_なんだかんだってCivilization IIIの日本語版を楽しみにしている私.見栄張ってTest of Timeを英語版で買ったらさっぱりわかんないという罠に嵌められたので.自分の英語力のなさに落胆.いや,実際洋ゲーって英語だと凄く格好いいんですけどね.というか,日本語が恐ろしい勢いで格好悪いだけか.デザイン的に日本語で表示できるように考えられてないことが多いから.でも,ゲームプレイできないんじゃ意味ないし.もっとも,Test of TimeはCivilization IIとルールの変更は無いので,Originalならプレイできたんだけど.FantasyとかScience Fictionとか,面白そうなのはことごとく分かんなかったなあ.辞書片手,翻訳ソフトもう片手に頑張ったには頑張ったんだけど.
_しかしCTPみたいな死にそうな訳だったらやっぱりさすがに嫌だ.
_Angelic Serenadeの絵って可愛いよね.凄い可愛いよね.いや昔から工画堂のくろねこさんちーむの絵は可愛かったんだ体験版は何気にタイムトライアル的な別のゲームになって遊べてよかったしほら.どうよそこんとこ.音ゲーも嫌いじゃないし.とかなんとか言いつつも結局本体買わずに300円で売ってたプレリュードブックとかいうのだけ買ってるあたりがかなりの根性無しというか中途半端というか.いやここで絵買い決行してたらそれはそれで色々ダメな気はするのだがそれはともあれだ.オッドアイだったり言葉を知らなかったり光を知らなかったり色々やりすぎ具合が色々昔っから色々素敵だった色々くろねこさんちーむだけど色々どうなのよそこんとこ色々.よく考えたら私工画堂の作品ってひとつも持ってないわ.体験版で三日以上遊べたし.なんか別のゲームと化してたけど.
_でもインフィニティ・ゼロを絵買いしてるあたりは隕石な勢いでダメ加減発揮中.いやだけどE.G.三冊と猫の地球儀二冊もちゃんと揃えたぞ.インフィニティ・ゼロと一緒にだが.その辺なんかダメだもう.鉄は多分無理だから借りる.そんなわけでよろしくE.G.貸してくれた某人.あ,あと空の境界もお願いしたいな某人.どうだ自販機で買うと賞味期限切れてたりする缶コーヒー一本とかで.何で缶コーヒー.ていうか何で賞味期限切れて以下略.自販機から買うときはちゃんと賞味期限確認しましょう飲み終えてから気付いても遅いです.でも飲み始める前に気付いてもどうすればいいのかなだって自販機に文句言っても駄目っぽそうだし.そうか飲み終えても気付かなければいいのかこれで万事解決.してないような.あれ何の話だっけ?
_組み合わせ爆発は甘くない.先の予測が現実的に不能であることに意味があるのであって全部詰めてしまったならゲームにならない.ゲームを潰してやろうかと思ったけど,計算したら馬鹿げた数値しか返ってこない.ゲームになっているからにはそうなって当然なのだがあまり納得がいかないのはなぜだ.私が嫌いだからか.せいぜいSETI@Homeみたいなことでもしない限りこれを有効時間内に計算しきれるだけの演算能力は今のマシンにはあるまい.しても出来るやら知らんが.もっとも暗算で適当に数値弾いただけだからどこまで正確やらわからんのだが.
_何の話かって? リバーシの話.オセロとも言う.初手は四通りあるが対称図形で解決可能なはずなので本質的には一手だ.そこから先は分からん.とてつもなくいい加減な暗算で大体260通りくらいあるって話になったがいい加減なのでどうか分からん.が,これがたとえ250だろうが270だろうが,一般家庭のパソコン一台で全ての盤面を計算しきろうと思ったらいずれにせよ馬鹿げた時間がはじき出されるに違いない.計算に一年掛かろうが百年掛かろうがそんなもん計算する気にならんのでどうでもいいのだ.
_まあ,結局のところ,リバーシはランダムな要素がない以上,無限の演算能力があれば全ての盤面を計算できるはずで,計算できたら双方が全力を尽くした場合という仮定の元では先手必勝か後手必勝か,でなければ必ず引き分けかのどれかに落ち着くはずで,要はそれがどうなるのかなと思っただけだ.チェスなんかもそうなのかもしれんがリバーシに比べて組み合わせの爆発力が強そうだ.直感だが.逆に言えばチェスよりも全計算は現実的なんじゃないかなとかちと思っちまっただけである.なんにせよ未来は分からんから面白いのかもしれない.
_あんまり考えずにこんなこと書いてると恥ずかしいことになりそうだ.まあいいか.
_とりあえずのところ前に言ってたファイルまとめをやってみた.Perlでスクリプト書いて一括変換.ついでにヘッダとフッタも入れ替えて日付バーも直す.結構面倒そうだなと思ってたけど割と簡単に出来てしまったのでまあそれはそれでよし.こういうことするにはPerlは強いな.まあもともとこういうことするために作られたようなもんか.これでぐっとファイル数が減りまして楽になったことで.今後何かするときにもabcとかいい加減なファイル名が消えたってことでそれはそれなりに価値が有り気.ホントかなあ.なんか一覧が見辛くなっただとかひとつのファイルが大きすぎるだとか問題の方が多いような気がするんだけど.まあ,いいか.
_流行ってるのかな秋桜の空に.プレイ終了時点で気力がなかって感想書かなかったけど書いときゃよかったかもしんない.今からでも遅くないんだろうが,まあ.なんかあれのこと考えると何も言えなくなる.ONEと比べられやすいところがなんとも可愛そうだけど,本質的には違うものだろうと思う.それは前も言ったか.内容に触れつつ書くなら感想のとこにちゃんと書かなきゃならんのだろう.が,いかにいい作品で気に入っていようとも,書き辛い何かがある.昔の形式が邪魔なんだと思うが,それは秋桜に限ったことじゃない.かといってこれは秋桜特有なのかと聞かれると,それもどうなのか良く分からない.
_秋桜の空にに関してはなんかそれなりに真面目に何か話したような気がするのだが,実は前述リンク先とおまけは所詮おまけだったということしか書いてないことに気付いた.もしかしたら私はあれで全部言い尽くしたと思っているのか.事実言いたいことの大半はあれなのだろうが,しかしまだ何か言い足りないものがあるような気がする.結局は書き方の問題なのか.内容はあれでいいが,もう少しいい表現があるのではないかとか,そういう程度に.いずれにせよ良く分からない.でなければ,表現できない.
_疲れた.いや,朝から晩までついでに徹夜気味でぶっ続けCivilizationなんぞプレイしてりゃそりゃ疲れもするか.そんなわけでCivilization.今回のはIIIの日本語版.CTPと違って正当な後継者.CTPも悪くないと思うけどね.実は操作性に関しては一部CTPの方が良い気もしたり.
_それにしてもやたらめったら初期の川が重要になったっぽい.いや昔から重要ではあったけどさ.とりあえずのとこチュートリアルとかなんとかあったもんでそれではじめたら酷い目に合った.水がねえ! 海から灌漑出来なくなったみたいなのだな.そりゃ塩水で灌漑したくないだろうけどさ.水が無い水が無いとぶつぶつ言いながらプレイしてたらいつの間にか世界を敵に回してて敗北.ダメじゃん.外交画面もかなり変わったのね.何がどうなったのやら.あと氾濫原.氾濫原って一体何よ.ただの沙漠のくせしやがって川が流れてるだけで灌漑すると食料4でやんの.食料4! うおー.すげー.川凄いぞ.でも川が通ってない沙漠はいつも通り生産性低いもんで,その辺含めるととんとんってところか.と思ったら.プレイ三回目にして初期土地氾濫原,エジプトじゃないのにエジプト文明かなでもラッキーとか思って始めたら疫病にやられてほぼ壊滅状態.うわーん.疫病怖いよう.大体公衆衛生を手に入れる頃には氾濫原じゃなくたってなんとでもやってけるんじゃないの?
