出しが変わってしまった.何のために言い訳を用意してたんだかわからん.本来ならデカ文字で用意していた言い訳を冒頭に持ってくる予定だったんだが.しかしまあ約束なのでごめんなさい絵が可愛かったんです.と,とりあえずお勤めを果たしまして,買ってきましたそれちる.というかむしろ私は舞桜とでもしたいんだけどjesの人に散るのがじゅーよーなのだと言われてひどく納得したので一応それちると呼んでおくことにします.一応.ところで何でマイナーだと信じていたのかというと私がこういうゲームの話題を手に入れるのはほぼ全域ONE卒萌文のどちらかなので,そこで多少それちるの話題で話したのがjesの人くらいだったのでそう思ったわけなのでしょう.いや実はマイナーなのかもしれないんだけどあんまりそのへんは知らないので.ところでjesの人はONE卒でも萌文でもなくGameDeepの人なのではないかというツッコミはしてくれなくて結構です.ていうかむしろどこの人なんだjesの人.

_まあそれちるの話はともかくとして,どこぞの三階だが,どうやらCircusの人が来てたらしいのが長蛇の列の原因ぽい.D.C.のなんとかですかね良くわかんないんですけど.何気にコスプレなるおえーさんも二名ほどいらっしゃったわけなのですが,いや,大変なんですねおねーさんも.なんかバスガイドさん.何がって喋り方が.とりあえずキャラの判別がなんとかなるくらいには似てたんでそれはそれでよしなのかもしれないけど,とりあえず一言いうことがあるとしたら髪染めて出直してきてくださいだと思ったりした.キャラ同定に髪の色がどれだけ重要かというあたりの話なのだが.まあもっとも,本当に染めてたりとかしたら今度はうわぁ! 日本語喋ってるよこのひとたち! とかいうレベルで驚かなければならないのかと思うと止めた方が無難な気もする.

_ちなみにそれちる初回版パッケージは素敵.割と扱いやすい.なんか気に入った.

● Jun. 29, 2002 (Sat.)

_今日はちょっといろいろ.

_いつの間にか発表されてた情報処理技術者試験合否.何気に合格らしい.ちなみにソフトウェア開発技術者.ちったぁ褒めて欲しいもんだが周りの反応はそれくらいでなんだってんだ,というアレなのでちょっと寂しい.まあそういう世界だしこれくらいで満足してるようでは進まないのも事実か.頑張るよろし.

_それちる舞桜.略語を二つ合わせてみた.何がなんだか.むしろそれは舞桜とかのほうがいいか.良くない.まあそれはともあれ,とりあえず誇大広告だと騒いだ雪村嬢の白い制服姿があるかどうかだけ確認する.あった.良し.何気に他のキャラにも用意されているあたりもしかしたら単なる夏服? こんな冬服の学校じゃ冬が嫌いになっちまうよ.夏はいいかもしれんが.おいおい.にしても雪村嬢の私服のセンスはどうなのかなあ.どうなのかなあってどうなんだオマエの趣味丸出しで語るなよハズカシイから.はい済みません制服も趣味に過ぎませんごめんなさい.でも自分のサイトのしかも雑記と称したとこで趣味丸出し以外に何語るってんだよなあ.まあしかし,言い訳云々はともかくとして確かに絵は可愛いかな.所詮趣味レベルにしかならないが.ついでに言うと,どちらかというとイベント絵より立ち絵の方が.ちなみにプレイはしてない.多分しばらくしない.今曲だけ聞いてる.世間の評は芳しくないようだけど,まあ体験版程度に出来ていれば文句はいわないことにしておく.半ば盾にされたようなもんだし.

_VM Japan.全幻魔に術があるのかと思ったら一部無いのも居るらしい.ところで水が陸上を走り回ったり火が水中に入ったりして色々驚いていたが,飛べなくなった天まで居るらしい.にゃーにゃー鳴きながら陸上を走り回ってるのを見た時にはさすがにどうしようかと思った.こいつ相手に召喚されるととっても鬱陶しいんだがいざ自分で使ってみるとかなり使いづらい.やっぱり飛べないからか.

_いや,それはnearポインタの話だったりするので,farポインタを使ってやれば64KBをちゃんとオーバーできるようです.何のチップなのかは実はよく知らないんですが.とりあえずコンパイラオプションでfarポインタにしてやったらちゃんと動きました.farだのnearだの何が何やら知りませんがとりあえず動いたので良し.ただ,メモリじゃなしに普通に数値演算するにしても,unsignedで65535が最大というのは割に少ない気がします.結構オーバーすることがあったり.ちなみに前の話は実は単に量的な問題で寂しかったので数字を比較してただけなんですが,詳しく突っ込んでくれた人ありがとう.

