_Unicodeテキストに正規表現をかけてなんとかしたい,という要求があったのだが,まずもって正規表現といえばPerlである.が,Perlって結構バイト列としてデータ処理してるし,全部2バイトなUnicodeをどう処理してくれるのかかなり不安だった.かといってC++だのでやるには明らかに向かないというかものすごくやりたくないので後回しになっていたのだが,実はPerlは5.8から標準でUnicodeをサポートするようになっていたらしい.
_で,使ってみた.これは良い.便利だ.標準入力と標準出力をShiftJISにしたまま至って普通にUTF-8とかUTF-16とかが扱えるし適当に変換もしてくれる.ファイルも大丈夫.今回は正規表現内部に直接漢字は現れなかったので実際には確認していないが,UTF-8で正規表現を記述しておけば漢字も通るはずだ.ついでに内部で文字コードの変換もできる.これでますますPerlが便利に!
_UTF-8ってのはちゃんとプログラマが口を出したのか,ShiftJISみたいに第二バイトに0x7F以下が入るとかいう超カッコ悪いこともないどころか,上位ビットを確認すればその文字の種類が何なのかがわかるようにできている.すばらしい.バイトエンコードだからエンディアンの心配もない.いいことだ.確かに漢字は3バイトエンコードではあるが,殆どが英字のみで構成されるソースコードに関していえば,UTF-16でサイズが倍になるよりUTF-8のほうが空間面でも良コストだ.たいへんよろしい.そしてなにより,従来の文字処理コードがそのまま使えるというのがでかい.欠点という欠点はASCII以外の文字ばかりで構成されているとサイズが増大するってことくらいか.
_さらにcmd.exeにはassocとftypeなるコマンドが用意されていて,これに.plとperlインタプリタを指定すると.plファイルがまるでシェルスクリプトのように起動できる.もう一歩がんばってPATHEXT環境変数に.plを登録しておけば,なんと起動時の拡張子まで不要に! 何で知らなかったんだ私.これでもはやPerlが手放せない! 実はこっそりシェルスクリプトが書けなかったりする私だが,これならsysytemの羅列の.plでも十分代用できる.どうせシェルスクリプトが書けても動くのはUNIX shellだけだし,BATファイルじゃcmd.exeだけだし,それならたとえ中身がsysytemの羅列でも両方で使えそうなperlのが良い.
_これであとはcmd.exeがUTF-8を読み書き表示できれば完璧だ.ちょっと譲ってUTF-16でもいい.なんとかしてくれと言いたい.内部はちゃんとUnicodeで処理してるらしいとか,chcpとかそれっぽいのはあるのにUnicodeは使えないらしいとか,ものすごくがっかりである.がっかりすぎる.
_いい文を読んでいると自分も何か書きたくなるのだが,大抵書き上げる前に途中で破棄してしまう.文を書くってのは結構難しいというか,労力がかかるものなのね,などと感心しながら,そこでとまってしまうあたりは成長がない.最近ここもこんなだからてんでダメという感じだが,まあ書く文そのものは当初に比べればそれなりにはマシになったと信じたい.
_雪景色.交通機関どうこうのあたりは毎回悩みどころではあるのだが,雪の温度にさらされた涼しい風と白い景色と静かな光景は何か懐かしいものを感じる.つい新雪に足を突っ込んでしまうあたりはガキである.いやガキだが.足がちべたい.でも帰ったら昔と変わらぬストーブが待っているだろう.多分,あのストーブは私よりもひとつ年上だ.
_ところでディスプレイを買った.20インチの液晶UXGA.ついカッとなって,と言いたいところだが,実際には旧ディスプレイのちらつきが激しくなってきており,そろそろ耐え難くなったからというのが主な理由である.もっともそんなちらつきディスプレイをお古としてまだ使うあたりは貧乏性.それはともかく,カタログでサイズを確認して買ったにもかかわらず,でかすぎてパソコンラックの天板にひっかかるというアホなことが起きた.確かにパネルを垂直状態にしておくとカタログサイズ通りでラックに収まるのだが,パネル上部を少し奥に倒そうとするとなぜか背が高くなり天板に引っかかるのである.普通傾けたら高さは低くなるだろうと考えていたのが失敗だった.妙なスタンドのせいだ.もう少し低くなってくれてもいいのに.仕方ないから角度のつけ方をできるところまでぎりぎりという形で使っている.使用に困るほどではないが,できればもう少し倒したかった.
_ディスプレイそのものは悪くない出来のようで,反応速度もちゃんと選んで買っただけのことはあってIEのスムーズスクロールでもなんとかなるくらいの速度はある.ゲーム系も特に問題はない.気になるところは設定インターフェイスが微妙に使いづらいことだったりはするが,別に頻繁に設定するわけでもないのでさほど問題ではない.あとは何だ,明るさ調節を最大限まで暗くしてもまだ明るすぎる,というあたりか.設定限界に関してはなんともならないので,グラフィックカードのデバイスドライバの設定でガンマと明るさを調節して暗くしてやった.しかしどうもこのドライバ側の設定はWindowsのアカウント毎に別個で認識されるようで,その仕様そのものは悪くないと思うのだが,おかげで毎回ログインする度に設定を読み込んでさっと画面全体が暗くなる瞬間が見られたりする.特に困ることではないのだけど.ところで,マウスカーソルにはドライバの補正がかからないのか,カーソルだけ妙に眩しく輝いているという事実があるのだが,これはカーソルを見やすくしてくれていると考えるのが一番幸せだろうか.