_資源の扱いも大分変わったみたい.都市スクウェアに突っ込めばそれでよしってわけじゃなくてちゃんと道路引っ張らないとダメなのね.でも贅沢品とかは道路さえ引いてやれば全都市にいきわたるからそれはそれで便利なのかも.とか思ってたら全然見つからないでやんの.昔通りの天然資源はそれなりに転がってるみたいだけど.あと軍事資源なんてのも出来たらしくて硝石がないとマスケット兵作れないし石炭と鉄がないと鉄道引けないとかいうなんつうかもっともらしい制限が.石油は枯渇しやがるし,いっつも自国領土の中には石炭無いし,そしたら1スクウェアだけ向こうの敵国領内に石炭とかあるし.石油とかあるし.ゴムとかアルミとかあるし! ああ資源戦争のなんと虚しきこと.ていうか発端は資源戦争だったはずなのにいつの間にか大陸戦争になっててひとつ文明滅んだし.もうひとつ壊滅状態になったし.
_とりあえずのところ開拓者と労働者が分離されたのは扱いやすくてよさげ.開拓者はちゃんと二単位消費するようになったし.少なくとも明示的に食料を消費しなくなったのはありがたい.それと領土問題がちゃんと境界線引いて解決してくれるあたり分かりやすくなってよさげ.文化ポイントとか頑張って上げてくとお隣の都市寝返るしな.でも沙漠のど真ん中なの都市は寝返ってくれなくてもいいです.突っぱねたら突っぱねたで鬱陶しいのは確かなんだけど.ところで汚職と浪費が昔より酷くない? ちと辛いぞ.どないすりゃええのん.
_ところで今戦争ふっかけられて困り気味.おのれローマめ.いやお願い話聞いて.話せば分かる.多分.つかそもそも聞く耳持ってもらえないんじゃアレだが,まあ戦争なんてそんなもんか.というわけなので何とかしてくる.じゃ.
言われた通りに学長の部屋を訪れたアランは,扉を数回叩いてから開いた.閉まっていた時は全然聞こえなかったのに,突然女の子の泣き声が聞こえて彼は少しうろたえた.
泣いている女の子は正面の机の前.一瞬誰なのか全然わからなかった.むしろ知っている人であることに気付いて驚いた.白い少女.さきほどリーと名乗った.
学長はその右側で,毎度ながら謎の扉のあるところだ.学長はめったに学外に出ないから,おおむね学長の寝室を兼ねる私室あたりだろうとアランは見当を付けていた.そうでなければ真面目に寝泊りできるような場所は無いのだ.わざわざ毎晩身を隠して外に出る必要もなかろうし.
それにしても同じ部屋に泣いている人間が居ると言うのはなかなかどうしていいのか迷うものだ.というか非常に困る.さらに言うとアランはその原因すら分からなかったし,なおさら何をしていいのやら分からない.
「ああ,アランか」
学長は割と落ち着いているように見えたが,それは多分,泣いている理由を知っているからなのだろうと思った.
「アラン.渡すものがある」
が,そう言って奥の部屋に入っていってしまったところを見ると,もしかしたら彼も困っていたのかもしれなかった.いや,違うか.泣いているリーが困るだろうから,二人は退出せよということなのかもしれない.
いずれにせよ,何をしていいのやら分からなくなっていたアランは,呼ばれたのかどうかもよく分からないにもかかわらず奥の部屋へ向かった.入って扉を閉めると,聞こえていた泣き声は完全に閉め出された.何か,少し悪いことをしたような気分になる.
結局,奥の部屋は寝室を兼ねる私室で正しかったらしい.寝台に食器棚に台所,一通り生活のために必要なものはそろえられているらしく,実際のところ割といい環境なんじゃないだろうかと思った.少なくとも今アランが住んでいる家なんかよりは良さそうだ.どちらかというと学校から出なくてすむことが利点か.遅刻しなさそうで良さそうだと思ったが,もっともいくら学校に近くなっても得てして遅刻とはするものである.
「アラン.新しい杖だ.教師証明の.ただし気に入らなかったら自分で作り直して良いぞ.わしのところへ持って来れば証明刻印してやる」
そう言って,学長は杖を投げてよこした.反射的に受け取って,果て自分は何故ここに着たのかと思い出した.泣き声のせいですっかり忘れていた.
「あ,あの……?」
てっきり勝手に地下図書室に入ったことのお咎めなのだろうと思っていたのだが,違ったのか.
「それと,あの図書室だが」
が,そんな話題になったようなのでやっぱりかと思って居住まいを正すアラン.
「あの封印が解けるなら閲覧は自由だ.だが図書の持ち出しは禁止,そこで得た知識の管理も自己責任で行うこと」
と思ったら.なんか普通に良いらしく拍子抜けした.もっとも,ある意味自分ならどうにでもなるだろうという自信も無いわけではなかったのだが.
「……アラン」
また呼ばれて,肩透かしを食らった後だったので,もう一度姿勢正しなおした.
「教師の杖を与えたからには,お前はもうどの講義にも出席する必要は無い.だがそれとは全く無関係にひとつ頼みたいことがある」
しばらくの間,学長はアランを見たまま何も言わなかった.
アランはそのまま学長を見返して,続きの言葉を待った.
「……いや,いい.わしが与えるのは講義に出席する必要がないという事実だけだ.新年明けたらまた学校に帰ってきてくれると嬉しい.だがそうでない場合はわしに一言言いに来てくれ.学校としては優秀な教師を手放したくは無いが,それでも個人の自由を縛るつもりは無い」
「……?」
学長の言葉の意味が取れず,アランは眉をひそめた.一体何を言っているのだ? 講義に出席する必要は無い.それはいいとして,学校に帰るだのそうでない場合だの,まるで自分は学校から出て行くみたいではないか.そんなつもりは一切無いのだが,そんなふうに聞こえて戸惑った.
「ところで」
アランは悩んだまま,また聞き返すことも出来ず,学長が話題を変えた.
「その杖の出来はどうかね?」
僕の新しく考えた遊びはどうだ面白いかと言わんばかりの子供っぽい笑顔で学長は聞いてきた.一瞬戸惑ったが,アランはいたずらっぽく笑って杖を軽く振ると,学長の周りに光の粉がさっと舞った.
「最高ですね」
そう言って,アランは昔の杖を,学長に投げて返した.
_大体いつも日曜日にはこんな風にして普通の日記を書いてみたいと言うかあれも書きたいこれも書きたいと思うのに,月曜日になるとそれが綺麗さっぱり消え去っているのは一体どういうことか.良くあることか.そうか.そんなもんか.現実逃避の方が生産性が高い,とはいやな法則だったか.いやだが法則は法則といった感じかもしれない.
_ところで酷く眠いです.リバーシの話は少しばかり補足しようかとか思ってはいたのですが,なんだかんだ言ってその必要も無いような気がしてきました.GameDeepのIRCログが公開状態で助かります.Whiteさんによるボードゲームと計算のお話や,jesさんの先手有利だという主張あたりが微妙に関係あるのか無いのかというあたりでしょう.あと,私が気付いた範囲でのリンク元が得尊さんと美森さんです.そもそも,囲碁や将棋はともあれ,リバーシあたりなら完全計算できるかもしれない,という大した根拠も無い感覚的な思考から簡単な計算を始めたのがアレを書いたきっかけであって,別にそれ以上の意味があったわけでもないのですが,結局のところ私はスパコンを使えるような当ては無いし,SETI@Homeみたいなことが出来るようなプログラムを組んでみようとする根性も,無いのです.
_あとは,うずらとか最近いらっしゃった美早嬢とかに絡んで,人工痴能もしくは人工無能の話,ひいては人工知能の話でもしようかとは思っていたのですが.まあ,要するに関係ないとは言わせないぞと言えるような人が確かここを読んでいたはずで,彼らとそんな話が出来れば面白かなと考えたあたりなのですが,そのあたりどうなのでしょうね.こっちはどれだけ読まれているのやら把握していないのです.そうそう,リバーシの計算話も,あのいい加減慣れないPascalと全く無関係というわけではないのですけど,などと,分かる人が読んでいるやら知りませんが言ってみたり.言ってどうってこともありませんけどね.そのうち気が向いたらするかもしれませんが,こんなこと言ってりゃしないのは明白ですか.
_妙に自分の書き口が気に食わない.自分で気に食わないのだから他人にとってはさぞかし良くない文になっているだろう.困ったものだがですます調であんなことを書くべきではないような気がした.誤解を完全に避けることなど出来まいが,少なくとも避ける努力くらいはすべきだ.
_それから.私よ,最優先とは言わぬまでも,かなり優先順位の高いところにやらねばならぬことがあろう.嫌だからと言ってやらぬのでは何も実を結ばぬ.失敗しても恥ずかしいだけで実害自身は大したことはあるまいが,しかし恥ずかしいぞ.めちゃくちゃ恥ずかしいぞ.そこが重要だ.少しは行動というものをして見せるがいい.