_いろいろってなんかもっと色々あった気がするんだがこんなもんか.まあいいか.途中で喋れなくなることはある.

● Jun. 30, 2002 (Sun.)

NOTE:連載(20,21,22,ALL)

「リー!? そんなっ,リー!!」
 アランはなりふり構わず叫びながらリーに向かって走っていった.嫌な予感が走る.むしろ嫌な予感しか走らない.あそこに倒れているのはただの亡骸なのではないかと,その思いがどうしても拭えない.
 世界に願いを! 僕からリーを,どうか,奪わないで.
 アランの祈りは通じたのかそうでないのか.ただ世界はそこにあるはずで,でも,アランにはどうしようもないものだった.アランがリーのところに辿りついて,もう既に片方しか残っていなかった腕でリーを抱え上げ,それで,まだ,彼女が冷たくなっていないことに少しだけ安堵した.もっとも,この灼熱の沙漠の中では,亡骸もまた温かいかもしれないのだけれど.
「生きてる……」
 白い首筋に手をあて脈を確認した.呼吸もしてるようだ.外見的に怪我はないように見えるが,でも意識はない.白い肌を焼かないようにと思ってとりあえず魔法陣を描き,そして,今度は足も使ってなんとかリーを抱えると,リーを呼び始めた.
 とりあえず倒れている原因は良く分からない.もし禁術の制御に失敗していたらこんな状態では済まなかったはずだ.だとすれば術自体は成功しているはずで,そもそもぼろぼろに崩れた洞穴がそれを物語っている.
 だとしたら,竜は,討ち取ったのだろうか? 彼女の父親は?
「だれ……?」
 何度目か呼んだ時,リーが薄く目を開けた.
「良かった.リー,僕だ.アランだよ」
「あら……ん?」
 少し不思議そうな顔をして名前を呟いた.もしかして自分のことが分からないのかとアランは慌てたが,しばらくしてリーは,ああそうねと呟いてまた目を閉じた.
「リー?」
「うん……ごめんなさい.お父さんだと……思っちゃった.そんなわけ,ない,のに」
「あ……」
 そういえば,そうか.でも,彼女の父親はあの場所から解放されたのだろうか?
「ご,ごめん.でも」
「いいの.ありがとう.でも,どうして」
 リーの言葉が一度止まって,やっぱり何を聞かれているのかアランは良く分からなかった.でもしばらくしてリーは首を回してアランからを顔を背けると,続きを喋り始めた.
「どうして,こんな,私なんか.を.どうしてこんなに,優,し……」
 尋ねる声は小さい.でもアランはそれをしっかりと聞き取っていた.前にも似たことを聞かれた.繰り返される質問.前はなんて答えてよいのか自分でも良く分かっていなかった気がする.でも今度はその理由が自分でちゃんと分かっていて,それを答えてやれば良かった.でも,それって何を意味するのだろう? 自分と彼女の間をどうする言葉なのだろうか.
「ねえ,どうして」
 繰り返される質問.答えないという選択肢が選べないのなら.もう何も考えることは出来なかった.だってその理由は唯一でかつ万能で,もし答えるのならそれ以外にないのだから.
「それは……」
「……それ,は?」
 繰り返される質問.そして初めて,それに対する正当な答えがアランの口から紡がれた.
「うん.言うよ…….君のことが好きだからだ」
 リーの体が少し震えたのが分かった.正当な答えだったかもしれないけれど,それを告げてよかったのかどうかはよく分からない.
「……そんな,それって」
「もう一度言おうか,君のことが好きだからだ.愛してる,一緒に帰ろう.こんなところに居ないで,僕と一緒に暮らそう」
 でも告げてしまったものを取り消すことはできず,そしてそれが唯一で万能であるが故に,もう一度確認されたところで同じ答えしか返せない.
 腕の中でリーが泣き始めた.
「……やっぱ,ダメ,かな」
「ずるい……」
 リーの声がアランの耳に届いた.
「ずるい.あなた,ずるいわ.そんな,だって.だって,こんな風にして言われたら,だれだって,私もそうなのかなって,思っちゃうじゃない……」
 よく,分からなかった.リーは泣いていたけれど,少なくとも拒絶の色は見られないと思った.思いたかっただけなのかもしれない.
「お願い.お願い,私をここから攫っていって.父さんから私を奪っていって.これからはあなたが私の傍に居て.お願い.また父さんを呼んで泣き出しても,きっと傍に居ると約束して……」
 ぼろぼろと泣き崩れるリーに対して,アランは契った.


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