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感想

「おまえと、同じ時間を過ごせて良かった」
「うん」
「こんなにも綺麗だったんだな。この世界は」
「うん」
「なあ、瑞佳」
「うん」
「笑っていろよ」
「うん」

「ねえ、浩平?」
「うん?」
「笑顔でいられてるかな、わたし」
「ああ。笑顔でいられてるよ」

ばさっと音をたて、木々のこずえから鳥が発った。

永遠に繰り返される 季節の移ろい
通りすぎてゆく 人々
多くの想いを 置き去りにしたまま
そして そこにいる わたし

『えいえんはあるよ』

ONE
 ~輝く季節へ~

 あなたのこころを わたしのなかへ

(c) MOVIC



 BGMは,ドラマCDトラック1でどうぞ.BGMと言うか,そのままですが.と言うわけで,ONE ドラマCDのVOL.1,瑞佳ストーリーです.ちょっと失礼して,やっぱり始めに一言.

 ぎゃうーっ! 殺す気か私をッ!!

 はい,ありがとうございました.それにしてもこれ,やっぱり原作知らないと聞けませんね.まあ,原作知っている人しか買わないでしょうけど.ただちょっと思ったのは,発売もとが同じらしい小説オリジナルのネタも多少含んでいませんか? ま,私はONEに小説から入ってしまったので,逆に瑞佳シナリオは原作より小説の方が印象が強いせいかもしれません.

 ...が,とりあえず問題だったのは,前半部分の時間軸が分からないという部分.賢い皆さんはすぐお分かりになられたかもしれませんが,私には全然わかんなかったんです.だから,私がこのCDについて言及するのは,本来ならトラック1と,トラック14だけのはずなのですが.最近になって,ようやく分かった気がします.そんなわけで,せっかくですから感想ページでも.

 ...と,ちょっと待って.感想本編の前に,まずひとつ,気になったこと.ジャケットの裏にあるINDEXの表示.これは...トラック番号ではありませんね.少なくとも私はそう思いました.ずれています...以下,私の解釈です.このようにずらして,一度聞いてみてください.ずらす前よりも,遥かに内容と一致すると思います.まあ,あくまでも私の勝手な解釈ですけどね.

No. INDEX INDEX(改)
残されたこころ(Heart) 残されたこころ(Heart)
帰ってきた浩平(who has come back) 帰ってきた浩平(who has come back)
浩平のいない世界で(In the world which there is not) 浩平のいない世界で(In the world which there is not)
出会いの記憶(Memory) 出会いの記憶(Memory)
思いでづくり(OMOIDE) 思いでづくり(OMOIDE)
声(voice) (不明)
思い出(recollection) (不明)
準備(preparation) 声(voice)
忘れてしまった事(That I have forgotten) 思い出(recollection)
10 夕焼け(That I have forgotten part 2) 準備(preparation)
11 嘘(lie) 忘れてしまった事(That I have forgotten)
12 記憶(memory) 夕焼け(That I have forgotten part 2)
13 瑞佳の日誌(Diary) 嘘(lie)
14 さよなら(okaerinasai) 記憶(memory)
15 (不明) 瑞佳の日誌(Diary)
16 (不明) さよなら(okaerinasai)

 と,言いたい事はさっさと言って,いつもよりかなり短いながら感想です.


 始めにも一言いいましたけど,私はもうこのCDに殺されそうになりましたよ.本気で.まずもってトラック1.原作通り作ってあるのは,原作知らない人を排除するにせよ,原作を知っている人間にとっては強烈なパンチとなりうるトラック1.思いっきり私に強烈なパンチを食らわしたのはまず「追想」のアレンジ曲.そして,私の脳を直接ぶん殴ったのは...

ばさっと音をたて、木々のこずえから鳥が発った。

 原作でもできたはずの演出.しかし原作にはなかった.でも,音だけに特化されたドラマCDにおいて,この演出は私を思いっきり襲ったのでした...

 そして,トラック2以降.トラック13まで,日記を読みながら,友達に海に誘われたり,チェロを誉められたりする時間軸.そして,浩平が帰ってきた後に,思い出づくりと称してやるクレープ屋.この2本の時間軸を見事に絡み合わせて進む前半.日記の時間軸の途中...少しずつ,瑞佳すら浩平の記憶が曖昧になっていく.バニ山の電池が切れ,浩平の声が聞こえなくなってから.そしてついに,一度浩平の記憶が飛んだ――ただ,悲しい気持ちだけを残して.悲しい気持ちを抱えたまま生活する瑞佳.そして,高校生活最後の日直の時.トラック14.浩平がいた時の日直とかぶる――折れたチョーク.「ありがとうね.教えてくれて」そして――

 一気に蘇る浩平の記憶! 最強の「追想」オーケストラアレンジ! 右から左から,そして中央から.原作の瑞佳シナリオのいいとこばっかり抜き出して詰め込んだ約10分! これをどうして涙なしで語れるかぁーッ!!

ばさっと音をたて、木々のこずえから鳥が発った。

「浩平!!!」



 ぎゃうーっ! 殺す気か私をッ!!

 だーっ.だーっ.(<号泣) そして読まれる瑞佳のDiary.トラック15.どっちの角度から見ても,それは幸せなんだ.ね,浩平...

 ――そしてトラック16に全てが収束する.クレープ屋の時間軸に合わせ,えいえんの世界とのさよならと,こちらの世界とのおかえりなさい.



 ああもう,良くできてました.非常に良くできてましたとも.原作を使って泣かせて,その上でオリジナルのエピソードを追加して感動させて.よくやった.よくやったよMOVIC.もうこれ以上は言う事ない.
 というわけで.いつもよりは短いですが,これにて終わらせていただきます――って,私が語りたかったのはトラック14だけですか?(苦笑)


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