_春先の憂鬱ですか.隣の人に先に泣かれたら自分は泣けない.ただ,隣の人も自分と同じように泣きそうな顔しながら気丈にもそれを堪えていたりすると,なんていうか,そんなときは先に泣いた方が勝ち.春先でうららかなのになぜ憂鬱なのかという向きもあるのだが,うららかだからといってそれで心まで晴れやかになれるのなら,いや,それが健全というものか.だがまあ,今日は少し寒かった.まるでここのところの暖かい天気にいじけたかのように部屋の隅でちぢこまっていたストーブに,久しぶりに火を入れた.
_空の境界を借りてきた.ありがとう貸してくれた方.やっぱり自分で見つけたらもしかしたら買うかもしれないけど,とりあえず読んでから決める.純粋に所持金の問題とかで.なんにせよ私の場合,金の消費が激しいのではなくて,浪費が激しいのだ.それにしてもこんなに分厚いとは思ってもいなかった.せいぜい青本くらいのサイズで青本くらいの厚さだとずっと信じていたのだが.長いからと言って放り出すほど読書嫌いではないし,最初の数行を読んだあたりの感触では多分読めるだろうと思う.読めるだろうと思うが,それにしたって分厚い.何が言いたくてこんなに書いたのか.でも人生なんて語りつくせないという,誰の言葉だったか,それは得てして言えているのかもしれない.
_ちまちまと進められているCiv3.徹夜せずにプレイしようと思うと1ゲーム終えるのに数日から数週間掛かることもあるが,まあゲーム内部では6000年の歴史が展開されるのだからそんなもんだろうか.問題はどこで止めていいかが分からないところだな.止めようと思いつつやっぱり半徹に突入とか.シミュレーション好きには間違いなくお薦めできるのだけど,みんなそうでもないのかしら.いや,もっとも,シミュレーション好きには麻薬化して徹夜が避けられない事態に陥る危険性が高いので,それで買い控えて居る人もいそう.
_なんだかんだいってローマとは戦争と和平を繰り返している模様.政治形態が民主主義なので戦争してると色々市民が暴動を起こしまくる.要するにできれば戦争はしたくないんだが.なんたってこんなに絡んでくるかなあ.欲しいものは何よ.お金も贅沢品もタダで貢いでるっていうのに.いいもんそっちがそういう態度なら反撃しちゃうもんね.難易度低い設定だからこっちが有利だもんね.いや,もっとも戦闘に関しての難易度修正はなかった様な気がするけど.しかし4つ程都市を占領したというのにまだ和平交渉に応じない.なぜだ? 徹底抗戦のつもりか? 確かに戦争ふっかけてくるだけあってそれなりの軍備は整ってるみたいだけど,アップグレードしてないらしくて時々槍兵とかが都市防衛に当たってるのよね.戦車で槍兵を蹂躙するなんてことしたくないんだけど.とりあえずのところ,最近ようやく爆撃機や大砲ユニットの爆撃命令の有効な使い方が分かってきた感じ.
_ところで,そろそろ都市数が多すぎて汚職と浪費が馬鹿にならないんだけど.というかむしろ,都市数が増えすぎると汚職だのなんだので管理できなくなるというより,プレイヤーが管理するのが面倒になってくるほうが問題だったりとか.
_人は言語思考をしているからにして,言語を変化させれば思考が引きずられるのは当然のことだ.日本語で考えれば日本的な,英語で考えれば欧米的な考え方が適用されるのである.事実二ヶ国語を話す人に,別々の言語で同じ意味の質問をしたところ,違う答えが返ってきたという話だってあるのだ.文字はただの表記ではない.そう考えるのは別におかしいことでもなんでもない.むしろ言葉を大切に思うからこそそのように思えるのだ.まして言語のみならず,絵で考えること,音楽で考えること,それらをも含めるならばそう思ってこそ当然なのではないか.
_私は言葉を大切にしたい.丁寧に扱っていきたい.もっとも,ときには乱暴に扱ってしまっているようなこともあるかもしれない.だが少なくともそのつもりだけはある.そうしていれば,たかが表記と割り切れないところへ,自ずとたどり着くのではないだろうか.何を大切にするかは人それぞれだと思う.何に価値を見出すのかは人それぞれだと思う.だから,そう思わないからといってそう思えと自分の価値観を押し付けるのは何かがおかしい.でも,自分の大切にしているものが他人に大切に扱われていないのを見たら,人は悲しかったり悔しかったりするはずなのだ.
_光を恐れ全ての漏れ来る光を遮って闇に隠れようとする心理と,闇を恐れ僅かの漏れ来る光を求めて光に晒されようとする心理は同じだろうか? 一筋の光も届かぬ闇の中で視覚が機能しないのと同様に,僅かの影も無い光の中でも視覚は機能しない.完全なる黒と完全なる白はそのような意味で同義となりうるかもしれない.だからといって,光を恐れる心理と闇を恐れる心理が同じかどうかというのは,どうなのだ.そんなもの.
_ところで,何の関係も無いのだが,今日って土曜日だったのか.うむ,色々良くない気がするぞ.
新しい杖を貰って部屋を出たら,そこは泣き止んだらしいリーの姿があった.本を胸元に抱え,机の後ろにある窓から外を眺めているようだった.
アランが出てきたことに気付くと,リーは体ごと回転させてアランのほうを向いた.さっきまで泣いていたのだから,もしかしたら顔を見るのは失礼かもしれない,そんなことを思って目をそらしかけたが,別になんてことはない普段の顔だった.ただ,どこかその青色の瞳に違和感を感じるのは,気のせいではないと思った.ずっとこんなだっただろうか,少しばかり考えはしたものの,実際出会って間もないアランには分からなかった.
「えっと」
アランは口を開きかけて,何を言っていいのやら分からなくなった.そういえば彼女は図書館に入りたがっていただけで,どうやらその目的は達成したらしいから,自分との繋がりはもう無いような気がした.このままさようなら.それで十分だ.多分.
だがリーが動かないのを見て,ようやくその視線に気付いた.どうやら学長から貰った杖が気になるらしい.銀色をした金属製の杖で,先は丸く膨らんでいた.それより少しばかり下のほうに三つばかりちいさな金色の金属円盤が埋め込んであって,芯の部分はまばらだが精巧な模様が描かれていた.そして持ち手の部分には包帯状の布が巻きつけてある.
とりあえずのところ,普通の杖だった.魔法使いの杖といったら,こうやって師匠や先生から渡されるか,でなければ自分で作るものが殆どで,そういった杖は使用者に良く合うように作られている.そういう意味では杖とは全て珍しいといっていいものだが,それでも普通にある杖と大きく違って奇抜であるだとかいうことはない.特に珍しがるものでも無いような気がした.
そこまで考えてようやく,気になっているのは先ほど持っていたのと違うということなのかもしれないと思い当たって,アランは慌てて説明を付け加えた.
「ああ,えと.僕は来年からここの学校の教師になるんだ.それで,教師用にってことで,新しい杖を」
その言葉に反応したのか,リーは顔を上げてアランを見た.少しばかり不思議そうな顔にアランは戸惑った.何か変なことを言っただろうか.
だがすぐ後にその表情は消え,今度は何かに気付いて少しばかり慌てたような顔で,言った.
「あ,おめでとう」
一瞬,なんのことか分からなかった.が,その言葉がどうやら自分が教師になることに関しての祝辞であるらしいことに気付いて,苦笑する.
「いや,別に,そんなこと言われるような事じゃないんだ.別にここの教師になったからといって別に凄いことなわけじゃなし――」
「どの口がそれを言うか.教師の最年少記録を2歳くらい更新しとるぞ」
「でも,それはなんていうか,学長の気まぐれみたいなもんだし――あ」
思わず続けてしまってから,その発言が後ろに居る学長のものだと気付いてアランの動きが止まった.
「わしが気まぐれで教師資格をやると思うかね?」
アランはそれを笑って誤魔化した.
「まあ,謙遜するのを止めはせんが」
学長はそこで打ち切って,リーの方を向いた.
「ところで,リーよ.そなたの父親は,そなたの名も一緒にわしのところへ置いていったようじゃぞ.まったく重大な責任を押し付けていきよったものじゃ」
かなり呆れた調子でぼやく.リーはそれを聞いて,緊張気味の面持ちで学長を見た.