_前のディスプレイがSXGAで5:4だったのが,UXGAで4:3になったため妙に画面が横長に感じられる.でもまあ,一般的なサイズの画面をフルスクリーンにしても上下に黒帯ができなくなったのはいいことだろう.それにしても800x600に対して実に面積比4倍であるから,画面もずいぶん広くなったものである.昔の人に言わせれば「無駄な」ツールバーだのメニューバーだのが幅を利かせるのも道理で,最近はいろいろウィンドウを表示しまくる並列処理時代である.画面が広くなったのが先か,広い画面を要求するようになったのが先かはともかくとして,だが.しかし操作する人間はちゃんと追いついているのだろうか.
_なんとなく民主主義は本当に最高かという話.私自身は政治とか興味ない方の人間なのであまりいい加減なことを言うのも何なのだけども,大学の講義で習ったことが印象に残っている.その講義内容とはこうだ.もっとも私のものすごく汚い講義ノートからの再現である上に私のいい加減な理解のもとで書いているので,かなり間違いが含まれている可能性が高い.よってその辺は割り引いて読んでもらいたい.なお哲学の講義で,プラトンの「国家」に関する話であった.従って紀元前のアテネでの話となる.
_政治形態には大きく分けて5種ある.良いとされる方から順に以下の通り.
_民主制が下から二番目なのは,やはり「愚民どもに国家の統治を任せるわけにはいかない」という点による.さて,ここで何故最高どころか下から2番目である民主制がアテネにおいて採用されたのか.それは,最高の政治形態である最優秀者支配と,最悪の政治形態である僭主専制の差は,ただ王が優秀であるか暴君であるかの違いしかない.「権力は人を堕落させる」のであって,仮に一定期間優秀な支配がされたとしても,いずれ最悪の形態に陥ることになる.従って,「最悪の形態に陥ることを避けるために」アテネでは「形式的に最も遠い」民主制を採用したのだ,とする.
_確か大筋はこんな感じだったと思う.寡頭制というのは多分君主制のことなんだろうと思っているが(厳密には違うのかもしれない),名誉支配とやらは実はよく理解していない.いないのだが,講義を聞いている当時,この説明はかなりの説得力を持っていて,実際納得したし今でも割と納得している.まあしかし,要するにこの説明って「王様の気まぐれで殺されるの嫌だろ」と言われれば「じゃあ民主主義で」
ってことなんだろうか?
_それでもこの話からすると,たぶん、皆に学がない国なら民主制よりも君主制の方がうまく行くんだろう。
という話にも合致しているので,私自身は妙に納得してしまった.むしろ先ほどのランクでいうと寡頭制は民主制よりも良いとされているのだから,あとは僭主専制に陥らないような仕組みさえあれば確かにうまく動きそうである.しかしその仕組みこそが民主制への移行である,とするならば,民に学が広まればそちらへ移行していくというのは確かにこの話に沿っている.
_しかしプラトンってば紀元前の人らしい.紀元前からこんな話をしていたのか.人間ってば変わってないんだなあ.
_世間はクリスマスだかイブだかとやかましいが,ウチには元からそんなものはない.というか,なかったのだが,最近は世間の風に毒されたのかケーキくらいは食っている.まあさしたる意味はないんだけど.どちらかというとケーキ屋の陰謀にはめられているという方が正しそうだ.とにかく背後にある文化を全く理解していない上に理解する気がないので,祝う祝うって何をだよ,としか言いようがないのだ.こういうことを言ってると寂しい奴だなあ等という人も中には出てくるのだが,その点に関しても何故そういう結論になるのか良く分かっていない.別に祝いたい人は勝手に祝えばいいと思うけど,今のところ私には関係ない.
_とはいうが,社交性という意味ではこういう態度がいけない.例えば,クリスマスだしパーティーやろうぜ! と来たときに,私キリスト教とかよくわかんないからと言って断るのは印象が悪い可能性が高い.まあもっとも単純にケーキ食う口実だとかパーティ開く口実だとかその程度なら別にどうってことはくて,別にケーキが嫌いなわけでなし,なんか良くわかんないけど食えるならそれでいいよね,という程度には納得することにした.
_しかし何故マロンケーキ.
_目的不達成.緊張して行ったけど,予想通り,何もなかった.借りを返せなかったことが残念でもあり,借りが残っていることに安心もする.もしかしたら一生返せない借りなのかもしれないけれど,それでもこれは私の責任なのだから.