「じゃが.残念なことに,それ以上のことは何も言えそうに無い.申し訳ないがな」
リーは,表情も態度も変わらなかった.でも,アランにはリーが落胆したように見えた.少しも動かない表情が,むしろそれを語っているように見えたのだ.
「さて,リーよ.魔道士は名を持つ.意味は良いか」
リーは頷いた.では,と,学長も頷いて続けた.
「そなたの名はわしが既に言った.分かるか」
リーはしばし黙ったまま動かなかった.しばらくの後,何かに思い当たったらしい.強い無表情で,ゆっくりと頷いた.
――魔道士オーヴェルの娘リヴィア.
それが,父親と自分の名であるらしかった.
_Intelから資料落としてきて簡易ハンドアセンブルの巻.いや,なんていうか別にそれが必要ってわけでもなかったんだけど.なんとなく楽しそうだったのでちょいとばかり試してみた.ハンドアセンブルとはいえ何せ簡易なのでなんてことはない,適当に簡単なCコード書いてコンパイルして,それをバイナリエディタで開いて数値書き換えるという馬鹿げたことをしてただけである.ていうかそれハンドアセンブル違う.いずれにせよまあ,そんなハンドアセンブルもどきが楽しいのは一度Cをコンパイルしたものを弄っているため作業量が極端に少ないからで,こんなものを一から真面目にアセンブルしてたらそりゃ楽しくもなんとも無い.大体コンパイルしたものを変更するのでさえ楽しいのははじめのうちだけで,しばらくすると当たり前だが面倒になってくる.目の前にCコードがあるんだからそっち弄れ.大体最近はアセンブラで書くよりもCでちとばかし考えたコード書いたほうがコンパイラの最適化のお陰で実効速度が早いってんだからあんまり弄る意味はなさげだ.とりあえずNOPが0x90ってのは覚えた.そんなもん覚えてどうするんだ.
_でもまあ,アセンブラくらい真面目に勉強しておいて損は無いような気もする.のだが,確かいつぞやの試験の時にはCASLだかなんだかっていうアセンブラの問題をやった気もするのだがあんなものはなんていうか意味あるのか.とりあえずのところ,なるほどこういう風にして動いてるのかっていう実感は得られるのかもしれないがそこまでだ.実際に逆アセンブルされて表示されるひたすら複雑化したPentium系のアセンブラコードが読めるようになるわけじゃないし,読めたところでそれをなんとかできるかといったところでそうそう簡単ではない.無条件ジャンプ命令ひとつとっても跳び方によって命令が違うらしく大量すぎてわけが分からん.大体命令長が一定じゃなくてどこがどれなんだかわからん.いずれにせよめんどい.コンパイラを作った先人たちに感謝.
_なんていうか私ってば断続的かつ中途半端にアセンブラ触ってるんだが.そいつは役に立っているのかどうかよく分からないのだが,多分全く役に立ってないわけではないと思う.普段目に見えて役に立ってるわけでもないが.まあ,真面目にプログラムやるならアセンブラくらい少しは知っとけ,とかいうのには同意しとくあたりでとどめておく.
_アセンブラを勉強して得られる利点は,コンパイラを作った先人たちに心底感謝できる,っていうところなのかもしれない.とか今ちょっとだけ思った.ていうか,アセンブラ勉強しなくても感謝くらいしろよなおい.
_空の境界.一章だけ.とりあえずのところ,なんていうかこの人はこの人だ.もちろん褒めている.客観的にどうこう,という問題はともかくとしても,主観的にはそこんじょそこらの商業品よりも出来は良さそうという印象だ.ちょいとばかり分かり辛いが,そこが分かる賢い人間が読んだらどんな感想を持つのだろうな.その微妙な表現の中に埋め込まれた仕掛けの捌き具合はまさに華麗と言うが正しい.結局のところ私はこういうのが好きらしいのだ.
_おっと.そういえば,この本は誰かさんと私でどちらが早く読むかで賭け事が行われてるんだって? 賭け事は感心しないなあ.え,行われてない? まあまあ,そう言わずに続けさせてくれよ.賭け事ってのは情報戦さ.とりあえずのところ情報はまだ何もないとすれば,要するに勝つ確率も負ける確率も等しく二分の一ってことになる.だがこれじゃあ賭けても面白くない.やるんだったら手元のコインで十分だ.だがコインでやらない理由といえば,まだその確率をひっくり返せるかもしれないからさ.ん? コインでも出来る? それはイカサマって言うんだ.覚えておいてくれよ.
_まずもって,とりあえずのところこんな勝負ではどんな些細なことでも情報になる.例えば私が何か他事で忙しいとでも分かれば,相手が勝つ確率が僅かながら上がるだろう.だがさらに相手方についても,例えば無類の本好きであるだとか,そんなことが分かればまた確率は変動する.そんな具合だな.この場合において私が聞く限りでは確か,相手方は何か言っていたのではなかったかね? 一ヶ月くらいかかるだったか,月末までかかるだったか,いや良く記憶に無いんだが,こういうのもいい情報源だ.もちろん本人がそう言ったからといってその通りになるわけでもあるまいが,これを上手く確率に組み込んでやるのが上手いやりかたってもんさ.あとはもう,自分がどれだけ情報を集められるか,そしてその情報をいかに適切に評価できるかにかかってる.賭け事ってのは運の世界じゃない,実力の世界って奴だ.こんなときにも,いや,こんなときにこそ,確率だとか統計だとかいった数学は強力な武器になる.
_んー,あとは,この場合だと,片方に早く読んでくれだとかお願いするイカサマすれすれの方法だって考えられるな.そういうことしていいかどうかは賭けの話をする前にお互い決めておいた方がいいかもしれないね.それはともかくとして,そんな話を私のほうに持ちかけるのだとしたら,賄賂でも持ってこない限り動かないと思うから注意してくれ.おっと,こんな発言も貴重な情報源かね.でも,賄賂贈って負けたら泣き面に蜂って奴だからその辺も考えてくれよ.
_さて,最後に一般に言う賭け事ってやつをするに当たって注意点だ.ここで言う賭け事ってのは,思い切って意中の女の子に告白して了解が貰えることに賭ける,とかいう人生の賭けとはちと違う,まあ,なんだ,カジノって言えばいいのか? なんか変だがまあその辺はともかくだ,重要だから良く覚えとけよ.賭け事は運じゃなくて実力だってのは分かってもらえたと思うが,困ったことに,それを逆手にとって所謂胴元ってやつは必ず儲かるように出来てる.客寄せとか特別な事情が無いかぎりはね.数学っていう魔法の世界は,簡単に胴元が儲かるってことを証明してくれるはずさ.胴元だって馬鹿じゃないからね.時には大勝ちすることもあるかもしれないけど,全体でみたら必ず負けるように出来てるってこと.賭け事っていうのはそういうもんさ.多少のスリルを味わうにとどめるが吉ってもんだ.もしくはスリルを買うって感覚だな.程よいところで止めとけよ.おっと,そうそう,逆に言えば自分が胴元をやるときにはヘマするなよ.数学っていう反則すれすれの道具は必ず儲かるようにしてくれるはずさ.もっとも,客が入らなきゃ儲からないのはどこの店だって同じだけどね!
_などと妙な口調で喋ってみたが割と書きやすい口調かもしれないとか思った.賭け事に関しての一般論で今更何を言うって事もないんだけど,それでもやめられないのが賭け事って奴だろうか.もっとも,こんなこと言う人なので私はそもそも賭け事なんてしないししたこともない.もっと別の意味で,例えばじゃんけんでケーキの切れ端を選ぶだとか,そんなのも賭け事に含めるんならまた別の話だが.でなきゃここは思い切って意中の女の子に告白なんぞという人生の賭け事も含めるのなら.ところで,何気に話題の発端が空の境界の読了時期予測に関する賭け事云々なのだが,少なくとも私はそういった事実があるなんぞということは全然知らないのでそこんとこよろしく.本当に影で行われてたりしたらそれはそれで笑う.
_日も変わって間もない頃にこうやって書いておくと,毎日何か書くというノルマを達成するという観点で見れば割と楽ではあるかな.もちろん,それは午前零時を過ぎたあたりから何か物を書き始めるということで,睡眠時間を削っていることに他ならないのだけれど,そもそも最近はそんな生活が続いているから特に気にするようなことも無くなった.ただ,気にすべき事項だとは思う.健康面から見ればあまりよろしくはなさそうだ.でも,そう,ノルマを達成するという観点で見れば,精神的に楽ではあるのだ.
_空の境界は第二章まで.なんていうか結構馬鹿げた分量だろうな,これは.一体どれだけの勢いで表現を繋ぎ続ければこんなになるのやらと思う.でも長く楽しめるのは利点としよう.値段的に言えばライトノベルが五冊分か六冊分といったあたりか,変な基準だが文字数的にいってもそんなもんだろう.そう考えればそれほど馬鹿げた量だというほど馬鹿げてもいないのかもしれない.ただ,なんていうか,私にとっては読んでいて長くないのか長いのか感覚が狂うような出来具合だ.作品自体がどうこうではなくて,こうやって断続的に読んでいるのが原因なのかもしれないけれど.
_読み始める前にたまたま聞いていた月陽炎のタイトル曲が居残って本の雰囲気に合わなかったので,歌月十夜を持ち出してきて曲を流してみた.実に良く似合う.多分,曲に合わせてシナリオが書かれたわけではないのだと思う.シナリオに合わせて曲が書かれたのだ.BGMはバックグラウンドというだけあってあまり目立つ存在ではないが,BGMとしてなら月姫や歌月十夜の曲は良く出来ていると思う.これらの曲に対して単品で聴くだとかそういうのはちょっと違う気がする.これはまさに最高品質のバックグラウンドミュージックであって,目的となる表現と一体となってこそその真価を発揮する.そういう観点で言えば,AIRなどは,曲が一人歩きしていた.BGMとしても良い出来だったことは間違いない.でも,ここまで徹底してシナリオと一体となるような曲じゃなかったのではないか.曲も良し,シナリオも良し,絵だって良し.各々が自分の個性を発揮する登場人物として活動し,全体を盛り上げたのがAIRなのだとしたら,月姫の曲は登場人物をあくまでひっそりと盛り上げる衣装や小道具としての役割を,果たしすぎるくらいに果たしているのだ.立派だ.
_トップにも最新雑記数日分を表示できるように,雑記更新スクリプトを書き直した.のか,スクリプトを書き直すついでにトップにも表示できるようにしたんだか分からないが,とにかくそうした.色々ごちゃごちゃしてて分かりにくかったのを一新,気分新たにはいいかもしれんがバグに怯えることに.やりたくないねえ.だが問題は,トップにも最新を表示できるようにしたにもかかわらず結局表示していないのである.強烈な違和感に耐えられなかった.あまりにも違いすぎるのである.今までのこの雰囲気を保持したままトップの色合いに合わせようと苦心しそれなりの設定にはしたのだが,問題はデザインより場所そのものなのかもしれない.スクリプトを全面的に書き直したので,それほど手間をかけずとも最新雑記を好きなファイルに埋め込めるようにはなったが,現実的にはここかトップ以外に埋め込む意味は全く無い.ダメだダメだ.全く何やってんだ.もっともスクリプトの書き直しはいつかやろうとずっと思っていたので,それはそれでいいのだが.
_なんでトップに表示しようかと思ったかというと,まあトップに表示してる人が増えてきたから,というのもあるけれど,どちらかというと,なんだかアンテナから最新に跳んできて,その後わざわざトップに戻るという人がいらっしゃって恐れ入ってしまったからだ.トップから最新なのはいいのかっていうといいらしい.その辺の価値基準は実に怪しげだが,ともあれその戻るという発想に素直に感心したのは事実である.カウンタを回してくれるためなのかそれとも意味不明な一言を見るためなのかでなければ両方なのかその理由は分からないが,逆転の発想というかなんというか,いや,ホントに驚いたのである.そんなもんで驚くなとか言われそうだがとにかく驚いたんだってば.というわけでなんとなくトップに置いてみようかとか思っちゃったわけである.思っちゃったわけだが,やっぱダメだ.このままにしとく.なにせこんなに凄い勢いで引き止められるとは思ってもいなかったのだ.スクリプト書き換えて,色とか配置とか考えて,昔の文を持ってきて試しに見てみて,更新履歴にも表示場所増やしたよと書いて,さてトップにも表示するようにしたよよろしくねとかいう文を書こうかと思ったその時というか数行書いたその時,やっぱダメだ.突如そう思ったのである.直感である.ここまでやっといてやっぱダメかよ.そりゃないぜ.だがやっぱダメなもんはダメなのである.ダメだった.
_ところで,先ほど述べたアンテナ等から跳んできてその後左上のアンカーからトップに戻る
という見方は所謂通の見方らしいので,みんなして通になってくれるように.
_あれ?
_いや,そんなことはどうでもいいのだが,ようやくわかった.そんな通な彼女,じゃなかった,彼はキーボードの達人なので,おそらくTab+Enterという一連の動作によってそれを実行していたに違いない.なるほどそうだったのか.それならばトップから来て最新に飛ぶより楽ちんだ.すばらしい.
_真面目な話,実際Webブラウズにキーボードを使うっていうのはCUIならともあれGUIでは結構珍しいと思っていたのだが,これが使ってみると意外と便利だってことに気づいてみたりした.アンカーを移っていくのに使えるのはせいぜいTabキーくらいしかないので量が多いとそれなりに面倒になりがちではあるが,場合によってはTabキーで移っていくのもなかなか快適である.スクロールはそもそもカーソルキーやPage Up,Page Downなど豊富に揃ってるし,Back Spaceで戻れるのも悪くない.いやBack Spaceは昔から使っていたが.ともあれマウス併用のブラウジングはそれなりにお勧めである.あとは言うなればキーボード左側にEnterキーがあれば左手キーボード右手マウスが快適で良さそうなのだが.キーバインド変更してCaps LockあたりをEnterキーに摩り替えてしまおうか.Webブラウズ以外にも便利そうだ.
_なるほど,通の見方である.
_本来対であるべきものがひとつであること.そのはかなさ,そのいじらしさに,心打たれるときがある.片翼,片腕,片目.失われるのは右で,残されるのは左か.
_ふと思い出して自分のとこ見てみた.その通りだった.銀機構は右目を失った隻眼であるらしい.
_一体,何を
_どうにもこうにも,毎度ながら妙に根拠の無い中途半端な自信よの.失敗しても恥ずかしいだけだしいいんだけど.いずれにせよ,もしかしたら失敗するかも,と思ってやるより,絶対に大丈夫だ,と思ってやるほうが成功率は高いってのは,経験則からして間違いない.とりあえずのところ,必要な知識以外は抜かりないはずだ.なんていうか,要するに必要な知識の詰め込みは完璧に抜かってるんだけども.いや,いいのかそれで.まあ,長期的には良くないかもしれないが,とりあえずのところはそれで十分だ.あとは信じることそれだけ.よし.
「うっ……」
右手の指に強く焼かれたようなひりひりした痛みを感じて,リーはその右手を反射的に引き戻した.視界が暗いのはまぶたが閉じているからだ.なんとか現状を把握しなければならないと彼女は思った.引き戻した右手の感覚は何かおかしかったが,左手はなんとか正常のようだ.しかし普通手放さない杖は握っていない.いつ離してしまった? どこにある? 左手を動かして,今の自分の状態を探った.地面は砂だ.砂か,小石.砂を掻き分けるとそう深くないところに硬い岩のようなもの.そこに自分はうつ伏せになっている,らしい.
ひたすらに力の入らない体に無理を言わせて,彼女はようやく上体を起こすことに成功した.少しずつまぶたを開いていくと,やけに強い日差しが目に入ってくる.左手で目を擦り,何度か瞬かせて,ようやく光に慣れてきた.それでも視界がはっきりしないような気がする.だがまず自分の状態の確認.
右手.火傷のような痛みだと思っていたら本当に火傷のようだった.赤くなって腫れてしまっている.杖があれば,応急処置くらいは出来たかもしれない.ひりひりした痛みがずっと続いて,リーは顔をしかめた.かなり汗もかいたらしいし,しかも砂の上に居たから,いつもの白いローブは薄汚れていた.だが,それとあまりにも酷く違う不健康なまでの白い自分の肌を見て,ようやく,杖が無いせいで水の加護が失われていることに気付いた.いつもならそんなことないのに.どうやら,思考能力も大分緩慢になっているようだ.
……というか,暑い.
酷く暑かった.思考が緩慢なのはそれのせいもあるかもしれなかった.もっとも,素直に自分の調子が悪いことは否定できない.体中に力が入らないため,全体の動作も緩慢なまま,リーはあたりを見回した.
沙漠.
ただひたすらに乾燥し,岩と砂の支配する不毛の世界.
――そうか.そうだった.
父親の本.世界の気まぐれに対抗し得るものは世界の気まぐれだけだ.書いてあったことは,要するに,そういうことだった.だから沙漠に来た.世界の代弁能力を与えられた竜に会うために.そして,そこに父親も居ると,根拠の弱すぎる確信と共に.
そして,それから,巨大な蜘蛛に襲われた.馬鹿げた甲殻を持つ巨大昆虫に対して何が有効なのか分からなかったのも,足元の砂が安定しなかったことも,夜の寒さも昼の暑さも,砂嵐も,全部リーの敵で,蜘蛛の味方だった.沙漠でもやっていけるようにと思って,環境維持魔法のために幾つか宝石を持ってきていたが,蜘蛛を追いやる為に全部使ってしまった.そのまま,どうなったのか分からない.その時に,杖も一緒に離してしまったのかも知れない.色々不運だったのだ.そう思いたい.
そこまで思い出して,かなり絶望的な状況な気がした.だが,本当にそうなら,実際自分はこうして目を覚ますことは無かったはずだ.蜘蛛に襲われたときかなり日は落ちていたはずだ.どれだけ気を失っていたのか分からないが,今,日が昇っている以上は,少なくとも一夜は極寒の夜を過ごしているはずだ.でなければ,時間が逆戻りしたか.
ありえない.
では,杖も持たぬ自分はどのようにして夜を過ごしたのか.何かの保護を得た.ではその保護は何か.彼女は改めて自分の周りを見回した.
なるほど.なにか魔方陣が張ってあるようだ.大体は円形だが少しいびつな形をしている.日差しと直接の熱や冷気からの保護だろう.その魔方陣の中に自分は居たらしい.そして,寝返りでもうったのか,その拍子に右手が魔方陣の有効範囲から出てしまったのだろう.水の加護と魔方陣の保護を失った白い肌は,自身を陽光から守る手段を持たず,すぐに焼かれてしまう.沙漠の強い日差しではなおさらだったに違いない.
「くっ……」
事実,まだ痛くて,彼女は右手を包み込むようにして押さえ込んだ.
ふと顔を上げると,沙漠陽炎の向こう側に,こちらへ歩いてくる人影を見た.杖を二本持っているように見えたのは,陽炎のせいか,目がおかしいせいか,それとも,事実か.
とりあえず,動きたがらない体を叱り付けて動かして,すぐ近くに出っ張っていた岩に手を付いて立ち上がった.どうやらその岩の陰に寝かされていたらしい.が,せっかく立ったにも関わらず,そのままその状態を維持できずに,リーはそのまままた,砂の上にぺたんと尻餅をついてしまった.
立ち上がった時に上から見下ろすことになった魔法陣は,どこか,見たことのあるような雰囲気をしていた,ような,気がした.
_情報処理技術者試験,ソフトウェア開発技術者.午前と午後IIは多分切られるような点数ではないと思う.心配なのは午後Iで,足切りとかされちゃったらまずい感触.結構自信の無い問題が多かったのと,あと最後のデータベース系の問題は全く知識が無かったので殆ど解けず,筆記なので自己採点もあやふやだし危なげではある.E-R図とかSQLすら知らずに試験受けに行くな馬鹿とか言われたらすんませんと言うしかない.が,まあ満点でもぎりぎりでも合格は合格だし,ぎりぎりでも白紙でも欠席でも,受験番号間違えましたとかいう情けないことしても,不合格は不合格である.
_それにしても,基本情報処理技術者,というか,当時まだ第二種だったが,こいつを取ったのが高校生の時だったことを考えると,第一種相当を受けるまでに随分と間が空いたような気がしてならない.今回で受かっていてもこの間であるから,落ちていたらさらに間が空くことになる.いずれは取らねばなるまいが,もっとも持っているからどうだということもあまり無い気がする.名刺用こけおどしのネタか,でなければ企業の宣伝に使われるくらいのもんだろう.うちの会社にはソフトウェア開発技術者の資格を持った社員が何名おります,ってな.所詮こけおどしか.場合によってはこけおどしにすらならんのだろうな.
_まあでも,受かってるといいな.何とかなってると思うんだけどな.でも,いつのときでもマーク場所間違えたとか解答欄間違えたとか受験番号間違えたとかそういった実に情けない理由で不合格になる可能性は否定できないし,字が汚くて読めませんとかは往々にしてありそうだし,採点官が寝ぼけて以下略でという可能性も否定できない.試験なんてそんなもんである.それにしてもこれ,採点官大変だろうなあ.
_空の境界に対して適切なサイズのブックカバーが見つかってしまったので,困ったことに電車の中でも読めることになってしまった.イリヤのように表情を変えて楽しむものでもあるまいから突然ニヤッと笑って怪しい人になる確率は低めに抑えられるとしても,乗り過ごしとかいう危険は結局のところ付き纏う.背もたれにしていた扉が開いたのでそのまま外に出てしまったはいいがどの駅なのかイマイチ分からず,なんか見たことのある風景な気がするなと思ったら降りるべき駅だった,というあたり,なんていうか,まあ,そんなもんか.大概寝てても起きるあたり体が電車の時間を覚えてるとかいう話もないわけではなさげだが.
_それにしてもまるでお手本のようだ.私が見て正確なことがわかるわけでもないが,多分技術レベルはかなり高い.そしてなによりも,文字でしかできないような表現がある.いや,文字でしかというのは確かに語弊があるかもしれない.世の中には天才もいて,まるで文字でなければ無理なようなことを映像化してしまったり,はたまた音楽化してしまったりする人もいるだろうとは思う.でも,やっぱり,文字だからこそという表現ができるというのは,凄いことだと思うのだ.文字だからこそ出来ること,映像だからこそできること,音楽だからこそできること,それぞれ表現として得意な分野があるのだろうと思うが,だからといってその道具を適切に使えるかどうかは,また別の話なのだ.つまりは,文字という道具を適切に使っているということで,凄いのである.その先の凄いへ行くための必須条件かもしれないが,少なくとも私にとってそれは,酷く難しいことなのだ.
_文章を,特に表現物をレンダリングするにあたって,空行,改行,改段,改ページといったものは大きな影響を持つ.まるでこんなところで改段されるとは書いた本人も思っていなかったのだろう.間取りのための記号が入っていた.だが,思いもよらず改段されていて,その改段が実際の間取りをし,記号が半ば無駄どころか邪魔になっているように見えた場所があった.本にしようと思ったら,なかなかそういう部分は作者が制御しきれるものではない.自分で編集するのなら多少考えなくも無いのだろうが,それでもそうそう上手くはいかないだろう.HTMLも,なんか,そうだ.文章はデータで,マークアップは意味付けで,そして見栄えは飾りなので後付けだという.情報屋とか数学屋は割とそういった割り切った考え方をする.機械や数学で扱いやすいからだ.しかしながら時にはそうでない.小説などはきっぱりと,文字配置,文字サイズ,配色,そういったものもデータとして十分な意味を持つ.tableのどこが悪い.小説は機械が楽しむものじゃない.人間が楽しむものだ.コンピュータに見てもらうためにサイトデザインを考えているわけではない.人に見てもらうためにするのだ.だったら,少しでも多くの環境で同じようなデザインが再現されるようにしようとするのは当然だ.大体,人間が機械に合わせるなど本末転倒も程がある.機械が人間様に合わせやがれ.
_もっとも,自分の本業は情報系なので,色んなものを機械が扱いやすいようなデータとして捕らえようとする癖がある.どのようにすれば機械が扱いやすいだろうかと考える癖がある.そういった意味でHTMLやXMLのマークアップがコンピュータ寄りであることに実は少しも違和感はないし,そのようにすべきだという意見にはあっさり賛同してそれに従おうとするし,自分だって,そうして欲しいと言うことがある.だが,実際のところ,XMLは機械がデータを扱うための規格なのだろうからそれでいいのだろうが,HTMLはそれよりもむしろ,表現を扱う規格であるべきな気は少しばかりしたのだ.画面の配色やレイアウト,そういったものをどこの画面でも同じように再現出来るような,そんな規格ではあれなかったのだろうか,と.
_それにしても,そういうこと考えると,ヴィジュアルノベルだとか言ったか,これってのは随分贅沢な環境な気がする.文字だけを取ってみても,改行や改ページもかなり作者の意図通りに再現できるだろうし,クリック待ちという本物の間を取ることも出来るし,強制ウェイトも掛けられるし,選択肢というものを通じで複数の物語を展開できる.それらに加えて音楽や絵までも自由にできるのなら,これほどまでに自由が出来るという意味で贅沢な表現環境は他にそうあるまい.しかし,往々にして自由とは扱いが難しい.結局のところ,それが問題なのかもしれない.
_せっかくなのでカラオケオフに注文.私は参加しませんが,是非得尊さんにザ・ブルーハーツの青空を歌って欲しいかと.ブラウン管の向こう側,って奴ね.あと,人物は特定しないけど同じく青空を.ただしザ・ブルーハーツではなくてAIRの.あの海どこまでも,って奴ね.もちろんアカペラで.あとはそうだな.さらに得尊さんにザ・ブルーハーツのリンダリンダを歌っていただきつつみんなでそれに合わせて熱唱という方面で.
_ところで,徹底的にカラオケしない人は私です.そんなわけで私は参加しないので,それらをちゃんと歌ってくれたかどうかを見届けるというか聞き届けるために刺客としてくわねさんを送りつけますのでよろしく.というわけでたった今くわねさんは刺客になりましたので,ちゃんとリクエスト曲を歌ってくれたかどうか確認しておいてくださいね.よろしく.
_って,何でアンタ参加しないのにそんな勝手ですかね? 参加しないからです.
_ピロシキなる食べ物が売っていたので買ってみた.なるほどこれがあの猫に付けられた名前なのかという話であるのだがどうでもいいかそんなものは.揚げパンの中にいろいろ入っているようだ.なんていうか少し辛いぞ.一体何なんだこれは.とはいえ別にまずいというわけでもないので許す.あと何気にまめごはんだかというおにぎりが売っていたので買ってみた.緑色した豆は大豆に違いないと信じていたのだが違った.グリーンピースでやんの.材料表示見たらグリーンピースって書いてあるでやんの.とはいえ別にまずいというわけでもないので許す.ていうか意外に美味しくないかこれ.
_ところで大概体調を崩すのは休日だっていうのはどうなのか.正しいのか.そうか.しかしなんとなく悔しいのだが.
_暴言承知.お知らせしてくださった文月さんに失礼なのも承知.だが言わせて貰う.言わずにおれん.あれを小説にしてどうするんだ!
_いいからICOはプレイしろよ.小説化してどうするんだよあんなの.光と影の華麗な踊りと空気の音と草木の匂い,繋いだ手と手,異国の言葉,影の恐怖と独りの寂しさと運命に対する怒りと悲しみと,そんなものが文字に出来るのならしてみせるがいい!
_いや,もちろん分かってる.文字には文字の良さがある.文字だからこそ出来ることがあると言ったのは確かに私だ.小説化されれば当然小説らしい良さが表れるだろうと思う.ゲームの時には無かった良さが.だけどな,あれはゲームだからこそだろう? それを小説にするだって? そんなことしたらゲームであることの意味が消え失せるぞ.頼むから,とんでもないことをしないでくれ……!
_まあ,いい.小説にすること自身に私がうだうだ言っても仕方ないしな.小説なら小説の良さがあるわけで,ならそれを期待してやるのがいいに違いない.いや,もしかしたらゲームを前提にして,前後の話だとか,別世代の話だとかを書くつもりなのかもしれないしな.それなら理解も出来るし楽しみにもしようってもんだ.情報待ちもしくは完成待ち.しかし申し訳ないがかなりどうでもいい.
_ああ,自分で言っておきながら大暴言だな.
_しかし逆に言えば,秋桜の空にとかの小説は期待できると思うんだが.
_あーもう,なんか何も考えずにうだうだと喋りたいなー.とか思ったときに最高の場なんだけど明日って日曜日なのよね.別にいいんだけどどうでも.ずっとCivilizationなんぞプレイしてたら疲れちまったよ.ていうかアメリカうざい.ロシアうざい.頼むから宣戦布告とかすんな.平和に行こうぜー.そっちの要求は全部呑んでるじゃないかよもう.こっちは金も生産力も軍も無いんだよ勘弁してくれよ.難易度上げるとかなり難しいんだよなこれ.私が下手なだけか.しかし終盤核戦争になるのは目に見えてる気もするんだよなー.何故かそういうバランスなんだよな.ていうかコンピュータがやたら核打ち込んできて泣けてくる.さすがに核3本とかはキツイですよ? いや,もう,ねえ.
_Java拾ってきたよJava.なんかよくわかんないけど.ていうかさ,最近めちゃくちゃ圧力かかるんだけどJava.Rubyより凄いよホント.うりゃー,お前Java使えー,みたいな.なんでこうあちこちから圧力かかるんですか.これからはJavaの時代ですか.そうですか.まあCよりJavaってのは物凄く正しいとは思うんだけどね.とりあえずのところ良くわかんない具合だけどC++に似てるっぽい感じではあるなこれ.まあ,少々高級化されてるような気もしないでもないんけど.オブジェクト思考に関してはある程度C++で慣れてるっぽいので大丈夫っぽい.あとガベージコレクタとかいう謎の実装がどこまで役に立つんだかってあたりが微妙な気がするんだけど,ここはひとつ信用するとするか.マルチプラットフォームでどこでも動くっていうのは素敵なんだけど,きびきび動作させようと思ったら余計なマシンスペックが必要っぽいところが問題か.実際には割と真面目に動くのかもな.最近高性能化してるしな.そうであって欲しい.
_あー,真面目にJava勉強するなら何か本一冊欲しいところかなー.金が無いのが異様に問題な気がしてるんだけどそれはむしろ浪費のしすぎか.どうせだったら今日出ればよかったのな多分.まあいい,しばらくはWebのマニュアルでなんとかするか.なんとかするかっていうか,あんまり何か作る気にはならんのだけどなあ.こう,なんていうか,お約束的に電卓とか時計とかそういうのん作るか.しかしめんどい.C/C++に中途半端に似てて中途半端に分かっちまうところがたるい.が,全然わかんなかったらそれはそれで全然やる気にならんのでどうしようもないのか.Rubyとか結局使ってないしなー.Perl使えればそれで十分すぎるくらい十分だしなー.どれもこれも,ちったあ真面目な開発環境があればいいんだけど.正直なとこ,トレースできるデバッガがないとやる気にならんのじゃよ.あってもやる気にならん気もするけど.ぶちぶち.
_まあ,あれか.中途半端に先が見えるようになって来たのがいけないのかもしれない.完全に見えないか,でなければ完全に見えれば,とか思うけど,結局のところそんなんは自分への言い訳かね.
沙漠っていうのは,とにもかくにも,怖いところだった.もっとも,魔法使いにとっては比較的暑さや寒さはなんとかならないこともない.特にアランはそういったことに対抗するための魔方陣を扱うことに長けていたから,辛いことは間違いないとはいえ一般人に比べれば遥かに問題は少なかった.先を行く白い魔法使いの少女との差を少しずつ詰めてこられたのも,魔方陣という,こういうことに関しては極めて高い効果を発揮するものを持ってこそだった.
が.
残念なことに沙漠に生息する巨大生物に対抗する手段は持ち合わせていなかった.先を行く少女に予定よりも早く追いついてしまったのは,結局のところ,民家ぐらいはあろうかという巨大な蜘蛛が,その少女の行く手を阻んでいたからだった.
何か,何か無いか? 巨大な蜘蛛から身を守る手段.巨大な蜘蛛を退ける手段.ああ,何でもいいから――
専門馬鹿.それに尽きた.魔方陣の扱いにいくら長けていても,その他はあまり得意ではないアランは,全くといっていいほど有効な手段が思い浮かばなかった.まだ蜘蛛は自分には気付いていないようだったから,今から身を翻して逃げれば逃げ切れるだろうが,いくらなんだってようやく追いついた少女を見捨てるわけにはいかない.
「リー!」
加勢出来ぬと分かっていながらも叫ばずにはいられなかった.ただ,当のリーはそんな声には少しも気付いていないようだった.
蜘蛛から噴き出される糸がリーを絡め取ろうとする.リーは糸が迫り来るたび杖を振り上げそれを弾き返していた.いや,実際には障壁魔法を断続的に展開しているらしかった.アランにはその魔力力場が青白く透き通る盾のように見えていたし,糸がぶつかる度に石でもぶつかるかのような音も聞こえていた.
全身を包むような障壁魔法が展開されていないのは,おそらくそれでは防ぎきれないとの判断と,展開し続けることによる浪費を防ぐためだろう.リーはまるで踊るかのように杖を回転させ,持ち替え,適宜適切な時間かつ適切な場所に魔法を展開していたが,足元が砂で不安定なのも手伝ってか,少しずつ押されているようだった.一度でも失敗して弾くことができなければ,その先がどうなるかなど明らかである.
そんな動作を続けたまま,リーは何かを取り出していた.いや,遠目に見ても,魔法を維持するための宝石であることはまず間違いない.それをどうするつもりなのかと思ったら,リーはそれを蜘蛛に向かって投げてしまった.そんなことをしたとて蜘蛛を退けられるとはとても思えないし,そしてなにより,あれは沙漠の中を移動するためにどうしても必要なものではないのか.
投げられた宝石は,蜘蛛に上手く当たらず,砂の上に落ちた.落ちると同時にそのあたりの砂を硬化させたあたり,さすがに投げた本人も何か細工をしたらしい.もっとも,そうでなければ,沙漠の中では半ば命とも言える維持石を投げたりはしないだろうが.
リーはもうひとつ宝石を投げた.今度は蜘蛛の右の前足に当たり,その足を潰した.が,まだ残る足で十分な活動が出来るようだった.前と変わらぬ,むしろ激しくなった攻撃に,リーは下がりながらもなんとか弾き続けていた.
最終的に,リーは五つの宝石を投げ,蜘蛛は三本の足を硬化させて,ようやく蜘蛛は撤退の様子を見せた.のだが,最後に蜘蛛が捨て台詞とばかりに噴き出した糸がリーを目掛けて飛び掛り,リーは目測を誤ったかそれとも既に防ぎきる余力などなかったのか,なんとか避けるように身を動かしたものの,ものの見事にその糸は杖にぶつかり,吹き飛ばした.疲弊していたリーに対してはかなりの衝撃だったのだろう.リーはそのまま地面に倒れ,動かなくなった.
「リー!!」
沙漠で倒れたら.いくら魔法使いといえどその命は絶望的だ.まして杖を持たない以上は一般人とさして変わるまい.アランは何も出来ず硬直していた状態から解き放たれ,砂に足を取られながらもリーに駆け寄った.
「リー! リー!」
応えはない.息はあることは間違いないが,だからといってこのままでは死んでしまう.アランは動転する気を持て余しつながらもリーを抱え上げ,あたりを見回した.幸い岩が砂の上に覗いていて,片方からの砂風は防いでくれそうだった.もう片方は自分の魔方陣でなんとかしてやればいいと判断するとアランはそこまでリーを連れて行き,リーを横たえると,すぐさま砂の上に魔方陣を描き始めた.
砂の上では魔方陣は定まらない.よって,結局アランは空中に描くのと同じ要領で魔方陣を描いた.いずれにせよ今まで自分が沙漠を歩いてきたときと殆ど同じである.まずは気温維持.それから砂風に対抗するための陣を,岩が無い側に.それなりの時間を掛けて緻密な魔方陣を描き上げたら,それは少しばかりいびつな形をして見えた.二重に描けば仕方がない.
そして,夜が訪れようとしていた.目的の少女がここにいる以上,移動する意味は無い.アランはリーの隣に横たわり眠りに就いた.
緻密な魔方陣は夜の間二人を守り通した.
朝が来てアランは目を覚ましたが,リーはまだ気付かないようだった.起こすのも可愛そうだったのでそのままにした.そこでリーが杖を持っていないことに気付き,そういえば蜘蛛に飛ばされたのだっけと思い出す.これから陽が照ってくるとなると気温維持だけでは良くないと思ったアランは,さらに日除けの陣も描き加え,その後リーの杖を探しに出た.
飛ばされてすぐに探せばよかったものを,どうやら杖は砂に埋もれてしまったらしく,探し出すのにはかなり苦労することになった.
_ところでハードディスクの空き容量が2GBを切ったのだがこれはどういった事態であろうか.全体の容量から考えればこれはまさに約3.3%である.以前100MBを切ったといって騒いでいた時のハードディスクはどれだけだったか.2GBだったか.だとするといいかげんな計算をして5%か.てことはあの時より酷いのか.もっと昔に2MBを切ったと騒いでいた時のハードディスクはどれだけだったか.120MBだったか.いいかげんな計算をして1.7%くらいか.てことはあの時よりマシか.よろしい.なんていうか,冷蔵庫とハードディスクはあればあるだけ使う,だったか.まあ,別にいらないものをがさごそと消してやればどうにでもなることは分かっているので放置だ.
_ガベージコレクタだかなんだか名前は良く分からんが,考えようによっては確かに便利だ.ばかすかnewとかやってるあたり,こいつがなければやっておれんだろう.オブジェクト指向とやらの手法なのか作法なのか知らないが,実際よく見かける.オブジェクト指向というからにはオブジェクトを使うのであって,そのオブジェクトを作るにはnewを使うわけだから必然的に多くなるのだろう.そんなこんなでオブジェクト指向とやらを謳うなら是非実装してもらいたい機能ではある.それでも妙に気に食わんのは,これまでタイミング計ったりキャッシュしたり再利用したりという細かいところを自分で書いてきたからだろう.他人を信用してないだけだが,信用しないことには始まらないし,それにこの場合は多分自分でやってるより遥かに楽で安全で確実で早いだろう.ただし実行速度の面に関しては知らない.大概においては自分でやるより早いだろうが,しかしチューニング出来ないのでもっと早くできる可能性は潰している.だがそんなことはいつの時代も同じだ.どうしても必要なら無理矢理やるだけなのも同じだ.便利になったのだと素直に喜んだ方が良い.
_あとなんかスレッド間で共有するデータの同期も凄い.ちょっとキーワード入れておくだけで勝手に同期取ってくれるらしい.ホントかどうか知らんが凄すぎる.それとレイアウト機能も良く分からんが凄い.確かにGUI部品配置を指定するのはコードだが,ちまちまと数値を書き込んでいかなくても良くなっているあたり驚きである.こんな風に自動計算して配置してくれるのなら確かに楽だ.楽なのだが正常に動かんぞ.多分配置指定が悪いんではなくて根本がどっか間違ってるのだろうとは思うがなんていうか前途多難な気がする.確かにWebで探せば揃うだけの資料は揃うのだろうが,微妙に参照性が悪いのが問題なのだ.もしかしてここは本を買う金をケチってはいかんということなのだろうか.
_どんなテレカかと思ったらこんなテレカだったとは.何か飲んでいる最中だったら口の中のものを思い切り吹いてたことは間違いない.ウェディング遙の隣に並べておきたいとか思ったあたりおそろしくダメな気がする.しかしその衣装は反則だ.聖歌少女とかな.
_今現在ここのトップには早瀬さんから頂いた10k Hit記念壁紙が張ってある.のだが,実はその壁紙の中に刻印されているサイトタイトルと実際のサイトタイトルに齟齬が発生していたりすることにようやく気付いた.URLは大丈夫なのにである.ヒストリを見てみればどうやら壁紙を頂いたのが1月の17日で,齟齬が発生したのが2月の8日のようである.現在4月も終わろうかという日付であることを考えるとどうやら三ヶ月近く放置状態だったらしい.まったくもってそのあたり無頓着というか,そもそもサイトタイトルが変わったこと自身を告知した覚えすらない.もしかしたら当時の私は告知などすまいと思っていたのかもしれないがまあどうでも良くなった.というか当時からどうでもよかったのかもしれない.
_どちらかというと自分より他人が気にするだろうからとりあえず告知に代えて.実はここのサイトは2002年の2月の8日にサイト名が変わってました.トップ絵が変わるまでは旧名も分かるとっても便利な仕組みになっております.いつ張り変わるやら分かりませんが,よろしくお願いします.
_一体何がよろしくなんだ.トップ絵の仕組みのことか.そんなことはよろしくするな.